コグニティブ

Renesas autonomy — our Platform for Safe Cognitive Computing

ADAS(Advanced Driver Assistance System:先進運転支援システム)の究極の目標は、ドライバーの快適性と安全性です。また自動運転は、ドライバーの退屈な運転操作の解放、そして、ヒューマンエラーによって引き起こされることが多い交通事故による、死亡や怪我のリスクの削減を可能とします。

自動運転は、ある一定の条件下で車両の制御を行いながらも必要であればドライバーがすぐにドライバーにコントロールを渡せるようにしています。また、自動運転される車は、道路交通法を遵守し、速度制限を守ることはもちろん、他の車を減速させることなく高速道路で追い越した後に元の車線に戻ることも必要です。

こうした機能性を実現するため、車体周りにはカメラ、レーダ、LIDAR(レーザーを使った測定)、超音波センサーなど、様々なセンサーが利用されています。自動運転では道路や環境の状況を分析して経路を算出するために、これらのセンサーによるセンシング結果は自動運転処理向けのECUに提供されます。GPS情報や地図情報も自動運転ではセンシング情報と位置づけることができます。

SAEインターナショナルは自動運転レベルを定義しています。その範囲は、ドライバーが全ての運転操作を行うレベル0から、道路や環境条件(高速道路から密集した都市部まで)に関わらず、あらゆる運転操作を完全自動化したレベル5までとなっています。

現在、レベル2は実車に導入が進んでおり、2018年から2020年にかけて一部のOEMはレベル3を導入しようとしています。レベル3では、一定の条件下で自動運転制御するものです。自動運転中はドライバーは、機能を監視するだけで良いのですが、システムの動作が不適切な場合は、非常に短時間で(10秒以内に)対応する必要があります。レベル4では、ドライバーがシステムを監視する必要がなくなります。そのため、移動中に運転以外のこともできるようになります。 OEMは、自動運転車を2021年以降に市場投入すると発表しています。

図1.(ADASからADへ)は、既存のレベル1機能の組み合わせで、どのようにしてレベル2の機能を生み出すか、そして、レベル3、レベル4、そしてレベル5の自動運転を実現するための機能ロードマップです。

Figure 1

 

完全自動運転レベルのシステムを設計するためには、従来にも増して多くのセンサーを装備する必要があります。

 

図2.「自動運転のアーキテクチャ」では、自動運転の電子制御ユニット(ECU)に接続されたカメラ、レーダ、LIDAR、そして地図を用いた設定例を示しています。これによりセンサーフュージョンやフリースペース検知や状況認識が実行され車が制御されていきます。

Figure 2

ルネサスは、R-CarおよびRH850を用いて、レベル3とレベル4のシステムに対応しています。

ルネサスのソリューション

自動運転を実現するためには、性能のみならず車載で求められる消費電力、安全性そしてセキュリティを同時に実現することが必要です。これら制約を常に満たしながら、様々な車両に対応できるような設計が必要となります。

R-Car Gen3ファミリは、上記条件を満たしながらも拡張性が高く、再利用可能なSoCです。

R-Car Gen3ファミリは、TSMCの最先端16nm finFETプロセスを適用した自動車用SoCの完全かつ拡張性が高いラインアップです。このシリコンプロセスは、省エネ性能が高く、クロック周波数も高いため、処理速度も高まっています。

このラインアップは、最新のArm-v8Aプロセッサのアーキテクチャ(Arm®Cortex-A57 / Cortex-A53)をベースにしています。また、高性能64ビットのアーキテクチャになっており、浮動小数点、SIMD、セキュリティ処理に特化した命令セットも付いています。それらを基にして、R-Car H3は約40,000 DMIPSという優れた性能を備えています。

また、R-CarGen3には 画像認識処理をはじめとするADAS・自動運転向けのアリゴリズム処理に適したアクセラレータ IMP-X5が搭載されています。

また、R-CarH3にはGPUも搭載より広範囲に各種アルゴリズム処理への対応も可能となっています。セキュリティにおいては、シークレット・キーを保管する特定の不揮発性メモリから、実行するコードの承認を確認するセキュアブート、そしてライフサイクル管理や安全な通信にいたるまで、高度なセキュリティの対策も充実しています。機能安全では、高性能な処理を実現しつつもASIL Bまで対応したものとなっています。

しかし、自動運転では自動運転の制御システムにおいてはASIL Dレベルまでの高い機能安全性能も求められます。ルネサスのMCUであるRH850P1H-CはASIL Dに対応しながらも最大1344DMIPSを実現し、専用のHSM(ハイセキュリティモジュール)とセキュリティサポートによる高いセキュリティ対応も実現しています。 ルネサスでは、様々な開発段階に応じて多様な評価環境およびサポートプラットフォーム提供を強化しています。

R-Car スタータキット Premierは、R-Car H3を搭載した開発キットです。ソフトウェア開発者が、PC上のアルゴリズムから組み込みプラットフォームへの移行をしやすくするため、OpenCLおよびOpenGL ES 3.1サポートが付属しています。

さらにルネサスでは、より実車に近い環境での開発を加速化すべくTTTech社の開発ミドルウェアが搭載された自動運転向けの開発ソリューションプラットフォームRazorMotionをご提供しています。

TTTech社のミドルウェアはタイムトリガ方式により分散しての開発資源を統合できるアーキテクチャです。これによって、OEMやTier1サプライヤは、複雑な自動運転の各種処理をハードウェアとソフトウェア両方の観点からより迅速に開発が可能となります。

ルネサスでは、2017年のCESでHADソリューションキットを利用した自動運転デモを出展しました。

HAD Car CES 2016

エコシステムパートナーと連携したデモ開発は、大規模な開発となる自動運転システムにおいて、複数の開発者と協調し、ソリューションを統合し商品を作り上げる、OEMとTier1が直面する課題へも対応するものです。ルネサスではこれら活動を生かして、ADAS・自動運転市場の立ち上げに貢献していきます。