ルネサス エレクトロニクス株式会社(本社:東京都江東区、代表執行役社長兼CEO:柴田 英利、以下ルネサス)は、ソフトウェア開発企業のPictorus(本社:米国カリフォルニア州オークランド、CEO: Chris Sullivan 、以下Pictorus社、読み:ピクトラス)の買収を、ルネサスの子会社を通じて本日完了したことをお知らせします。
Pictorus社の買収により、ルネサスは、クラウドベースのビヘイビアモデリングプラットフォームを獲得します。これにより、モデルベースのシステム設計を実現する連携型プラットフォームの提供が可能となり、個別ツールに依存した従来のエンジニアリング体験を進化させ、組み込みシステム開発を加速します。本買収はまた、デバイスの調査・選定からライフサイクルマネジメントまで電子機器開発を単一の統合クラウド環境で実現するルネサスの新たなプラットフォーム「Renesas 365」の価値をさらに高めるものです。本プラットフォームの活用により、エンジニアは、システムの動作や設計意図を視覚的に設計・表現・シミュレーションできるようになり、アプリケーション開発サイクルを加速させます。さらに、クラウドネイティブなプラットフォームとして、システムモデリングからソフトウェア実装、デバイスへの展開に至るまで一貫してつながるデジタル基盤を実現し、開発プロセス全体の連続性を確保します。これらの取り組みは、ルネサスが掲げるデジタライゼーションビジョンの実現をさらに前進させるものです。すなわち、Altiumと共に「電子機器設計・ライフサイクルマネジメントプラットフォーム」を構築することで、あらゆる規模や業種のユーザーが電子機器設計に参画しやすくし、さらなるイノベーションを創出してまいります。
自動車、ロボティクス、産業機器分野においてソフトウェア定義型ソリューションの開発が急速に進み、開発初期段階でのシステム検証と開発スピードが競争力を左右する重要な要素となっています。本買収はこのような市場環境を踏まえ実施するものです。Pictorus社の技術をRenesas 365に統合することで、設計制約やシステム動作の最適化を支援する高度なシステムエンジニアリングを構築し、開発の迅速化と誰もが参画しやすい開発環境を実現します。具体的には、エンジニアはWebブラウザ上でブロック図を描くことで、デバイスの動作を視覚的に設計できるようになります。さらに、作成したブロック図はそのまま実行可能な組み込み対応ソフトウェアへと自動的に変換され、従来必要だったコーディング作業は不要となります。生成されるソフトウェアは、堅牢かつメモリ安全性に優れたRustベースのコードとして構築され、C/C++やPythonとの相互運用性にも対応しています。これらの機能により開発の効率化と迅速化が進み、市場投入までの時間を短縮できます。
ルネサスのソフトウェア&デジタライゼーショングループ、R&D/デジタルインダストリー担当 ヴァイスプレジデントのLeigh Gawneは、次のように述べています。
「Pictorus社の技術をRenesas 365に組み込むことで、既存のアーキテクチャモデリング機能にビヘイビアモデリングやシミュレーション機能が加わり、Renesas 365上でのシステム設計が進化します。また、迅速な仮想プロトタイピングや自動コード生成を可能とするPictorus社の技術は、開発プロセスの前倒し(シフトレフト)を促進します。これにより、設計検討や評価のスピードを高め、より迅速かつ最適なデバイス選定が可能となります。」
Pictorus社は、過酷な環境下でも動作する車載ソフトウェア開発において長年の経験を有するエンジニアによって設立されました。同社は、実用レベルの組み込みシステムを開発するには、ツールやワークフローがあまりにも分断されているという共通の課題認識を出発点に、その解決を目指してきました。Pictorus社の技術は、迅速な反復開発、メモリ安全性に優れたコード生成、およびモデルベース設計を通じて、信頼性の高い組み込みソフトウェアの設計、デバッグ、デプロイを容易にします。
Pictorus社のFounder and CEOのChris Sullivanは、次のように述べています。
「Pictorus社を立ち上げた背景には、組み込みファームウェア開発において、ハードウェア、ソフトウェア、シミュレーション、デプロイといった各工程の間に多くの分断が存在し、エンジニアがそれを埋めなければならないという課題意識がありました。エンジニアには、より現代的で統合された開発環境が必要だと考えています。ルネサスの一員となるにあたり最も魅力を感じているのは、この目指す姿がRenesas 365の方向性と強く一致している点です。ルネサスは、ハードウェア、ソフトウェア、開発ワークフローを大規模に統合できる独自のポジションにあり、私たちもその未来の実現に共に取り組んでいけることを大変楽しみにしています。」
以 上
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