世界初、SIL3認証取得済みの新ソリューション「RX Functional Safety」を発売、人と共存する産業機器に向けて機能安全対応を全面サポート

~マイコン二重化構成における相互診断と、複数のソフトウェアを分離する機能で世界初の認証取得~

2019年03月07日

ルネサス エレクトロニクス株式会社

 ルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役社長兼CEO:呉 文精、以下ルネサス)は、このたび、産業機器向け機能安全ソリューションの進化版として、機能安全の国際規格IEC61508 SIL3(注1)の認証取得をサポートする新ソリューション「RX Functional Safety」を発売します。RX Functional Safetyには、(1)マイコン単体の自己故障診断を行う「RX Functional Safety - セルフテストソフトウェアキット」と、(2)マイコン二重化構成に必須の相互診断等と、複数のソフトウェアを分離する機能で世界初(注2)のSIL3認証を取得したソフトウェアを含む「RX Functional Safety - SIL3システムソフトウェアキット」、(3)評価用ボードの「RX Functional Safety - リファレンスハードウェア」、(4)ユーザが機器全体で認証を取得するノウハウを記した「RX Functional Safety - リファレンスドキュメント」があります。ルネサスは本新製品を、RXv2コアを搭載するすべてのRXマイコンを対象に提供します。ユーザは、認証済のソフトウェアをそのまま使用することにより、ルネサスのマイコンに依存する機能安全に関するソフトウェアの開発をする必要がなくなり、ユーザアプリケーションに依存するソフトウェアの開発に集中できます。このチップ単体の自己診断から、ユーザの機器認証に向けた開発を全面的にサポートする本ソリューションを活用することにより、認証取得期間を1年以上短縮します。

 テュフ ラインランド ジャパン株式会社、機能安全の担当部門である産業サービス部 部長、中尾征嵩氏は次のように述べています。「機能安全の考え方が様々な製品に広がるにつれ、開発期間の短縮、コスト削減のニーズはますます高まると考えます。今回、テュフ ラインランドが認証を発行したルネサスのソリューションは、機能安全マイコンに必要な診断の機能や過去のソフトウェア資産の流用を容易にする機能をもっているため、機能安全製品の開発に新たに取り組まれるお客様だけでなく、これまで取り組まれてきたお客様においても、開発の効率化を図れるものと期待しております。」

 ルネサスのインダストリアルソリューション事業本部 IAソリューション事業部の事業部長、傳田 明は、次のように述べています。「人と共存するロボット開発が脚光を集める一方、機能安全対応の障壁の高さが大きな課題となっているお客様を多く見てきました。今回のソリューションは、こうしたお客様の救世主に成り得ると確信しており、これにより機能安全対応の産業機器の普及が劇的に加速するでしょう。」

 開発の背景として、現在、新規に機能安全システムの開発に着手する場合、難解な規格の解釈や、マイコン二重化構成の構築方法の習得、サポートを任せられるサードパーティの選定など、技術的困難さが高く多大な開発負荷がかかります。一方、機能安全システム構築に経験のあるユーザも、ソフトウェアの認証取得や、システムの機能拡張に伴う再認証などの開発負荷が課題となっています。この課題解決のためルネサスは、一部リファレンスとして提供ししていたソフトウェアを、世界で初めて認証取得済みのソフトウェアとして製品化しました。

 

新ソリューション「RX Functional Safety」の主な特長について

  • マイコン二重化構成を前提とした相互診断と、複数のアプリケーションソフトウェアが各々影響せず分離させることができるソフトウェア分離機能(安全・非安全分離機能)を含めて、世界初のSIL3認証を取得。認証済ソフトウェアにより、マイコン二重化構成の開発負荷を大幅に低減。
  • ソフトウェア分離機能により、製品バリエーション展開に伴いソフトウェアの変更が生じた場合でも、変更したソフトウェア部分のみを検証し、再申請することが可能。再認証申請、認証取得の期間を大幅に短縮。
  • ソフトウェア分離機能により、機能安全とは関係のない別のアプリケーションソフトウェアも1つのマイコンに組み込むことが可能。そのため、システム制御用のソフトウェアと機能安全用の安全監視ソフトウェアを一つのマイコンに組み込む、などが可能になり、機能安全用の追加デバイスを削減可能。

 

RX Functional Safetyの構成

(1)から(4)は個別に販売します。なお、ユーザの初期開発コスト軽減のため、「RX Functional Safety - セルフテストソフトウェアキット」はサポートが付かない無償版を、また「RX Functional Safety - SIL3システムソフトウェアキット」は無償の評価版を用意しています。

 

(1)RX Functional Safety - セルフテストソフトウェアキット

  1. 自己診断ソフトウェアライブラリ(*)
  2. セーフティマニュアル(*)
  3. ユーザガイド(*)

(*)テュフ ラインランドによるIEC61508 SIL3認証取得済み

 

(2)RX Functional Safety - SIL3システムソフトウェアキット

  1. 機能安全プラットフォームソフトウェア(*)
  2. セーフティマニュアル(*)
  3. ユーザガイド(*)
  4. IEC61508 認証資料(認証書、テストレポート)
  5. ソフトウェア開発ハンドブック;機能安全プラットフォームソフトウェアの使用方法、ユーザシステムへの適用方法についてのガイドブック
  6. コンフィグレーションツール;機能安全プラットフォームソフトウェアやユーザアプリケーションの挙動を設定する「コンフィグレーションファイル」の評価・生成用ツール
  7. コンフィグレーションツールマニュアル

(*)テュフ ラインランドによるIEC61508 SIL3認証取得済み

 

(3)RX Functional Safety - リファレンスハードウェア

  1. RX71M-RX651搭載マイコン二重化構成評価ボード
  2. ドキュメント類一式(マニュアル、回路図、部品表等)

 

(4)RX Functional Safety - リファレンスドキュメント

  1. 安全部の開発に必要な技術ドキュメント集(入出力回路診断、電源監視、システム監視等)

 

RX Functional Safetyの詳細については、こちらをご覧ください。

https://www.renesas.com/jp/ja/solutions/industrial-automation/functional-safety/functional-safety-solution-for-industrial-automation.html

 

 ルネサスは今後も、OT(Operational Technology)分野におけるエンドポイントのインテリジェント化の一環として、機能安全・セキュリティなどユーザ製品の付加価値を支えるソリューションを展開し、スマート社会の実現に貢献してまいります。

 

以 上

 

(注1)SIL(Safety Integrity Level)とは、機能安全規格IEC 61508における安全性能のレベルです。SIL1からSIL4まで4段階が定められています。

(注2)2019年3月7日時点、ルネサス調べ。

 

*本リリース中の製品名やサービス名は全てそれぞれの所有者に属する商標または登録商標です。


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