Bluetooth Low Energy対応SoCを拡充し、フラッシュ内蔵でデュアルコアを搭載した低消費電力な「DA14592」を発売

　ルネサス エレクトロニクス株式会社（代表取締役社長兼CEO: 柴田　英利、以下ルネサス）は、このたび、Bluetooth® Low Energy（LE）対応SoC（System on Chip）製品を拡充し、フラッシュメモリ内蔵でデュアルコアを搭載した低消費電力な「DA14592」を発売、量産を開始しました。CPUにはArm® Cortex®-M33とCortex-M0+を搭載し、トレードオフの関係となるオンチップメモリとダイサイズ（コスト）の最適化を図りました。このDA14592とアンテナなどを集積したモジュール「DA14592MOD」も、2024年2Q（4月~6月）までに認証を取得し、発売予定です。これらの新製品は、Bluetooth LE機能を搭載した、ヘルスケア、アセットトラッキング、ウェアラブル、メータ、POSリーダ、紛失防止タグなど、幅広いアプリケーションに適しています。

　新製品は、ルネサスのBluetooth LE SoC製品の特長である低消費電力性能を継承しています。今回新たな低消費電力モードを採用し、無線送信電流は2.3mA（0dBm時）、受信電流は1.2mAと、世界トップクラスを実現しています。さらに、待機時にはわずか90nAの超低電流のため、バッテリ駆動機器の出荷後の電池保持期間を延ばします。また、アクティブ時でも34µA/MHzと、極めて低い消費電流でアプリケーション処理を実行可能です。

　システムコストの観点からは、DA14592はコンデンサなども含めても最少6つの外付け部品で動作可能なため、設計部品表（eBOM）の低減が可能です。高精度なオンチップRC発振器でシステム制御できるため、大半のアプリケーションでスリープモード用の水晶振動子を必要としません。また、DA14592は小型パッケージ（WLCSP：3.32mm x 2.48mmおよびFCQFN：5.1mm x 4.3mm）のため、機器の小型化が可能です。また、高精度ΔΣA/Dコンバータと最大32個のGPIOを搭載しています。オンチップメモリには、フラッシュを256KB（キロバイト）、ROMを288 KB、RAMを96KB 搭載し、さらに外部メモリ（フラッシュまたはRAM）を拡張できるよう、Quad SPIインタフェースをサポートしています。

　DA14592MODモジュールは、DA14592の機能の実現と、Bluetooth LEの実装に必要なすべてのコンポーネントを統合しました。これによりユーザは早期の市場投入が可能になり、プロジェクト全体のコストを低減できます。このモジュールは、取り付けが容易かつ低コストなキャステレーションピンにより基板実装が可能なため、設計の柔軟性を最大限に確保するができます。

　新製品の主要アプリケーションの1つは、位置情報取得による紛失防止タグです。この市場は、AppleのAirTagの売上だけでも、2031年までに北米で290億米ドル以上に達すると予測されています（注1）。Googleも、位置情報ネットワーク「Find My Device」を強化する計画を発表しています。ルネサスは、GoogleのFind My Deviceネットワークがサードパーティー製Bluetoothトラッカーでも利用可能になり次第、両プラットフォーム向けに業界トップクラスの低消費電力、低BOMコスト、省スペースを備えたトラッカー（タグ）向けリファレンスデザインを提供する計画です。これらのリファレンスデザインは、タグ設計を加速させるだけでなく、紛失や盗難の可能性がある製品を製造するメーカが、DA14592を既存の製品に実装し、数十億台のスマートフォンを利用して製品をグローバルに探索できるようにすることで、製品を差異化し、最終ユーザへの製品価値を高めることを可能にします。DA14592MODモジュールを使用することで、世界中の無線認証取得の必要がなくなり、開発コストを低減し、市場投入までの時間をさらに短縮します。

　ルネサスの執行役員兼アナログ&コネクティビティ担当ジェネラルマネージャーであるDavin Leeは、次のように述べています。「DA14592とDA14592MODは、ルネサスのトレードマークである低消費電力とクラス最高のeBOMを備え、Bluetooth LE SoCにおける当社のリーダーシップをさらに拡大します。私たちは、お客様の声に耳を傾け、位置情報取得などのアプリケーション向けのリファレンスデザインを提供することで、製品サポートの強化を続けて参ります。」

ウィニング・コンビネーション

　ルネサスは、DA14592とルネサスの多数のポートフォリオから最適なデバイスを組み合わせ、「軽電動車両用インストルメントパネル」ソリューションなどを提案しています。ルネサスのウィニング・コンビネーションは、ルネサス製品を最適に組み合わせてエンジニアによる設計検証を行っているため、ユーザの設計のリスクを低減し、市場投入までの時間を短縮します。ルネサスは、様々なアプリケーションに向けた400種類以上のウィニング・コンビネーションを提供しています。詳しくは、こちらをご覧ください。renesas.com/win

DA14592およびDA14592MODのほか、開発キットやライセンス料不要で低コストな量産時のテスタも用意しています。詳しくは、こちらをご覧ください。renesas.com/DA14592

なお、位置情報トラッカー機能を既存製品に実装することに興味のあるユーザは、こちらにお問い合わせください。[email protected]

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（注1）出典: IMIR® Market Research Pvt Ltd.

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