- 両面冷却により、TOLTパッケージと比較して実装面積を57%縮小。スペースに制約のあるメガワット級ラックで、より高い電力密度を実現
- 650Vクラスで極めて低い20mΩのオン抵抗を、8×8mmの小型パッケージで実現
- 業界標準のPQFNフットプリントを採用。加えて、コントローラ、ドライバ、マイコンのフルラインアップにより、800V設計に必要な電源用半導体デバイスをルネサスから一括調達可能
ルネサス エレクトロニクス株式会社(以下ルネサス)は、このたび、AIデータセンタの800V高電圧直流(HVDC)アーキテクチャにおける高密度電力変換を可能にする、両面冷却対応の650V耐圧GaNデバイスのサンプル提供を開始しました。新製品「TP65H020G4PLSGBD」はd-mode GaNデバイスで、同クラスにおいて極めて低い20mΩのオン抵抗を、8×8mmの小型パッケージで実現しました。両面冷却PQFNパッケージにより、省スペースで高い電力密度を実現します。ルネサスは現在、主要なAIデータセンタのOEMおよびODM向けに新製品をサンプル出荷しており、量産開始は2027年半ばを予定しています。
新製品は、ルネサスの第4世代プラス(Gen IV Plus)GaNアーキテクチャをベースに、最大700V動作に対応し、次世代AIデータセンタのメガワット級電力需要に特化して設計されています。主な用途は、800Vから48V、12V、6VへのDC/DC中間バスコンバータ(IBC)降圧ステージと、サイドカー電源ラックのバッテリバックアップ(BBU)およびコンデンサバンク(CBU)ステージです。
ラック電力が約100kW級からメガワット級へ高まる中、大電力化に対応するうえで、実装スペースと発熱への対策が重要な課題となっています。従来の上面冷却パッケージとは異なり、新製品はパッケージの上下両面から放熱することで、上面側の熱インピーダンスを10%低減します。また、8×8mmのPQFNパッケージは、既存の10×15mmのTOLTパッケージと比較して実装面積を57%縮小します。
新製品は、ルネサスの第4世代プラス(Gen IV Plus)650V耐圧GaN技術を採用しています。低ゲート電荷と低出力容量、逆回復電流を最小限に抑えた内蔵フリーホイールダイオード、負のゲートバイアスを必要としない高いしきい値電圧を特長としています。d-modeベースのため、e-modeで必要となる専用ドライバを必要とせず、標準的なシリコンゲートドライバで駆動できます。また、MHz帯でのスイッチングにより、受動部品の容量やサイズを抑え、BOMコストを削減できます。
ルネサスの高耐圧GaN担当、シニアプロダクトラインダイレクターのJohn Wiggenhornは次のように述べています。「お客様がメガワット級AIデータセンタを構築する際には、必要な電力を供給しようとすると、基板スペースや熱設計がボトルネックになります。両面冷却対応の650V耐圧GaNでは、デバイスの両面から放熱し、実装面積を大幅に減らせるため、基板を再設計したり冷却装置を追加したりすることなく、中間バスでより多くの電力を扱えます。さらに、お客様がすでに使用しているシリコンゲート駆動の使いやすさをそのまま維持できるため、極めて容易にアップグレードできます。」
新しい両面冷却PQFNパッケージは、主要なAIインフラ企業と共同で仕様を策定しており、業界標準のフットプリントを採用することで調達の柔軟性を高めます。本GaNデバイスをルネサスの補助電源用コントローラ、ゲートドライバ、マイコンと組み合わせることで、800Vアーキテクチャへ移行するOEM、ODM、ハイパースケーラーは、必要な電源用半導体デバイスをルネサス1社で揃えられます。
ルネサスはすでに、このアプローチを実デバイスで検証済みです。新製品を搭載し、ルネサスのRA6T3マイコンで制御する、6kW対応800V入力48V出力のLLC直流トランス(DCX)リファレンスデザインでは、2.6kW/in³の電力密度を達成しています。モジュールごとの試験では、全負荷時の効率が、同等のTOLTベース基板と比較して0.21%高いことを確認しています。小型パッケージにより基板面積を削減できるほか、複数のFETをバランスよく配置しやすくなります。また、DC/DC 中間コンバータ(IBC)を使用した既存のリファレンスデザイン(800V入力12Vまたは6V出力)にも新製品を採用することで、同様に高い性能、拡張性、電力密度を実現します。
なおルネサスは、2026年10月12日から15日まで米国カリフォルニア州サンノゼで開催される「OCP Global Summit」において、800V電源ソリューションの一環として、本新製品を展示します。
新製品の詳細はTP65H020G4PLSGBDをご覧ください。ルネサスのGaNソリューションに関する詳細は、renesas.com/gan-fetsをご覧ください。
ルネサスのパワー製品について
ルネサスは、年間40億個以上のパワー製品を出荷しており、品質、信頼性、革新性などでパワーエレクトロニクス分野をリードしています。車載、IoT、インフラ、産業分野向けに、パワーマネジメントIC、ディスクリート製品、ワイドバンドギャップGaN製品、コンピューティングパワー製品などを提供しています。これらを当社のマイコンやMPU、SoC、アナログ製品などと組み合わせ、エンジニアによる設計検証を行った何百種類ものウィニング・コンビネーションや、PowerCompass™、PowerNavigator™などの革新的な設計ツールを通じて設計の簡素化と開発期間を短縮します。詳しくは、こちらをご覧ください。renesas.com/power
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