基本方針・考え方

目まぐるしく変化する事業環境においても、迅速かつ柔軟に自らを変革し、グローバルレベルで社会に価値を生み出すことが求められるルネサス全従業員の行動指針として、今年新たに「Renesas Culture」を策定しました。「Transparent, Agile, Global, Innovative, Entrepreneurial」の5つの要素を体現し、活躍する人材の育成に向け、当社は、多様な人材一人ひとりが自分の強みを持ち、能力・スキルを最大限に発揮することのできる人事制度や人材が成長する仕組みを強化していきます。加えて、地域や組織を超えて従業員がどこでも活躍できる体制の構築に向け、各種制度・施策の立案・導入を推進していきます。

Renesas Cultureの全社への浸透および取組み強化への一環として、全社員を対象としたサーベイを年1回以上、定期的に実施してまいります。定期的にサーベイを行うことにより、進捗を定量的に把握し、改善点を特定し、CEOの直接のリーダーシップの下、具体的な行動計画へとつなげます。

2020年のサーベイ結果概要(PDFファイル)

グローバルに活躍できるリーダー人材の育成

組織への影響力が大きく、組織の成果を左右するリーダー人材の継続的な育成は、企業の成長性・持続性・安定性にとって重要な取り組みです。ルネサスグループでは、キーポジションのサクセッションプラン(ポジション毎の後継者計画の作成)と、リーダー人材育成(従業員のキャリア構築の更なる拡充)の両輪によって、各ポジションの後継者が安定的に輩出される状態を目指しています。

キーポジションのサクセッションプラン

ルネサスは、優秀層の質・量を中期的に高めていくこと、および主要なポジションが不意にオープンになった際にも途切れなく人材を配置することを可能とすることにより、会社の経営基盤をより強固なものにしていくことを目指しています。

そのために、2017年以降、当社グループ全体で、キーとなる重要ポジションを設定し、そのポジションの後継者候補の選定と、個々人毎の育成計画の作成を通じて、タレントマネジメントと戦略的な人材配置を推進しています。

これらの取り組みを職場のマネジメント層と人事部門(HRビジネスパートナー)が密接に連携して進めることで、将来の経営人材・グローバルリーダーシップ開発を推進しています。

リーダー人材育成に向けた取り組み

ルネサスは、業務を通じて従業員のサステナブルな成長を可能にするための施策として、今後、以下のような取り組みを加速させていく予定です。

  1. グローバルでリーダーシップを果たすことができる人材の育成

    当社は、事業の枠を超えてグループ全体を牽引するリーダーを育成することを目的として、地域や事業領域の枠を超えたジョブローテーションの枠組みを構築します。人的ネットワークを形成し、環境の変化への柔軟な適応能力やグローバルマインドセットを修得する機会を提供します。これらから得られる経験や学び、気づきによって人材の成長を促進し、将来のグローバルリーダーの育成に繋げます。
    また、各国・地域の重要ポジション*1を担うことができる現地採用従業員の育成を進めており、2015年末には23.8%であった海外重要ポジションに占める現地化比率が、2020年末には57.7%となりました。2024年末までに現地化比率を80%にまで高めることを目標として、取り組みを進めていきます。
    *1 海外重要ポジションとは、社員数が10人以上の海外現地法人の社長/代表ポジションのことを指し、当該ポジションについて、日本からの出向者等が就いていないポジションの数をカウントしています。

  2. 自らがやりたい仕事、就きたい役割を、より自律的に求めていくことのできる仕組み

    他社でも行われていますが、一定の要件を満たす従業員が、自身が希望する仕事や役割を表明するフリーエージェント制度の導入を検討しています。従来の社内公募制度にこうした新たな仕組みを加え、優秀層の活躍の場を広げます。

  3. 従業員がより主体的にキャリアを選択できる複線型キャリアパスの構築

    ゼネラリストとしてキャリアを形成する道だけでなく、組織やプロジェクトをマネジメントする管理職、高度な専門的知識や技術で会社に貢献する専門職についても、そのキャリアパスを明示し、従業員一人ひとりが将来のキャリアビジョンを描くことのできる複線型キャリアパスの導入を推進しています。従業員の意思および適正に応じて、各人が自律的に多様なキャリアを選択することができる制度の構築を通じ、従業員と会社、双方の持続的な成長に繋げることを目指します。

従業員が主体的に学習する仕組み

当社は、従業員が主体的に学習に取り組むためには、自身が成長の必要性を認識し、学ぶべきことを知り、学習したことを職場で実践するというステップが重要と考えています。このステップの具体的な取り組みとして、自身がスキルアップしたいテーマを100コース以上の中から自由に選択でき、修了後に一定額の補助金が支給される「自己啓発支援プログラム」や、自ら手を挙げて参加することができる分野別専門技術講座や語学学習など、従業員一人ひとりが能力を確立し、キャリアオーナーの自覚をもって自らキャリアを切り拓く教育機会を提供しています。また、ニューノーマル下で就業形態や環境の変化が進む中、在宅勤務でも参加しやすい各種教育・研修のオンライン化に計画的に取り組んでいます。

ジョブローテーションの仕組みの構築

MBO(目標管理)面談を通して、マネージャーが部下の能力やキャリアに対する希望を把握し、希望をベースに各人の成長を主眼として人材配置を行う、キャリア開発と連動させたローテーションを行っています。また、人材の発掘・登用や組織の活性化のために公募制による人事異動を実施し、積極的にローテーションを行うことで、従業員一人ひとりが自身の成長に向けてキャリアオーナーとなる機会が付与されています。社内公募制度は2014年に導入しましたが、直近3年間では、グローバルで241名の応募があり、このうち74名が希望した部署に異動して活躍しています。

新入社員教育、若手社員の能力開発支援と管理職教育

新入社員の早期の自律および若手社員のスキルアップとモチベーションの向上を目指し、導入研修、1年目振り返り研修、2年目成果報告会などを実施しています。これらの仕組みにより、自身の職種に必要な基礎技術・スキル、共通した業務遂行力の習得などを行い、グローバルに活躍できる人材の基礎を築きます。また、新任役職者(主任、課長)教育を通じ、マネジメントに必須なスキルや知識を習得する学習機会を提供しています。

メンターシッププログラム

日本では若手社員が新入社員を指導する「育成担当者制度」を設けています。入社後1年間、同じ職場の若手社員が育成担当者に任命され、新入社員の業務上の指導を計画的に行います。新入社員の早期育成を図る一方で、育成担当者として任命された若手社員にとってはマネジメント経験の機会となり、更に各職場においてはOJTのノウハウの蓄積と人材育成風土の醸成に有効な制度となっています。

同様に、新卒採用を行う海外のグループ会社でも新入社員の早期育成とメンターとなる社員の指導力向上を目的に、メンタープログラムを実施しています。
経験豊富な社員がメンターとなり、業務上のアドバイスに加え、職場環境、人脈形成、キャリア形成などの支援も行います。メンターは、新入社員へのアドバイスを通して自己成長の機会を得ることができ、コミュニケーション、ファクトファインディング、合意形成などのソフトスキルや部下育成や評価といったマネジメント力の向上につながっています。
 
また、日本、ヨーロッパ、ベトナム、シンガポールでは新入社員だけでなく、インターンやWorking Studentに対するメンタープログラムも導入しています。インターンシップ期間全体を通してインターンに適切な知識やノウハウの指導と充実した業務経験の場を提供するとともに、大学教育への支援、エンジニアの育成にも貢献しています。

対象

目的

地域

新入社員

・新入社員の早期育成

・メンターのスキルアップ

日本、中国、ベトナム、シンガポール、マレーシア

インターン

・大学教育への支援

・エンジニアの育成支援

日本、ヨーロッパ、ベトナム、シンガポール

技術研修の充実

お客様に先進的な半導体ソリューションを提供するためには、半導体を設計・製造するためのハードウェア・ソフトウェア技術やお客様のシステム等に関する幅広い知識が必要となります。そのため、新入社員を対象とした「基礎コース」から、担当分野ごとの専門性を高める「専門コース」まで、幅広い内容の技術研修を開催し、従業員のさらなる意欲向上と成長を促進しています。これらの講座は、当社のエンジニアが講師となる講座と、外部の専門機関の講座も合わせ、年間約80講座開催しており、従業員に対し最先端技術知識について研鑽する機会を設けています。教育資料の一部は、グループ会社にも提供し、グローバルに技術者育成の支援を図っています。

従業員一人当たりの研修時間

国内同様、海外においてもグループ会社の機能にあわせて、人材開発に必要な教育を行っています。

グローバルでの従業員一人当たりの研修時間は以下の通りです。

従業員一人当たりの平均研修時間(グローバル) (単位:時間)

2018年

2019年

2020年

9.2

7.7

9.7

 

区分

2020年

管理職

8.5

管理職未満

10.0

※従業員総数は12月末時点
※研修時間には、社内主催研修のほかに、社外委託研修等を含む。

能力開発プログラム(国内)

画像
図:能力開発プログラム(国内)

 

能力開発プログラム(国内)

分類

内容

主な研修

次世代リーダー育成

グローバルに活躍できるリーダー人材の育成

選抜型リーダー育成教育

階層別・役割別研修

  • 階層別の事業遂行上必要な基本的考え方・知識の習得
  • 職務上の役割に対し、期待される知識・スキルの習得
  • 新入社員導入研修、1年目振り返り研修、2年目成果報告会、新任課長教育、新任主任教育
  • 育成担当者研修、評価者研修

技術研修

半導体の設計から製造・品質保証等にいたる半導体技術全分野の基礎知識習得

基礎コース(必須)
ソフトウェア技術、設計技術、生産技術等

半導体技術の各分野の専門知識習得

専門コース(選択)
設計・製造技術、ソリューション技術、Project Management講座等

国内 自己啓発支援制度

分類

内容

主な研修

通信教育、
e-learning、通学

語学・業務効率向上スキル・共通技術スキル・マインドセット等の自主学習

各種自己啓発講座

TOEIC

自宅または社内でTOEICテストを受験できる機会の提供

TOEIC社内受験(オンラインまたはペーパー)

幹部360度評価

ルネサスは、経営幹部層を対象に、経営革新に向けた意識改革と更なる成長を促す目的で「幹部360度評価」を年一回実施しています。対象者がリーダーとしての素養や、当社の経営目標を実行するための資質を持ち合わせているかを、上司・同僚・部下・その他評価対象者との関わりの強い従業員が匿名で評価するプロセスで行っております。評価者は、CEOによる承認を経て決定され、評価内容のレビューとフィードバックは、CEOが対象幹部個人とそれぞれ行います。その後も、継続的に改善計画を立て、実行のトレースなどのフォローアップを行っています。2020年度は、CEOを含む12名の幹部に対し、グローバルで150名超が評価者として本プロセスに参加しました。今後も対象者を広げ、本施策を積極的に適用していく予定です。

Pay for performance~評価と連動した報酬制度の運用

ルネサスは、地域に捕らわれずグローバル組織として運営する「One Global Renesas」の組織体制を構築しています。この組織体制のもと、全社で「Pay for Performance」という考え方を採用し、グローバルで統一された評価体系の中で、高い成果を出す従業員の貢献に報い、モチベーションを高め、メリハリのある処遇を行う仕組みを導入しています。「Pay for Performance」のマインドセットを従業員にしっかりと浸透させるためには、従業員一人ひとりを、その役割に応じて公正に評価・処遇することが重要となります。当社は、年間を通じて行われるMBO、上期終了後に実施する中間レビューや、パフォーマンス評価におけるフィードバック面談は、上司と部下のコミュニケーションをより深めることに重点を置いて実施しています。数値的な評価結果やインセンティブの金額などを伝えることに主眼に置くのではなく、より高い成果を出すために期待している点や不足している点を具体的に話し合います。上司と部下が、具体的事実に基づき、評価への理解と更なる能力開発・成長を促しながら話し合う場として活用しています。

このほか、各本部や統括部の業績を一定ルールで指標化し、それに賞与原資を直接連動させる業績連動賞与や、個々人の環境やライフスタイルに沿った長期的・安定的な退職給付を確保する退職年金制度を設けています。

自由参加型1円ストックオプションの付与

ルネサスは、中長期的なインセンティブの仕組みとして、株式報酬制度である1円ストックオプションをグローバルに展開しています。本プログラムは、COVID-19感染拡大期における不確実性の中、少しでも安定的な事業運営に貢献したいとの従業員からの声に基づいて実施しました。その概要は、就業地域を問わずに、参加を希望した従業員に対し月額給与の減額と、同時に当該金額に一定のプレミアムを付した1円ストックオプションを付与するものです。結果、国内外の従業員の1割強にあたる約2,500人が応募しました。

従業員エンゲージメント

ルネサスは、従業員一人ひとりが主体的に自らの成長と働きがいを感じられる職場づくりに取り組むことができるよう、従業員エンゲージメント向上に向けた取り組みを強化しています。そのために、経営層と従業員や従業員同士のコミュニケーションを促進し、一体感の醸成と社内コミュニケーションの活性化・深化を図っています。

具体的な取り組み

  • CEOをはじめとする、トップマネジメントと従業員とのインタラクティブなコミュニケーションを通じ、相互理解を深めるとともに、当社の戦略や方針に関する情報発信を行う手段として、定期的にAll handsイベントや少人数のラウンドテーブルセッション(直接対話)、さらに全従業員向けのオンラインでの情報発信と質疑応答セッションを日本語・英語両方で実施しています。イベント後にはサーベイを実施し、従業員の提案やコメントのフィードバックを幹部に行っています。

  • 2020年から、CEOが従業員の声を直接聴き、経営課題を特定し解決に向けて迅速なアクションを起こすことを目的としたプラットフォームを設置しました。CEOへ8か月で100件近くの投稿が寄せられ、改善に向けた措置が講じられています。

  • 当社は、ニューノーマル下において新しい働き方の選択肢として恒久的、本格的な在宅勤務制度の導入を拡大しています。この新しいワークスタイルを支えるコミュニケーションツールとして、今年新たに「Renesas Arigato!プログラム」を導入しました。従来の勤務環境と比べ、業務に関わる会話以外の従業員間のコミュニケーションが希薄になったという懸念を抱いている従業員も多く、本ツールにより、SNSのようなユーザーインターフェースで、気軽に感謝の気持ちを伝えることができます。本プログラムは現時点では、リモートワークを制度化した日本のみを対象として導入しましたが、社内コミュニケーションの活性化、従業員のモチベーションやエンゲージメントの向上に資するツールとして、2020年第4四半期には、中国、韓国、ベトナム、マレーシアなどの拠点への拡大を予定しています。

  • 「Renesas Culture」が、組織や従業員にどのように浸透しているかを測定し、また問題意識や改善点を抽出するため、グループ全体で定期的にサーベイ実施する予定です。

  • 従業員の財産形成の援助や経営参加意識の向上を目的として、従業員持株会制度を国内全従業員向けに提供しています。2021年2月時点で、国内全従業員の6%強にあたる611人が入会しています。

SDGsへの貢献

ルネサスグループの従業員の成長とエンゲージメントに向けた取り組みは、以下のSustainable Development Goalsに貢献しています。

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4-Quality Education

SDG .4.4 2030年までに、技術的・職業的スキルなど、雇用、ディーセント・ワークおよび起業に必要な技能を備えた若者と成人の割合を大幅に増加させる。


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その他資料
Renesas Culture Survey Results for 2020 プレゼンテーション PDF 214 KB