~Renesas Synergy Software Package v1.3.0が、NetX Secure™ TLSおよびMQTTプロトコル、Wi-Fi、セルラー、BLEフレームワークに対応、かつ新Renesas Synergyマイクロコントローラグループを新たにサポート~
2017年9月5日

 ルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役社長兼CEO:呉 文精、以下ルネサス)は、本日、開発期間の短縮、開発・保守に関わる総所有コストの削減、IoT機器開発時の障壁解消を可能にする、認証済みでメンテナンスと完全サポートが提供されるソフトウェア/ハードウェア・プラットフォームであるRenesas Synergy™プラットフォームの最新アップデートを発表しました。Renesas Synergyプラットフォームは完全に統合されたソフトウェア、開発環境、スケーラブルなマイクロコントローラファミリで構成されていますが、マイクロコントローラを購入すれば、基本的にRenesas Synergy Software Package(SSP)に関するその他の追加費用やバックエンド・ロイヤリティは不要です。

 今回アップデートした、Renesas SynergyプラットフォームのRenesas Synergy Software Package(SSP)バージョン1.3.0(以下v1.3.0)は、(1) Express Logic, Inc.(以下エクスプレス・ロジック)のNetX Duo™向けのNetX Secure™ Transport Layer Security(TLS)とMessage Queue Telemetry Transport(MQTT)の統合によりセキュリティを強化するとともに、(2) IoT機器での高周波無線(RF)モジュールの追加や交換を簡素化するWi-Fi、LTEセルラー、Bluetooth ® low energy(BLE)に対応したワイヤレス・アプリケーション・フレームワークの追加によりIoT機器とクラウド間のコネクティビティを拡大することができます。また(3) 「S5D5」、「S3A6」、「S128」の3つの新しいマイクロコントローラグループのソフトウェア・サポートに加え、これらマイクロコントローラグループを使用した評価・開発用に、低価格なS5D5/S3A6ターゲット・ボード・キットとS128開発キットを提供します。

 SSP v1.3.0はさらに、Renesas Synergyマイクロコントローラの複雑な低消費電力モードの使用を容易にするPower Profileアプリケーション・フレームワークを追加しているため、低消費電力管理機能の向上が可能になります。

 SSP v1.3.0はhttps://synergygallery.renesas.comからダウンロード可能です。また、S5D5マイクロコントローラグループは、迅速な評価・開発開始を可能にする低価格のTB-S5D5ターゲット・ボード・キットとともに、ルネサスの全世界の特約店・取扱店から入手することができます。S3A6 マイクロコントローラグループ用の新しいTB-S3A6ターゲット・ボード・キットS128マイクロコントローラグループ用のDK-S128開発キットも、ルネサスの全世界の特約店・取扱店から入手可能です。

 ルネサスのSynergy プラットフォーム事業部の事業部長であるピーター・カルボーンは次のように述べています。「Renesas Synergyプラットフォームの機能の価値は継続的に向上しています。組み込みIoT機器の開発者に対して、優れたセキュリティ、RFモジュール導入の容易化ほか、拡充を続ける完全なソフトウェア/ハードウェア・プラットフォームを提供することで、これまでにないほど製品開発期間の大幅な短縮に貢献します。SSPの新しいバージョンが、非常に複雑なIoT機器の開発にチャレンジするユーザの技術革新と差異化をさらに促進していきます」。

 エクスプレス・ロジックのウィリアム・E・ラミー社長は次のように述べています。「IoT分野でのエッジ・ノードとコネクテッド・デバイスの急速な普及に伴い、センシティブな秘密情報の漏洩防止のためのセキュリティへのニーズがこれまで以上に高まっています。私たちは、エクスプレス・ロジックのNetX Duo向けのNetX Secure TLSとMQTTがRenesas Synergyソフトウェアに採用されたことを大変嬉しく思います。これにより、私たちはRenesas SynergyのユーザがIoT機器とクラウド間のセキュアなソリューションを迅速に開発するために必要不可欠なツールを手に入れたと確信しています」。

 新しいSSPおよびRenesas Synergyマイクロコントローラの主な特長は以下の通りです。 

(1) TLSプロトコルとMQTTプロトコルの組み合わせによりセキュリティを強化した効率的な通信を実現

 SSP v1.3.0はNetX Secure TLSとMQTTの統合により、公衆回線やインターネット上で接続されたIoT機器の通信を保護します。ユーザは送信側と受信側のID認証のほか、ネットワーク上で送信されるデータの傍受や改ざん防止のために、NetX Secureを容易に展開することができます。NetX SecureはNetX Duo TCP/IPネットワーク・スタックの使用中に、TLSプロトコルによるSocket Layerセキュリティを実現することができます。TLSはクライアントとサーバ間の秘密鍵の生成、パケット・コンテンツの変更や偽造を検出するハッシュ・アルゴリズムの適用、デジタル証明書を使用したリモートでのホスト認証という3つのセキュリティ機能を提供します。一方、MQTTプロトコルはマイクロコントローラを搭載した小型IoTエッジ・デバイス上で軽量なマシン・ツー・マシン(M2M)通信を可能にします。このようにTLSとMQTTの組み合わせにより、エッジからクラウドへのセキュアで効率的な通信が実現できます。

(2) ワイヤレス・アプリケーション・フレームワークの追加によりコネクティビティを拡大

 SSP v1.3.0のワイヤレス・アプリケーション・フレームワークは、下層レベルのハードウェアを抽象化する統一API (Application Programing Interface)を提供するため、製品開発時にユーザは、さまざまなサプライヤ製のRFモジュールを容易に追加、交換することが可能になります。これにより、Renesas Synergyプラットフォームのユーザは、アプリケーション・コードへの影響を最小限に抑え、普及しているRFモジュールの評価や、特定のRFモジュールの供給状況の変化への迅速な対応を容易に行えます。また、SSP v1.3.0ではこれまでアドオンという形態での提供であったWi-Fi アプリケーション・フレームワークを、SSP本体に完全に統合し、さらにセルラー、BLEコネクティビティ向けの新しいフレームワークを追加、3つの主要なワイヤレスIoTプロトコルをカバーします。Renesas Synergy開発ツールを使い、RFモジュール機能の選択、構成、エクスプレス・ロジックのThreadX®リアルタイム・オペレーティング・システム(RTOS)との接続を容易に実行できます。ユーザはRenesas Synergyギャラリー上でワイヤレス・アプリケーション・フレームワークとサポート済みのデバイス・ドライバを入手できます。

(3) Renesas Synergyマイクロコントローラ「S5D5」グループ

 Renesas Synergyマイクロコントローラの8番目のグループであるS5D5グループは、ソフトウェア互換性のある6品種のマイクロコントローラをラインアップし、Renesas Synergyプラットフォームのスケーラビリティを拡大します。各マイクロコントローラはコスト効率の高い性能、フラッシュメモリ容量比で一般的に搭載されるよりも大容量なSRAM、堅牢なセキュリティ機能を有し、IoT機器の要求に応えます。S5D5グループは120MHzのARM® Cortex®-M4 CPUコア、512KBまたは1MBのオンチップフラッシュメモリ、384KBのSRAM、高精度データ取得用アナログインタフェース、Ethernetインタフェース、ハイスピードUSBを搭載しています。専用のオンチップ・セキュリティ機能は、対称・非対称暗号法、ランダムナンバージェネレータ(TRNG)、特別なメモリ保護機能の使用により、秘密鍵の生成と安全な保管を可能にします。

 Renesas Synergyプラットフォームの詳細についてはhttp://www.renesassynergy.com/をご覧ください。

 また、S5D5マイクロコントローラグループの主な仕様は 別紙(131KB)をご参照ください。

以 上

*Renesas Synergyは、ルネサス エレクトロニクス株式会社の商標です。NetX Secure、NetX Duo、ThreadXはExpress Logic, Incの商標または登録商標です。BluetoothはBluetooth SIG, Inc.の登録商標です。ARM、Cortexは、ARM Limited(またはその子会社)のEUまたはその他の国における登録商標です。その他、本リリース中の製品名やサービス名は全てそれぞれの所有者に属する登録商標または商標です。


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