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LED照明の設計を容易にする評価用ボードの販売について

~8ビットマイコンひとつでPFC制御とLED制御を実現~

2010年12月1日

 ルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役社長:赤尾 泰、以下ルネサス)はこのたび、8ビットマイコン「78K0/IB2」を搭載し、LED照明の設計を容易にする評価用ボードを開発し、「EZ-0011」の名称で2011年3月より販売を開始いたします。

 新製品は、シーリングライトやベースライトなどLEDを使った主照明システムを、78K0/IB2を使って実現した評価ボードです。ソフトウェアの変更により柔軟に設定を変えられるため様々な構成の照明に対応可能なLED照明向けプラットフォームとして利用でき、(1)LED照明の調光制御およびPFC(注1)制御の評価が可能、(2)DALI(注2)通信、DMX512(注3)通信の評価が可能、(3)当社のソフトウェア自動生成ツールに対応しておりソフトウェアの独自開発が不要、などが新製品の大きな特長です。
 新製品の価格は34,800円/台となっております。これを採用することで、LED照明の制御や通信用ソフトウェアの開発および評価期間短縮が可能になります。

 近年、CO2排出量削減や省エネ化などの環境保全意識の高まりから、LED照明の普及が進んでおります。
 しかしながら、普及促進に向けては低コスト化が必須であり、部品コストの削減やシステム毎に異なっていた基板のプラットフォーム化、ハード/ソフトウェア両面での開発・評価工数の削減が求められております。また、LED照明製品の市場がLED電球などの補助照明からシーリングライトをはじめ電力の大きい主照明に広がりつつあり、電源高調波による妨害電波などを防止するためのPFC制御の必要性が高まってきております。さらに、照明システムでの省エネ化に向けて通信技術を使った最適な点灯/消灯制御や調光制御へのニーズが高まっていることから、マイコンによる通信制御や調光制御といった照明システム制御が必要とされるようになってまいりました。
 当社は2008年より8ビットマイコン「78K0/IB2」を市場投入しました。78K0/IB2は、従来、LED定電流ドライバIC、PFC制御IC、通信制御用マイコンの3つのICで構成されていた照明システムをマイコンひとつで実現し、IC部品の点数削減を実現する製品として市場ニーズに応えております。しかし、78K0/IB2によるLED制御やPFC制御、通信制御などを初めて導入するユーザーには、これらの制御を実現するボードやソフトウェアの実績がないために、開発・評価に通常より多くの工数やコストが必要となります。したがって、これらにかかるトータルコスト低減のため、ハード/ソフトウェア両面で実績のある開発・評価環境の提示が必要とされております。
 新製品はこれらのニーズに応えるために開発されたもので、特長は次のとおりです。

(1)LED照明の調光制御およびPFC制御の評価が可能

 最大3チャネル、合計60W(ワット)までのLEDの独立調光制御を評価可能。また、LED接続用コネクタを搭載しているため、任意のLEDを接続して評価することが可能。AC電源電圧としては100~240V(ボルト)を入力して全世界の電源に対応したPFC制御を評価可能。したがって、本評価ボードにより様々な構成のLED照明を評価できる。

(2)DALI通信、DMX512通信の評価が可能

 入力インタフェースとしてDALI通信用コネクタとDMX512通信用コネクタを搭載しているため、スタンドアローン動作だけでなく通信によるスレーブ動作の評価が可能。また、通信マスタとして当社の照明通信マスタ評価ボード「EZ-0008」を使用可能であり、通信評価の環境構築が容易。

(3)ソフトウェア自動生成ツールへの対応によりソフトウェアの独自開発が不要

 当社のソフトウェア自動生成ツール「Applilet EZ for HCD」に対応しているため、調光制御やPFC制御、DALI通信やDMX512通信、スタンドアローン動作に対応したサンプルプログラムの自動生成が可能。生成したプログラムをボード上のマイコンが内蔵するフラッシュメモリへ書き込むことにより、ソフトウェアを独自で開発することなく評価ボードの動作を確認できる。

 ルネサスは今後も、低コスト化や多機能化、高付加価値といったニーズに応えるべく、LED照明向け製品を拡充するとともに、LED照明に最適な評価ボードを整備し、提供してまいります。

新製品の主な仕様は別紙をご参照下さい。


 なお、当社は本年12月1日から3日まで、パシフィコ横浜で開催される「組込み総合技術展(Embedded Technology)」にて、新製品の展示・実演を行います。

以 上

(注1)Power Factor Correctionの略。力率改善。

(注2)Digital Addressable Lighting interfaceの略。ビルディング照明向けに主に欧州で普及している通信規格。

(注3)舞台照明や演出機器で一般に普及している通信規格。

*本リリース中の製品名やサービス名は全てそれぞれの所有者に属する商標または登録商標です。


ニュースリリースに掲載されている情報(製品価格、仕様等を含む)は、発表日現在の情報です。 その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご承知ください。

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