2011年6月1日

 ルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役社長:赤尾 泰、以下ルネサス)と日本電気株式会社(以下NEC)は、5月28日、機械振興会館(東京都港区)で開催された、電子情報通信学会第85回通常総会にて、動的再構成プロセッサの研究開発とその画像処理機器応用について、同学会より、「第47回 (平成22年度)業績賞」を受賞いたしました。当社としては初めての受賞となります。

 同賞は、電子工学および情報通信に関する新しい機器、または方式の開発、改良、国際標準化でその効果が顕著であり、近年その業績が明確になった研究開発に授与されるもので、1963年に創設されました。

 このたび、ルネサスが受賞した動的再構成プロセッサの研究開発は、LSIの動作中に回路構成を柔軟に変更できる「動的再構成技術」の代表的技術として知られ ています。当社は同技術の研究開発を、1999年頃よりNEC中央研究所と共同で継続してきました。類似の研究が次々と登場する中、当社は実用化の鍵がLSIアーキテクチャだけでなく、設計ツールであることに早い段階から着目し、C言語によるソフトウエア記述から直接ハードウエアの構成情報を生成する技術を開発し、「動的再構成プロセッサ」として実現しました。

 同プロセッサは、LSI製造後であってもハードウエア機能の修正や拡張が可能であり、ハードウエアによる機能の実現はソフトウエアによる実現と比べてLSIおよびLSIを搭載した電気・電子機器に高性能・低消費電力という付加価値をもたらします。これにより、顧客に対し、C言語のソフトウエア記述により高度な機能を短期間でハードウエア実現、開発費の低減、製品出荷後の機能書き換えによる付加価値の継続的提供ならびに電気・電子機器の長寿命化といった貢献が可能です。

 このような特長が、画像処理および信号処理適用で高い評価を受け、同プロセッサは、システムLSIのIPコア「STPエンジン」として実用化され、これまで、ソニー株式会社の業務用映像機材「XDCAMシリーズ」、株式会社ヨーズマーのデジタル放送送出器「DDB-Lite」、また民生機器では、デジタル カメラ製品など、多くの分野で採用されています。

 ルネサスは同技術を、半導体製品の高付加価値化を実現する基盤技術と位置づけ、さらなる研究開発と応用開発を推進してまいります。

以 上

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