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Nitin Bhambri
Sr. Manager, System and Solution Team
掲載: 2023年3月2日

電気自動車(EV)で遠方へ旅行する際、充電ステーションがあまりない事が考えられます。スマホのアプリで調べ、近くにオフボード充電器を見つけることができたとしても、その充電器が自身のEVに対応しているのかわかりません。こういったケースを解決するには、オフボード充電器のスマートEV充電対応が必要です。

ルネサスは、EV充電に対応する3KWオフボードEV充電器ソリューションを提供します。このソリューションは、高い力率を維持しながら広範囲の動作電圧に対応した業界最先端のインターリーブPFCコントローラIC R2A20112ASPを内蔵しており、ACライン変動を補償します。また、ルネサスRXファミリ32ビットマイクロコントローラRX66Tを使用し、同期整流によるゼロ・ボルト・スイッチング (ZVS)機能で、高信頼・高効率なソリューションを実現しています。RX66Tは、FPUユニットを内蔵しDSP命令セットをサポートするルネサス最新のRXv3コアアーキテクチャを搭載しています。RX66Tには、高度なセキュリティおよび安全機能とともに、高分解能PWMタイマも組み込んでいます。

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3kWオフボード充電器

図1:3kWオフボード充電器

オフボード充電器にスマートEV充電機能を付加するために、ルネサスはOICソリューション(OCPPインターフェースカード)を提供します。ルネサスOICソリューションは通信規格ISO15118に準拠しており、これを搭載した充電器は、きめ細かく出力電圧を調整できるためEVの急速充電が可能です。

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図2:OCPPインターフェースカード(OIC)

ルネサスOICには、BLEモジュール (DA14531MOD)、Wi-Fiモジュール (DA16200MOD)やBLE + Wi-Fiモジュール (DA16600MOD)、GSM/NB-IoT (RYZ024A) などの、さまざまな通信デバイスが含まれています。 また、ルネサスRA2L1はArm Cortex M23コア マイクロコントローラで、CCS充電コネクター用のCANおよびPWMインターフェースを備えています。PMODインターフェースは、さまざまなオフボード充電器との通信に柔軟性をもたらします。

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図3:通信ダイアグラム

OCPP( Open Charge Point Protocol )は、充電器とCSMS(Charging Station Management System:充電ステーション管理システム)がオープンプラットフォームを介して相互に通信することに役立ちます。OCPPは、EV 充電ステーションおよびネットワーク ソフトウェア企業向けのオープンソース通信規格です。 簡単に言えば、OCPP準拠のEV充電ステーションであれば、同様のOCPP準拠ソフトウェアを実行するように構成できます。 これらは、ユーザに以下の利点を提供します。

  • あらゆるCSMSを任意の充電ステーションに接続可能
  • EV-EVSE充電プロトコルに依存しない
  • 複数のベンダから充電器の調達が可能に
  • 新しい機能が簡単に追加可能
  • その他オープン プロトコルに準拠したスマート充電をサポート

システム上の利点:

  • ユニバーサルな実装のための広い動作範囲
  • 高効率、低熱損失、高信頼性のシステムソリューションを提供するソフトスイッチングZVS
  • OCPP/Intelligenceは、どの車両でも充電器を使用できる柔軟性を提供

このウィニング・コンビネーションやその他ソリューションについては、Renesas.com/winをご覧ください。お客様の製品市場投入の迅速化をご支援いたします。

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