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エントリークラス車へ3Dグラフィックス・クラスタを普及させるSoC「R-Car D3」を発売

~高性能なグラフィックス描画とシステム開発に伴うトータルコストの大幅な低減を同時に実現、ハイエンドクラス車からのスケーラビリティを確立~

2017年10月31日

  • ルネサス エレクトロニクス株式会社

 ルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役社長兼CEO:呉 文精、以下ルネサス)はこのたび、エントリークラス車へ、3Dグラフィックス表示に対応したインスツルメント・クラスタの普及を加速させるソリューションとして、車載情報システム用SoC (System On Chip)「R-Car D3」を開発しました。新製品は、高性能なグラフィックス描画とシステム開発に伴うトータルコストの大幅な低減を同時に実現可能な製品で、ルネサスは、本日より新製品のサンプル出荷を開始いたします。

 新製品は、エントリークラス車向け3Dグラフィックス・インスツルメント・クラスタ(以下、3Dクラスタ)の開発に向けて、(1)高性能3Dグラフィックス・コア搭載による高品質な3D表示を2Dグラフィックス・インスツルメント・クラスタ(以下、2Dクラスタ)並みのシステムコストで実現することに加え、(2)インスツルメント・クラスタ分野で定評のあるパートナとの連携により、開発工数/コストを低減可能とします。

 新製品を採用することによりユーザは、上位製品であるR-Car H3、R-Car M3を採用したハイエンドクラス車向け3Dクラスタの開発資産(ソフトウェア・グラフィックスデザイン)をエントリークラス車の開発に流用できます。このスケーラビリティにより、従来の2Dクラスタと同等のコストで、快適かつ視認性の高い3Dクラスタをエントリークラス車向けに容易に開発できるようになります。

 新製品の量産は、2019年9月より開始し、2020年9月には合計で月産20万個を計画しております。サンプル価格は5,000円/個(税別)となっております。

 

 近年、自動運転車の開発が進み、インスツルメント・クラスタと各種センサや情報・制御機器との連携が増えてきています。運転中の自車周辺の車両情報の表示など、インスツルメント・クラスタに表示される情報量が増えるとともに、安全性の観点から視認性向上のニーズが高まっています。

 また、車載用液晶ディスプレイの大型化・高解像度化・低価格化が進み、2Dクラスタが中心であった小型ディスプレイ搭載のエントリークラス車にも、7~10インチサイズの液晶ディスプレイを搭載できるようになってきました。特に中国市場では、鮮明で視認性の高いデザインを大画面で表示するニーズが高いため、今後3Dクラスタへの需要が爆発的に広がることが予想されます。

 一方、ユーザはハイエンドクラスからエントリークラスまで様々な車種のインスツルメント・クラスタを開発するため、開発工数/コストの増大が課題となっています。特に、エントリークラス車の3Dクラスタは、従来の2Dクラスタ並みの厳しいコスト要求と、高性能な3Dグラフィックス描画の両方が求められています。

 ルネサスはこうしたニーズに応えるため、エントリークラス車の3Dクラスタを実現可能かつハイエンドクラス車の3Dクラスタとのスケーラビリティを有するものとして新製品を開発しました。

 

 新製品「R-Car D3」の特長は以下の通りです。

 

(1)高性能3Dグラフィックス・コア搭載による高品質な3D表示と2Dクラスタ並みのシステムコストを両立

 新製品は、高性能なHMI(Human Machine Interface)を実現できる3Dグラフィックス・コアを搭載し、既存の2Dクラスタと同等のシステムコストを実現可能なソリューションを提供。これにより、鮮明で迫力のある3Dグラフィックス表示とシステム開発に伴うトータルコストの大幅な低減を同時に実現する。

 

A) 高性能なHMIを実現できる3Dグラフィックス・コアを搭載

 3Dグラフィックス・コアにイマジネーションテクノロジーズ社の最新シリーズのグラフィックス・コア(PowerVR® Series 8XE)を採用しているため、既存の3Dクラスタ向けSoC「R-Car D1」と比べ描画性能が約6倍向上。これにより、ハイエンドクラス車向けに作成したコンテンツをそのままエントリークラス車で使用できるため、これまでハードウェアの描画性能制限に悩まされていたクラスタのグラフィックデザイナーが、自由にグラフィックスコンテンツを作成することが可能。

 

B) 当社従来品で構成した場合と比べシステムコストを約40%低減可能(ルネサス調べ)

 ユーザがプリント基板を設計し易いBGA(Ball Grid Array)パッケージを採用することにより、安価な4層プリント基板を使用した3Dクラスタを実現できるため、BOM(Bill of materials)コストの低減が可能。また新製品を搭載するルネサス製システム評価ボードにも4層プリント基板を使用しており、その設計データをユーザのプリント基板設計の参考として提供する。また、新製品は業界トップクラスの低消費電力を実現しているため、比較的廉価なディスクリートの電源レギュレータを用いて電源回路を構成できる上、1個のDDR SDRAMでクラスタを構成可能。これにより、当社従来品のR-Car D1で構成した3Dクラスタと比べ、BOMコストを約40%低減(ルネサス調べ)でき、既存の2Dクラスタと同等のシステムコストでの開発を可能とする。

 さらに、R-Car製品に標準搭載されているDDR SDRAMの自動メモリキャリブレーション機能(注1)により、ボード毎に確認していたSDRAMとのデータ転送のタイミング調整が不要になるため、ユーザのメモリ評価工数を低減することも可能。

 

(2)インスツルメント・クラスタ分野で定評のあるパートナとの連携により、開発工数/コストを低減可能

 ルネサスは、インスツルメント・クラスタ分野で定評のある各種OS(Operating System)メーカ、HMIツールメーカ、システムインテグレータとの連携により、新製品を採用したユーザが3Dクラスタの開発工数/コストを低減可能なソリューションを提供。

 新製品の3Dグラフィックス描画では、OpenGL ES3.1を使用することにより、第3世代R-Carとのスケーラビリティを担保できる。さらに2Dグラフィックス描画においても、2Dクラスタ向けマイコン「RH850/D1M」と共通の2Dグラフィックス・コアを搭載しているため、ユーザは2Dクラスタ用に開発したソフトウェア資産・デザインコンテンツ資産を3Dクラスタ向けに流用できる。これにより、開発工数/コストの低減が可能である。

 またユーザは、R-Carコンソーシアムに加盟する200社以上のパートナとの連携による様々な車載向けソリューションを活用し、開発工数/コストの低減を実現することができる。

 

<新製品に対する各社のコメント>

 日本精機株式会社の常務執行役員技術本部長 市橋 利晃氏は次のように述べています。「今後、主流になると予想されている大型TFT(Thin Film Transistor)パネルを搭載したフルグラフィックスクラスタシステムにおいては、ドライバーへ情報を的確に伝達するために、高精細な3Dグラフィックスを高速で表示することが求められます。我々は、このようなニーズへの対応に加え、BOMコストを抑制可能なR-Car D3に、非常に期待しております。」

 

 Black Berry Limitedの子会社であるQNX Software Systems Limitedのプロダクト・マネジメント担当Senior Director、Grant Courville氏は次のように述べています。「10年以上にわたり自動車メーカとTier1は、QNX®の技術を用いて世界最高レベルのインフォテイメントシステム、テレマティクスおよびインスツルメント・クラスタを開発しています。ルネサスのR-Car D3と、BlackBerryが提供するISO26262 ASIL B対応のインスツルメント・クラスタ向けQNX®プラットフォームを組み合わせることにより、お客様は安全認定された最先端のクラスタシステムを短期間で開発し、市場へ投入できます。」

 

 Green Hills Software, Inc.のアジア・パシフィックビジネス開発Director、Matt Slager氏は次のように述べています。「当社の安心・安全なリアルタイムOS、INTEGRITY®は、車載情報端末およびインスツルメント・クラスタにおいて多くの採用実績を有しています。ルネサスとのこれまでのR-Carビジネスにおける何年もの緊密なパートナーシップのもと、当社のR-Car D3へのINTEGRITY®サポートの一環として、お客様へ自動車機能安全で認証済みで、開発期間を短縮できる開発ツール、またオプションとしてLinuxなどに対する仮想環境を提供します。第3世代R-CarのスケーラビリティをもつR-Car D3は、次世代の統合コックピットシステムの早期市場投入に向けて、既存のR-Car やINTEGRITYのソフトウェア資産の流用・再利用を可能にするため、非常に素晴らしいSoCである、と私たちは考えています。」

 

 Altiaのグローバルエンジニアリングサービス担当Vice President、Lynwood Stanley氏は次のように述べています。「より現実的な自動運転の実現に向けて、インスツルメント・クラスタはドライバーへさらに多種多様な情報を瞬時かつ的確に、また安全に伝える必要があります。高い描画性能とインスツルメント・クラスタに特化した機能安全を持つR-Car D3が、市場立ち上げ期である3Dクラスタへ変革をもたらすことを期待しております。Altiaは当社のHMIツールであるDeepScreenコードジェネレータをR-Car向けに最適化し、高性能な組み込み用HMIツールとして提供していきます。」

 

 ThundersoftのVice PresidentであるRock Yang氏は次のように述べています。「飛躍的な市場成長が予想されている大型液晶ディスプレイのインスツルメント・クラスタにおいて、高性能なインスツルメント・クラスタを低いBOMコストで実現できることは非常に魅力的です。我々はUI(User Interface)/UE(User Equipment)およびOS技術のリーディングプロバイダーとして、ソフトウェアのシステムインテグレートを行います。R-Car D3を含むR-Car向けHMIツール『Kanzi』を提供し、R-Carソリューションを盛り上げていきます。」

 

 ルネサスは新製品を、エントリークラス車向け3Dクラスタの主力製品と位置づけ、今後、積極的にインスツルメント・クラスタ分野へ展開してまいります。新製品は、第3世代R-Carの特長である、自動車用機能安全規格ISO26262(ASIL-B)に対応しているため、安全運転支援システムを実現する「機能安全サポートプログラム」も提供可能です。ルネサスは新製品およびパートナと連携したソリューションの提供により、安心・快適なクルマ社会の実現に貢献してまいります。

 

 新製品の主な仕様は、 別紙(244KB)をご参照ください。

以 上

 

  • (注1) 

    DDR SDRAMを使用する上で必須である、SoCやDDR SDRAM、プリント基板の個体差を吸収するために、タイミング調整を自動で行う機能。


  • *  

    PowerVR は、Imagination Technologies Limited の登録商標です。BlackBerryおよびQNX はBlackBerry Limitedの商標であり、特定の地域で登録および/または使用され、また、QNX Software Systems Limitedの許諾のもと使用されます。Green Hills Software およびINTEGRITYは、米国、およびその他の国におけるGreen Hills Software,Inc.の商標または登録商標です。その他、本リリース中の製品名やサービス名は全てそれぞれの所有者に属する商標または登録商標です。


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