- 対象事業は取引完了後の12カ月間で売上高3億ドルと売上総利益率70%を達成する見通し
- 同事業の売上高の75%以上がAIデータセンター/通信向けの高成長分野
- 精密タイミングソリューションの専業企業として売上10億ドルを目指すSiTimeの歩みを加速
- 両社はパートナーシップMOUを締結し、SiTimeのMEMS共振器とルネサスの組み込みプロセッサの統合を検討
精密タイミングソリューションを提供するSiTime Corporation(本社:米国カリフォルニア州サンタクララ、Chairman and CEO: Rajesh Vashist、上場市場:Nasdaq、以下SiTime、読み:サイタイム)とルネサス エレクトロニクス株式会社(本社:東京都江東区、代表執行役社長兼CEO:柴田 英利、以下ルネサス)は本日、SiTimeがルネサスの連結子会社のRenesas Electronics America Inc.(以下、Renesas Electronics America)と、ルネサスのタイミング事業に関する資産を買収する(以下本取引)旨の契約(以下本契約)を締結したことを発表しました。本取引により、SiTimeは、業界をリードするポートフォリオを有し、高性能タイミング製品に対する顧客ニーズを幅広く満たす、精密タイミングソリューション専業企業として、売上高10億ドル達成に向けた成長を加速します。また今回、SiTimeとルネサスは、SiTimeのMEMS共振器をルネサスの組み込みプロセッサに統合するパートナーシップを検討するため、MOU(覚書)を締結しました。
SiTimeのChairman and CEOのRajesh Vashistは、次のように述べています。
「本取引は、タイミング市場を変革し、同市場で顧客が直面する非常に困難な課題を解決するというSiTimeのビジョンを実現するための、重要なマイルストンとなります。ルネサスのタイミング事業が加わることで、クロック製品のポートフォリオは10倍以上に拡充され、通信、エンタープライズ、データセンターといった、タイミング市場において成長著しいアプリケーションへの展開を強化します。これら分野への売上は、買収が完了するとSiTimeの全売上高の60%以上を占める見込みです。本日発表した2025年の業績が示すとおり、SiTimeはこれまで堅調な財務実績を積み重ねてきました。その強固な基盤の上に立ち、本取引により、株主の皆さまに卓越した価値を提供できると確信しています。」
取引対象となる事業は、30年にわたる実績を持つクロック分野のリーディングブランドであり、差別化されたクロック製品のポートフォリオと優れた財務基盤を強みにしています。これまで約70%の売上総利益率を維持し、安定した業績を継続的に達成してきました。1万社を超える顧客に製品を提供しており、売上高の約75%はAI・データセンター・通信向けが占め、残りは産業および車載向けで構成されています。本取引完了後12カ月間においては、SiTimeの営業力および市場開拓力を活かし、対象事業で売上高3億ドルを創出する見込みです。
ルネサスの代表執行役社長兼CEOの柴田 英利は、次のように述べています。
「今回の取引により、ルネサスは組み込みコンピュート分野でのリーダーシップに一層注力すると同時に、顧客にSiTimeの最先端MEMSタイミング技術をご提供できるようになります。今後、SiTimeとの戦略的協業の機会を追求しながら、次世代のインテリジェントデバイスに求められる高い性能と効率を実現する統合ソリューションの開発を目指していきます。
本取引とパートナーシップに向けた取り組みは、私たちが掲げる2035 Aspirationの実現と、組み込み半導体ソリューションのサプライヤーとしてトップ3を目指す上での重要な一歩となります。本プロセスを通じて、従業員、顧客、パートナーの皆さまへのサポートに引き続き全力で取り組み、円滑な移行を確実に進めてまいります。」
SiTimeのChairman and CEOのRajesh Vashistはまた、次のように述べています。
「SiTimeの戦略の一つは、自社の共振器を他社のマイコンやパワーマネジメントIC、SoCに統合することで、半導体メーカーに対してサイズ・性能・消費電力面でのメリットを提供することです。SiTimeは、こうした取り組みによって顧客にもたらされる付加価値の拡大、そしてSiTimeにとっての複数年にわたる新たな収益機会の創出に大きな期待を寄せています。」
SiTimeのTitan MEMS共振器は、ベアダイとして、ルネサスのマイコンやSoCのダイと単一パッケージ内で組み合わせることを可能にする、独自技術を有しています。これにより、システム基板上に共振器を実装する際に伴う課題を解消するとともに、設計の簡素化や省スペース化を実現します。この次世代技術は、性能、エネルギー効率、小型化が特に求められるAIデータセンター、ロボットなどの産業機器、自動車のADASシステム、ウェアラブル機器といった分野において、新たな可能性を切り開くものと期待されます。
本取引完了後のSiTimeにとっての主なメリット
SiTimeは、ルネサスのタイミング事業に関する資産を取得することにより、顧客基盤および製品ポートフォリオの両面で事業規模を大きく拡大するとともに、財務基盤を一段と強化します。
幅広く、長年にわたる世界トップクラスの顧客との関係性
対象事業は、30年以上にわたり、1万社を超える顧客から信頼されるパートナーとしての地位を築いてきました。買収後、SiTimeの顧客には、世界トップ10のクラウドハイパースケーラー、トップ7のAIサーバーメーカー、トップ10のエンタープライズ・ネットワーキング・通信機器ベンダー、トップクラスの自動車OEMおよびTier 1サプライヤー、ならびにモバイル/IoT/コンシューマ分野のトップ企業が含まれます。この対象事業の多様な顧客基盤は、SiTimeの差別化されたMEMS発振器を拡販する上で、大きな成長機会をもたらします。
高い補完性と差別化を有する製品ポートフォリオ
本取引により、SiTimeはクロックジェネレータ、クロックバッファ、ネットワークシンクロナイザー、ジッタアッテネータ(ジッタ減衰器)など、自社製品と高い補完性を持つクロック製品群を獲得します。SiTimeの差別化されたMEMS発振器とこれらのクロッキング技術を組み合わせることで、データセンタースイッチ、SmartNIC(スマートネットワークインタフェースカード)、ルーター、ヒューマノイドロボットなどの高性能アプリケーションへの対応力を一層強化します。
高性能・高信頼性・プレミアムサポートを体現するリーディングブランド
SiTimeの発振器ポートフォリオとルネサスのクロック製品ポートフォリオを組み合わせることで、新生SiTimeは、高性能・高精度なタイミングソリューションに特化したリーディングカンパニーとしての地位を確立します。設計サイクルが短期化する中で、高い性能、信頼性、柔軟性、設計簡素化といった価値を顧客に提供していきます。
売上規模の拡大、利益率の向上、1株当たり利益への貢献
本取引により、SiTimeは、売上高10億ドル達成に向けた歩みを加速させるとともに、年率25~30%の売上成長という長期目標を維持することが可能となります。また、売上総利益率60~65%という目標レンジの上限達成を後押しことが期待されます。さらに、本取引は、取引完了後初年度からSiTimeのnon-GAAPベースの1株当たり利益に対して増益効果をもたらす見込みです。
取引概要
本取引の最終契約の条件に基づき、SiTimeは、ルネサスのタイミング事業に関する資産を現金15億米ドルおよびSiTimeの普通株式413万株(1株あたり額面0.0001米ドル)により取得します。株式対価として発行されるSiTimeの普通株式数は、本取引完了日の3営業日前までの10営業日間の出来高加重平均株価(VWAP)に基づき調整が行われる可能性があり、下限価格を308.6686米ドル、上限価格を417.6104米ドルとするカラー条項(価格変動調整幅)が設定されています。
SiTime は、現金対価について、手元資金および Wells Fargo Bank, N.A. から提供される9億米ドルの全額コミットメント済みデットファイナンスにより調達する予定です。取引完了後を含む SiTime の堅調なキャッシュフローにより、取引完了後24カ月以内にレバレッジ比率を2倍未満まで迅速に低減できる見込みです。なお、本取引には資金調達条件は付されていません。
SiTimeおよびルネサスの取締役会はそれぞれ、本取引を全会一致で承認しており、本取引は、一般的な取引条件の充足および関係規制当局による承認を経て、2026年末までに完了する予定です。
本取引完了後、ルネサスのCEOである柴田 英利はSiTimeの取締役に就任する予定です。
本取引のアドバイザー
SiTimeは、フィナンシャルアドバイザーとしてQatalyst Partners、リーガルカウンセルとしてCooley LLP、戦略コミュニケーションアドバイザーとしてJoele Frankを起用しています。また、Wells Fargo Bank, N.A.が、本取引に関してコミットメント済みのデットファイナンスをSiTimeに提供しています。
ルネサスは、フィナンシャルアドバイザーとしてJ.P. Morgan、リーガルカウンセルとしてSidley Austin LLPを起用しています。
SiTimeについて
SiTimeは、プレシジョン・タイミング分野のリーディングカンパニーです。SiTimeの半導体MEMSプログラマブル・ソリューションは、豊富な機能を備えており、より高い性能、小型化、低消費電力、高い信頼性を実現することで、顧客製品の差別化を可能にします。これまでに40億個以上のデバイスを出荷し、SiTimeはタイミング業界に変革をもたらしてきました。詳細は http://www.sitime.com をご覧ください。
Precision Timingについて
タイミングは、あらゆる電子機器の“心拍”とも言える存在であり、性能、信頼性、拡張性を支える重要な要素です。長年にわたり、シリコン以外の技術である水晶デバイスがシステムの同期を担ってきましたが、より過酷で高度な環境では課題がありました。MEMSベースのプレシジョン・タイミングは、より高い精度、小型化、耐環境性を提供します。現在、MEMSタイミング技術は、AIデータセンター、自動運転、産業用およびヒューマノイドロボット、ウェアラブル、IoTなど、高成長分野を含む400以上の用途で採用されています。
ルネサス エレクトロニクスについて
ルネサスは、世界トップシェアのマイコンサプライヤとして、組み込みプロセッサを中心に、アナログ&パワー、コネクティビティなどの各種半導体を、自動車、産業、インフラ、IoT分野に提供しています。また、私たちの製品を最適に組み合わせたウィニング・コンビネーション・ソリューションを提案することにより、早期開発にも貢献しています。あらゆるモノとモノをつなぎ、エンドポイントのインテリジェント化を推進するなど、ルネサスは人々の暮らしを楽(ラク)にする技術で、持続可能な未来をつくることを目指してまいります。詳細は、www.renesas.comをご覧ください。SNSのフォローはこちらからLinkedIn, Facebook, X, YouTube。
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