~セキュリティ、コネクティビティ、モータ制御、機械学習機能を強化~
2020年4月23日

 ルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役社長兼CEO: 柴田 英利、以下ルネサス)は、Arm® Cortex®-Mを搭載した32ビットマイコン、Renesas RAファミリ用のフレキシブル・ソフトウェア・パッケージ(Flexible Software Package:以下FSP)のメジャーアップデート版をリリースしました。FSPバージョン1.0には、新たなセキュリティ、コネクティビティ機能に加え、高度なニューラルネットワーク、機械学習、モータ制御機能が追加されました。また、対応するコンパイラ、デバッガ、開発環境が拡張されています。セキュリティとコネクティビティの強化により、ユーザは、インダストリ4.0、ビルオートメーション、メータ、ヘルスケア機器、ウェアラブル機器、家電などのIoTエンドポイントおよびエッジ向けに、有用かつセキュアなソリューションを迅速に開発できるようになります。新たなFSPバージョン1.0とソースコード一式はwww.renesas.com/fspからダウンロード可能です。

 FSPは、柔軟でオープンなアーキテクチャを求めるユーザに最適です。ユーザは従来のソフトウェアコード資産を再利用したり、ルネサスが提供するソフトウェア実装例と組み合わせたりすることにより、コネクティビティとセキュリティに関わる複雑なソリューションを短期間で実装することが可能です。FSPにはFreeRTOSが標準実装されていますが、要件に応じて他のRTOSやミドルウェアに置き換えて実装することも可能です。FSP およびArmエコシステムのパートナ社製ソリューションを組み合わせることにより、ユーザは実装時の選択肢を非常に幅広く持つことができます。つまり、ユーザは、Renesas RAファミリの豊富なラインアップを活用しながら、それぞれのニーズに最適なソフトウェアや開発モデルを選択することができます。

 FSP v1.0には、チップからクラウド(chip-to-cloud)への接続を実現する新たなコネクティビティおよびセキュリティ機能が追加されています。公開したソースコードには、アマゾン ウェブ サービス(AWS)、Microsoft Azure、Google Cloud Platform(GCP)、その他のサードパーティ製MQTTブローカーなど、主要なクラウドプロバイダとのセキュア接続に対応するミドルウェアスタックが含まれています。またセキュリティ機能としては、セキュアな鍵生成機能や暗号化鍵の保管、NIST(米国国立標準技術研究所)規格準拠のAES、SHA-2、2048ビットのRSA暗号やECCのブレインプールのハードウェアアクセラレーションへの対応、さらにTLSによる安全なMQTT接続に対応しました。

 またFSPv1.0では、ニューラルネットワーク、機械学習、およびモータ制御にも対応しました。Arm CMSIS-NNライブラリが利用可能で、これを三相モータ制御用PWMタイマ(GPT)などの新たなモータ制御機能やGPTを有効にしたポートと組み合わせることにより、予知保全サポートソリューションを実現できます。

 さらに、FSPに対応するコンパイラや統合開発環境(IDE)を含む開発ツールをアップデートしました。ルネサスのe2 studio、Arm Keil® MDK、およびIAR Embedded Workbench® for ArmがRAファミリに対応しています。RAファミリのスマート・コンフィグレータ(RA SC)により、パートナ社製のIDEやコンパイラとFSPをシームレスに統合することが可能です。また、SEGGER J-Link™をはじめとした現行のデバッグスイートに加え、ルネサスのE2エミュレータおよびE2エミュレータLiteのデバッギングエミュレータおよびフラッシュプログラマにも対応します。

以 上

*Arm とArm Cortex、Arm Keilは、Arm Limited(またはその子会社)のEUまたはその他の国における登録商標です。

*IAR Embedded WorkbenchはIAR Systems ABが所有権を有する商標または登録商標です。

*J-Linkは、SEGGER Microcontroller GmbH & Co. KG の登録商標もしくは商標です。

*本リリース中の製品名やサービス名は全てそれぞれの所有者に属する商標または登録商標です。


ニュースリリースに掲載されている情報(製品価格、仕様等を含む)は、発表日現在の情報です。 その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご承知ください。

この記事をシェアする