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ルネサスとTTTechは、自動運転の量産向け開発を加速するソフトウェア搭載「HAD(高度自動運転)プラットフォーム」を共同開発

~複数のソフトウェアを統合できるソフトウェアとツールの提供により、プロトタイプECUの開発期間を短縮可能~

2017年01月05日

  • ルネサス エレクトロニクス株式会社
  • TTTech Computertechnik AG

 ルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役社長兼CEO:呉 文精、以下ルネサス)とTTTech Computertechnik AG(Member of the executive board:ゲオルグ・コペッツ(Georg Kopetz)、本社:オーストリア、以下TTTech)は、自動運転車の開発に向け、車載制御ユニット(Electronic Control Unit、以下ECU)のプロトタイプの開発期間を短縮する、「HAD(Highly Automated Driving: 高度自動運転)プラットフォーム」を共同開発しました。

 

 自動運転車は2020年の市場投入にむけて各社が開発を加速化させており、カメラ、レーダなどの複数のセンサーによるセンシング処理、経路計算、制御など大規模で複雑なソフトウェア開発が必要になります。そのため、ソフトウェアは複数のチームによって並行して開発されるようになっています。この時、それぞれのソフトウェアがCPU、ハードウェアアクセラレータ、ネットワークといったハードウェアのリソースの競合なくシステム統合されることが求められます。

 この新プラットフォームは、並行して開発された複数のソフトウェアを統合して実車で動作検証できるよう、ルネサスの車載コンピューティング用SoC「R-Car H3」と車載制御用マイコン「RH850/P1H-C」を採用したハードウェアキットに、TTTechのADAS(Advanced Driving Assistance Systems)向けソフトウェアプラットフォーム「TTIntegration」を搭載しました。これにより、OEM、Tier1メーカは、自動運転用ECUのプロトタイプの開発期間を短縮可能です。

 

 本製品の価格、販売時期は未定で、TTTechからの販売を予定しています。

 

 今回発表するHADプラットフォームは 2016年10月広報発表したルネサスの「HADソリューションキット」の拡張展開として、複数のソフトウェアを統合して実車評価できるよう、TTTechの専用ハードウェアに、ソフトウェアプラットフォーム「TTIntegration」を搭載しました。HADプラットフォームはASIL D(注1)への対応を想定した開発プラットフォームです。OEM、Tier1メーカは、HADプラットフォームを利用することにより、自動運転に向けたECU開発をさらに加速させることが可能となります。

 

 新製品「HADプラットフォーム」の特長は以下の通りです。

 

(1)複数のソフトウェアを統合可能なソフトウェア「TTIntegration」搭載により、開発効率を向上

 日進月歩の自動運転の開発においては、センサー処理、経路計算、制御など複数のソフトウェアのシームレスなインテグレーション環境を用いてステップバイステップの開発が求められている。TTTechのTTIntegrationは、複数の制御用マイコン、高性能SoC上で、複数のソフトウェアを統合できるうえ、高い性能と安全性を実現できるソフトウェアプラットフォームなので、高いセーフティ機能が求められるアプリケーションも、同時動作する複数のアプリケーションを変更することなく実装ができる。パソコンでのシミュレーションツール環境を用いて、HADプラットフォームとパソコン間でのシームレスなデータ共有が可能であり、ひとつのECUを複数のチームで並行開発する環境構築が可能となり、自動運転の量産に向けて開発期間短縮に貢献する。

 

(2)プロトタイプECUの開発評価を、実車で実施可能のため、自動運転向けECUの早期開発が可能

 HADプラットフォームのハードウェアは、筐体がIP51(注2)のプロテクションレベルを実現するアルミニウム製を採用しており、量産への移行に際に求められる放熱、振動対策も実施済み。動作温度は‐40度から85度、車載向け電源もダイレクトに接続が可能。搭載されるLSIは、ルネサスの高い性能と機能安全でASIL Bを実現する車載コンピューティング用ハイエンドSoC「R-Car H3」と、ASIL Dの高い安全性を実現するシャシー制御用ハイエンドマイコン「RH850/P1H-C」を搭載。これらにより、プロトタイプECUの開発評価を、実車で実施可能のため、自動運転向けECUの早期開発が可能。

 

 今回の新製品の発表に際して、ルネサス エレクトロニクス株式会社 セーフティソリューション事業部 副事業部長のJean-Francois Chouteau は次のように述べています。「自動運転は自動車業界でもっとも成長率の高い分野であり、OEMは安全性と新しい機能のロバスト性確保において主要な役割を担っています。ルネサスとTTTechによるHADプラットフォームは これらニーズに貢献できる開発プラットフォームです。 HADプラットフォームによる効率的な開発、インテグレーション環境は自動運転の実用化を加速させることができます。」

 

 TTTechのMember of the executive boardのステファン・ポレドナ(Dr. Stefan Poledna)は、次のように述べています。「ルネサスとTTTechの連携による第一弾として 本プラットフォームを提案でき大変うれしく思います。半導体のソリューションプロバイダのリーダーであるルネサスと、スケーラブルでセーフティなECUプラットフォームで実績の高いTTTechとの連携はパーフェクトであり、高性能な自動運転向けの開発プラットフォームをいち早くお届けすることが可能となりました。」

 

 新製品のハードウェアの仕様は、 別紙(146KB)をご参照ください。

以 上

 

  • (注1) 

    ASIL D:ASILは機能安全規格ISO26262で定義される自動車用安全度水準であり、QM (Quality Management)、A、B、C、Dで水準が示されます。HADプラットフォームに搭載されるASIL Dの高い安全性を実現するシャシー制御用ハイエンドマイコン「RH850/P1H-C」と、セーフティOSであるAUTOSAR、TTIntegration ソフトウェアプラットフォームを用いることにより、ASIL Dをターゲットとしたシステムの開発環境を実現することが可能です。また、HADプラットフォームにはASIL Bに対応する高い性能のハイエンドSoC「R-Car H3」も搭載されています。

  • (注2) 

    IP51:国際標準IEC 60529で定められる保護等級のグレード。IP51は、動作に影響が発生するほどの粉塵が中に入らない防塵および、鉛直から落ちてくる水滴による影響がない防滴を表します。


  • *  

    本リリース中の製品名やサービス名は全てそれぞれの所有者に属する商標または登録商標です。

【ルネサスについて】

 ルネサスはこれまで、全世界にむけて高性能かつ低消費電力を実現するソリューションを提供してきました。また、オープンなアプリケーションプログラミングインターフェース(API)と充実した開発ツールにより、タイムリーでコストセンシティブな開発環境を提供しています。機能安全においても最も高い安全性を実現するASIL Dに対応したマイコンから高性能SoCも取り揃え、プレミアムな商品からエントリーレベルと幅広い分野でのECU開発に貢献するトータルソリューションの提供を行っています。

 

【TTTechおよびTTIntegrationについて】

 TTTechは産業、輸送機関、航空分野での高い信頼性と安全性を実現した実績をもとにIOT、自動運転分野においてネットワーク・コンピュータシステムの安全性、信頼性向上に貢献しています。TTTechのソリューションは実績のあるプラットフォームベースのアキテクチャの採用で、カスタマにとって短納期かつ大幅なコスト低減を実現した、システムインテグレーションを容易に実現します。TTTechのプラットフォームは来たるべき IEEE TSN やSAEで標準化されたタイムトリガイーサネットを含む Deterministic Ethernet を基本として、拡張性に富みかつモジュール型のリアルタイムシステムを実現しています。TTTechに関する詳細な情報は、www.tttech.comにあります。

 

 TTTechのADASプラットフォームの要はTTIntegrationと「Deterministic Ethernet」にあります。TTIntegrationは複数のCPUレベルで同期をとり、これらCPUを用いて複数のアプリケーションの実行が可能となります。システム上でデータの共有やアプリケーション毎にハードウェアの開発を行い統合することも可能であり、システム構築の自由度が向上します。各種オペレーティングシステムで稼動するAUTOSARも準備されており、開発済みのアプリケーションの移植もスムーズに行うことができます。また、TTTechはさまざまな安全レベルもサポートしており、TTTechのコンセプトである「Freedom of Interference」は高い安全基準により、仮にひとつのアプリケーションのバグや欠陥が発生しても、他のECUへの影響を防ぐことが可能となっています。これらはTTTechのDeterministic Ethernetにより実現しています。


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