ルネサスはSub-GHz /Wi-SUN無線通信の様々な応用に向けて、 ソフトウェアスタックを提供しています。

ルネサスのSub-GHz無線通信ソリューション向けソフトウェアは、国際無線通信規格「Wi-SUN ECHONET Lite Profile」に準拠し、Wi-SUN認証を取得済みです。

規格化団体であるWi-SUNアライアンスで、相互接続試験を行なっておりますため安心して無線ネットワークのシステム設計が行えます。

お客様の用途に合わせて、3つのパッケージからお選びいただけます。

MACスタックパッケージ

 

 

RFドライバ

RFトランシーバ を制御し、PHY 層レベルのAPI を提供するプログラムです(表1、表2)。
IEEE802.15.4g仕様の無線フレームフォーマットで、変調方式:GFSK、伝送速度:50kbps または100kbps の無線通信を実現します。また他の無線局との送信衝突回避のため周囲の無線状況を検知するキャリアセンス機能等も提供しています。

本RFドライバはOS非依存であり種々のシステムに流用可能です。なお電波法に基づく無線設備の技術基準適合証明及び工事設計認証を取得するためには、そのアプリケーションにおいて必要とされる送信制御機能を実装する必要があります。また国内用途に向けて920MHz無線設備の標準規格「ARIB STDT108」で規定される 送信制御も実装しています。例えばARIB STD-T108では、20mW 以下出力でキャリアセンス時間128μ 秒等の場合、1 時間あたりの送信時間総和を360 秒以下と定めています。送信時間を累算し送信制御することにより、その条件をクリアしています。

 

 

表1 RL78ファミリSub-GHz RFドライバ

S/W名称 RL78ファミリSub-GHz RFドライバ
製品型名 -
ステータス 提供可能*

 

 

表2 RX600シリーズSub-GHz RFドライバ

S/W名称 RX600シリーズSub-GHz RFドライバ
製品型名 -
ステータス 提供可能*

 

*ご要求は、特約店一覧までご相談ください。 (担当窓口がお分かりでない方: お問合せフォーム)

 

 

MACスタック

MACスタック(図3、表3、表4)は、IEEE802.15.4-2011 およびIEEE802.15.4e-2012 仕様で規定されるMAC 機能を提供します。IEEE802.15.4e-2012 仕様には様々なオプション機能が含まれていますが、本MACスタックでは後述するIPスタックやメッシュネットワークを実現するために必要な機能をサポートしています。

 

本MACスタックのサポート機能

  • ノンビーコンモードでの無線フレーム送受信
  • CCA、CSMA-CA
  • アクノリッジフレーム送受信、データ再送
  • ネットワークスキャン、ビーコンフレーム送信
  • スリープデバイスへの間接送信
  • MACセキュリティ
 

本スタックではMAC セキュリティ機能をサポートしています。暗号化に128bit鍵長のAES を利用しており、またセキュリティカウンタ等を用いてリプレイアタック防止や改竄チェックを行っています。そこではRL78 マイコンやRXマイコン向けに最適化されたAES 暗号処理プログラムを利用し、処理の高速化を図っています。
本スタックはルネサス製μITRON上で動作します。通信プロトコルは各レイヤ毎にリアルタイムな応答処理やイベント処理が必要となることが多く、また送受信フレームの処理に柔軟なメモリ管理ができると便利です。μITRONを利用することにより、上位アプリケーションプログラム作成時にプロトコルスタック部分のリアルタイム処理への影響を考慮する必要がなくなり、また今後の機能拡張も容易になっています。

 

 

表3 RL78ファミリ Wi-SUN MAC-Rプロトコルスタック

S/W名称 RL78ファミリWi-SUN MAC-R プロトコルスタック [CA78K0R用]
製品型名 RTM0RL7800NWSN0RM0JRPCJ
ステータス 提供可能*

 

 

S/W名称 RL78ファミリWi-SUN MAC-R プロトコルスタック [CC-RL用]
製品型名 RTM0RL7800NWSN0RM1JRPCJ
ステータス 提供可能*

 

 

表4 RX600シリーズ Wi-SUN MAC-Rプロトコルスタック

S/W名称 RX600シリーズ Wi-SUN MAC-R プロトコルスタック
製品型名 RTM0RX6000NWSN0RM0JRPCJ
ステータス 提供可能*

 

*ご要求は、特約店一覧までご相談ください。 (担当窓口がお分かりでない方: お問合せフォーム)

 

IPスタック

電力利用の効率化を図り、また電力自由化に伴う様々なサービスに向けて、スマートメータを中心にした通信仕様標準化が業界で進んでいます(図4)。

Sub-GHz無線ネットワーク構成例

 

特にスマートメータと家庭内のHEMS 間の通信経路はB ルートと呼ばれ、アプリケーション層はECHONET Lite 仕様を、その通信層ではSub-GHz 無線通信または電力線通信(G3-PLC)が主な電力会社で採用されています。そしてSub-GHz無線通信の具体的仕様はTTC(情報通信技術委員会)のJJ-300.10 標準で規定されています。ルネサスではJJ-300.10 のA 方式(エコーネットコンソーシアムとWi-SUN アライアンスによる仕様)に基づく通信スタックの開発に早期から取り組んでおり、IPスタック(図3、表5、表6)として提供しています。

本IP スタックでは6LoWPAN,IPv6,ICMPv6, UDP 等のIP ベースの機能をサポートしています。また認証や鍵生成等のセキュリティ機能としてPANA (Protocol for Carrying Authentication for Network Access)をサポートしています。PANA の実装にあたっては、ハッシュ計算など比較的重い処理が必要となりますが、RL78マイコンやRX63Nマイコン向けに最適化された計算ライブラリを用いることにより、例えばRL78/G14 を8MHz で動作させた場合でも性能的にB ルートの通信処理が可能です。

 

 

表5 RL78ファミリ Wi-SUN IPv6-Rプロトコルスタック

S/W名称 RL78ファミリ Wi-SUN IPv6-R プロトコルスタック [CA78K0R用]
製品型名 RTM0RL7800NWSN0RV0JRPCJ
ステータス 提供可能*

 

 

S/W名称 RL78ファミリ Wi-SUN IPv6-R プロトコルスタック [CC-RL用]
製品型名 RTM0RL7800NWSN0RV1JRPCJ
ステータス 提供可能*

 

 

表6 RX600シリーズ Wi-SUN IPv6-R プロトコルスタック

S/W名称 RX600シリーズ Wi-SUN IPv6-R プロトコルスタック
製品型名 RTM0RX6000NWSN0RV0JRPCJ
ステータス 提供可能*

 

*ご要求は、特約店一覧までご相談ください。 (担当窓口がお分かりでない方: お問合せフォーム)

 

デュアルスタック

日本では、2016年4月の電力小売の自由化以降、家庭内のエネルギー管理を行うHEMS(Home Energy Management System)機器の普及が期待されています。日本では電力会社がスマートメータ用にWi-SUN通信規格を採用したことをきっかけに、①電力メータとHEMS機器、及び②HEMS機器とHAN(家庭内ネットワーク)の通信規格として、Wi-SUNアライアンスが策定した920MHz帯の「Wi-SUN」規格の採用が進んでいます。HEMS機器は、2系統の通信機能制御のために、2つの通信制御システムを有し、従来は全ての制御をソフトウェアで個別に処理していました。そこで、ルネサスではデュアルスタック化を行うことにより、1つの通信制御システムで2つのネットワークの制御を行っています。前述のMACスタック、IPスタックに対応しています。

デュアルスタック

 

さらなる、通信安定化へ

この場合、周囲の通信機器が増加した場合に、アドレス判別の為にソフトウェア処理の負荷が増大してしまうという課題がありました。ルネサスの通信用デバイス(RAA604S00やRL78/G1H)は2系統の通信アドレスを自動で判別する機能を内蔵していますので、周囲に通信機器が増加しても、遅延なく確実に2系統の通信アドレスを判別できます。その結果、ソフトウェア処理負荷の軽減を実現できることから、誤受信等のシステムの不安定化を回避できます。