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Dr. Sugako Otani
Processor Architect
掲載: 2023年7月12日

こんにちは。今日のテーマは、「超低消費電力 ディスクリートタイムΔΣADC VLSIシンポジウム2023で発表!」です。私たちの身の回りの組み込みシステムは、インテリジェット化が進んでいます。MCU(マイクロコントローラ)は休みなく、環境をセンシングし、予め入力されたプログラムをもとに機器を制御します。MCUに搭載されたADコンバータは、環境のセンシング結果(アナログ値)を、コンピューターが処理できるデジタル値に変換する、重要な役割を担っています。 そのため、ADCには、高速変換と低消費電力の両立が求められています。

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ディスクリートタイム(DT)ΔΣADCは高精度であり、PVTロバスト性、ジッター感度や周波数スケーラビリティなどの観点でMCUへの搭載に適していますが、高速変換と低消費電力動作が困難でした。

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ADC Applications

この課題を解決するため、ダイナミック回路ベースの超低消費電力ディスクリートタイム(DT)ΔΣ(DS)ADCを新たに開発しました。変換精度を維持しながら、動作周波数に応じて電力を低減することができ、オーバーサンプリング比24で2MHzの帯域幅(BW)、83dBのダイナミック・レンジ(DR)、80dBの信号対(ノイズ+歪)比(SNDR)と従来のDT-DSM(DS変調器)と比較して最高効率を達成しました。このADCのコア技術は、IoTアプリケーションのより幅広い用途に、MCUをお使いいただくことに役立つでしょう。

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ルネサスは今回の成果を、2023年6月11日から16日まで京都で開催された「VLSIシンポジウム国際会議VLSI Symposium 2023)」にて発表し、好評を得ました。

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