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Overview

Description

本製品は、RH850で実現する車載リアルタイム制御アプリケーションに最適化されたAUTOSAR仕様リアルタイム・マルチタスクOSです。車載制御アプリケーションの高性能化、機能安全対応に貢献します。

機能安全規格(ISO26262)に準拠した開発プロセスを適用しております。 また、機能安全ドキュメントとしてセーフティ・マニュアル(オプション)を提供しております。今後もアセスメント・レポート等のドキュメントを拡充する予定です。

Important:RV850 V2.xはマルチコアOSではありません。マルチコアOS機能はサポートしていませんが、マルチコアマイコンの各コアでRV850 V2.xを個別に動作させることは可能です。

Important:本製品は、RH850ファミリ用リアルタイムOS [RV850 V3]とは別製品です。

Features

  • OSEK/VDX仕様、AUTOSAR仕様に準拠
    車載分散制御用のオープン・エンド・アーキテクチャの業界標準規格を目的としたOSEK/VDX仕様(OSEK/VDX Operating System Ver.2.2.3,OSEK/VDX OSEK Implementation Language Ver.2.5)、およびAUTOSAR 仕様(AUTOSAR Release 4.2.2)に準拠した設計が行われており、各種機能を提供しています。
  • スケーラビリティ・クラスSC1、SC3対応
    AUTOSAR OSで定義しているスケーラビリティ・クラスのうち、SC1(基本OS)とSC3(メモリ保護)をサポートしています。
  • RH850マイコン密着設計・サポート
    RH850専用にシステム・サービス処理、データ構造を最適化し、低オーバヘッド、省メモリを実現しました。また、あらゆる使用条件で割り込みマスク時間の最悪値を保証する設計としており、車載制御のリアルタイム性を確保することができます。
  • 高性能
    RH850専用にシステム・サービス処理、データ構造を最適化し、低オーバヘッド、省メモリを実現しました。また、あらゆる使用条件で割り込みマスク時間の最悪値を保証する設計としており、車載制御のリアルタイム性を確保することができます。
  • 高品質
    CMMI レベル3, ISO26262(ASIL D相当)を満たす開発プロセスを適用し、説明可能な品質を実現しています。また、機能安全対応等、お客様の品質保証スタイルに合わせたサポートサービスを提供することが可能です(要サポート契約)。
  • 導入容易
    AUTOSAR標準のARXML形式だけでなく、従来のOSEK OIL 形式のコンフィギュレーション・ファイル形式をサポートしており、AUTOSARコンフィギュレーションツール無しでシステム構築が可能です。また、OS 単体で導入されることを前提としてセーフティ・マニュアル等の機能安全対応向けオプションを提供可能ですので、従来のOSEK OSを組み込んだシステムの機能安全対応といったご要求にも応えることが可能です。
  • 機能安全対応(オプション)[詳細]
    RV850上で動作するアプリケーションを安全に動作させるための情報をまとめた、セーフティ・マニュアルを提供しています。また、アセスメント・レポート等の提供も計画しています。
  • Learn More

Release Information

最新Ver.: V2.04.00
リリース: 2019/9/30
バージョンアップ内容(ツールニュース参照)
動作環境
契約形態

Target Devices

Documentation

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詳細情報

機能

RV850カーネルは以下の機能モジュールから構成されています。

  • タスク管理機能
    タスクを実現すべき処理の用途に合わせて、OSEK/VDX仕様で要求されている2種類のタスクをサポートしています。
    1. 基本タスク
      イベントの割り付けが行われていないタスクであり、SUSPENDED状態、READY状態、RUNNING状態といった3種類の状態に遷移可能です。

    2. 拡張タスク
      イベントの割り付けが行われたタスクであり、SUSPENDED状態、READY状態、RUNNING状態、WAITING状態といった4種類の状態に遷移可能です。

    また、スタック・オーバーフローの発生を検知するための機能として、スタック・モニタリング機能を提供しています。(タスク、割り込みサービス・ルーチン)
  • 割り込み管理機能
    割り込みが発生した際に起動する割り込みサービス・ルーチンに関連した機能を提供しています。RV850では、2種類のカテゴリをサポートしています。
    • カテゴリ1
      RV850を介在させることなく呼び出される割り込み処理専用ルーチン

    • カテゴリ2
      RV850が提供している割り込み前処理(レジスタの退避、スタックの切り替えなど)を実行したあとに呼び出される割り込み処理専用ルーチン

  • リソース管理機能
    限られた数の資源が競合することを防止するためのメカニズムとしてリソース管理機能を提供し、3種類のリソースをサポートしています。
    • 通常のリソース
    • インターナル・リソース
    • リンクト・リソース
  • イベント管理機能
    あるタスクの処理結果が出るまでの間、処理の実行を待つといったタスク間の待ちあわせを実現するためのメカニズムとしてイベント管理機能を提供しています。
  • カウンタ管理機能
    事象の発生回数に対応した処理を行うためのメカニズムとして"カウンタ管理機能"を提供し、2種類のカウンタをサポートしています。
    • ソフトウエア・カウンタ
    • ハードウエア・カウンタ
  • アラーム管理機能
    カウンタのもつカウント値の変化に同期した処理を行うための機能として"アラーム管理機能"を提供しています。
  • スケジュール・テーブル管理機能
    カウンタのもつカウント値の変化に同期した処理を行うための機能として"スケジュール・テーブル管理機能"を提供しています。
  • OSアプリケーション管理
    機能システムで使用する資源(タスク、カウンタなど)をグルーピングし、アクセス保護(システム・サービスの発行に伴う資源の操作を禁止/許可)するためのメカニズムとして"OSアプリケーション管理機能"を提供しています。
  • OS実行管理
    RV850の起動/終了といった処理を実現するためのメカニズムとして"OS実行管理機能"を提供しています。
  • スケジュール管理
    動的に変化していくタスクの状態を直接参照することにより、タスクの実行順序を管理/決定し、最適なタスクにデバイスの利用権を与えるためのメカニズムとして"スケジュール管理機能"を提供しています。
    なお、RV850では、以下に示した2種類のスケジューリング方式をサポートしています。
    • 非プリエンプティブ属性
    • プリエンプティブ属性
  • システム初期化処理
    ハードウエア・リセットの発生から処理プログラム(タスク)に制御を移すまでにRV850が処理を実行するうえで必要となるハードウエア/ソフトウエアの初期化処理を提供しています。

仕様一覧

ターゲットMCU RH850ファミリ(G3Kコア、G3Mコア、G3MHコア)
最大タスク数 1023
タスクの優先度数 30
システム・サービス数 44
カーネルコードサイズ 約12.2~22Kバイト (リンクするカーネル・ライブラリの種類により変動します)

製品構成

構成物 説明 備考
カーネルソースプログラム カーネル本体ソースプログラム ソースコード付き量産契約の場合にのみ提供
カーネル本体ライブラリ システム構築用カーネル・ライブラリ
標準ヘッダ・ファイル ・OS標準
・ヘッダファイル
ヘッダファイルはC言語用を提供
ユーティリティ・ツール ・コンフィギュレータ
・OSモジュール定義ファイル
入力CFファイル形式:ARXMLまたはOSEK OIL
サンプルプログラム RV850を使用した簡単なプログラム
マニュアル ユーザーズマニュアル

処理フロー

Image
RH850-v2-flow