本製品は、RH850ファミリ用リアルタイムOS [RV850 V2]とは別製品です。

概要

本製品は、RH850/E2Mで実現する車載リアルタイム制御アプリケーションに最適化されたAUTOSAR仕様マルチコアOSです。車載制御アプリケーションの高性能化、機能安全対応に貢献します。

OS本体には、機能安全規格(ISO26262)を参照した開発プロセスを適用しております。また、機能安全ドキュメントとしてセーフティ・マニュアル等を提供する予定です。

トピックス

RH850/E2M用 RV850 V3がリビジョンアップしました。

詳細はこちら(ツールニュース) >>

リリース情報

最新Ver.: V3.00.01

リリース: 2019/6/14

バージョンアップ内容(ツールニュース参照)

動作環境

契約形態

連携ツール

  • 対応コンパイラ:GHS *1
  • 統合開発環境:MULTI *2
  • タスクアナライザ対応エミュレータ:E2エミュレータ、adviceLUNA Ⅱ*3 *4
  • タスクアナライザ対応統合開発環境:CS+ *5
  1. GHSはGreen Hills Software製のコンパイラ・パッケージを指します。
  2. MULTIはGreen Hills Software製の統合開発環境を指します。
  3. adviceLUNA ⅡはDTSインサイト製のJTAG ICEデバッグツールを指します。
  4. adviceLUNA Ⅱの対応は有償版タスクアナライザのみとなります。
  5. タスクアナライザは統合開発環境CS+のデバッガ機能を使用します。

特長

  • OSEK/VDX仕様、AUTOSAR仕様に準拠
    車載分散制御用のオープン・エンド・アーキテクチャの業界標準規格を目的としたOSEK/VDX仕様(OSEK/VDX Operating System Ver.2.2.3,OSEK/VDX OSEK Implementation Language Ver.2.5)、およびAUTOSAR 仕様(AUTOSAR Release 4.2.2)に準拠した設計が行われており、各種機能を提供しています。
  • スケーラビリティ・クラスSC1、SC3対応
    AUTOSAR OSで定義しているスケーラビリティ・クラスのうち、SC1(基本OS)とSC3(メモリ保護)をサポートしています。また、マルチコア仕様にも対応しています。
  • RH850マイコン密着設計・サポート
    RH850 G4MHコアの特徴的な機能(スーパーバイザ・モード動作中にも有効なメモリ保護機能、周辺保護機能)をサポートしています。また、本製品に関するQ&A等のサポートにおいては、RH850マイコンの仕様も考慮して回答、情報提供をいたします。
  • 高性能
    RH850専用にシステム・サービス処理、データ構造を最適化し、特に、コア間のシステム・サービス処理、メモリ保護処理の低オーバヘッドを実現しました。また、アプリケーションからのハードウェアや周辺I/Oへのアクセスの低オーバヘッド化を実現するための機能を用意しています。
  • 高品質
    CMMIレベル3を満たし、ISO26262(ASIL D)を参照した開発プロセスを適用し、説明可能な品質を実現しています。また、機能安全対応等、お客様の品質保証スタイルに合わせたサポートサービスを提供することが可能です(要サポート契約)。
  • 導入容易
    AUTOSAR標準のARXML形式だけでなく、従来のOSEK OIL 形式のコンフィギュレーション・ファイル形式をサポートしており、AUTOSARコンフィギュレーションツール無しでシステム構築が可能です。
  • 機能安全対応(オプション)
    RV850上で動作するアプリケーションを安全に動作させるための情報をまとめた、セーフティ・マニュアル、アセスメント・レポート等の提供も計画しています。

    機能安全対応(オプション)

  • タスク解析ツール「タスクアナライザ」
    タスクの動作履歴をグラフィカルに表示し、アプリケーションのデバッグを支援します。また、CPU使用率計測によりアプリの性能最適化を支援します。有償版では、RH850/E2Mに対応したDTSインサイト社製エミュレータadviceLUNA Ⅱが出力するトレースデータの読み込みに対応しており、長時間のタスク実行履歴の性能解析が可能となります。

機能

RV850カーネルは以下の機能から構成されています。

  • タスク管理機能
    タスクを実現すべき処理の用途に合わせて、OSEK/VDX仕様で要求されている2種類のタスクをサポートしています。
    1. 基本タスク
      イベントの割り付けが行われていないタスクであり、SUSPENDED状態、READY状態、RUNNING状態といった3種類の状態に遷移可能です。
    2. 拡張タスク
      イベントの割り付けが行われたタスクであり、SUSPENDED状態、READY状態、RUNNING状態、WAITING状態といった4種類の状態に遷移可能です。
      また、スタック・オーバーフローの発生を検知するための機能として、スタック・モニタリング機能を提供しています。(タスク、割り込みサービス・ルーチン)
  • 割り込み管理機能
    割り込みが発生した際に起動する割り込みサービス・ルーチンに関連した機能を提供しています。RV850では、2種類のカテゴリをサポートしています。
    • カテゴリ1
      RV850の介在を最小限にし、カテゴリ2よりも高速に呼び出される割り込み処理専用ルーチン
    • カテゴリ2
      RV850が提供している割り込み前処理(レジスタの退避、スタックの切り替えなど)を実行したあとに呼び出される割り込み処理専用ルーチンであり、システム・サービスの呼び出しが可能
  • リソース管理機能
    限られた数の資源が競合することを防止するためのメカニズムとしてリソース管理機能を提供し、3種類のリソースをサポートしています。
    • 通常のリソース
    • インターナル・リソース
    • リンクト・リソース
  • スピンロック管理機能
    マルチコアにおける資源競合することを防止するためのメカニズムとしてスピンロック管理機能を提供しています。
  • イベント管理機能
    あるタスクの処理結果が出るまでの間、処理の実行を待つといったタスク間の待ちあわせを実現するためのメカニズムとしてイベント管理機能を提供しています。
  • カウンタ管理機能
    事象の発生回数に対応した処理を行うためのメカニズムとして"カウンタ管理機能"を提供し、2種類のカウンタをサポートしています。
    • ソフトウエア・カウンタ
    • ハードウエア・カウンタ
  • アラーム管理機能
    カウンタのもつカウント値の変化に同期した処理を行うための機能として"アラーム管理機能"を提供しています。
  • スケジュール・テーブル管理機能
    カウンタのもつカウント値の変化に同期した処理を行うための機能として"スケジュール・テーブル管理機能"を提供しています。
  • OSアプリケーション管理
    機能システムで使用する資源(タスク、カウンタなど)をグルーピングし、アクセス保護(システム・サービスの発行に伴う資源の操作を禁止/許可)するためのメカニズムとして"OSアプリケーション管理機能"を提供しています。
  • IOC機能
    異なるコアに配置されたOSアプリケーション間のデータ通信を行うための機能として、IOC(Inter-OS-Application Communicator)を提供しています。
  • OS実行管理
    RV850の起動/終了といった処理を実現するためのメカニズムとして"OS実行管理機能"を提供しています。
  • スケジュール管理
    動的に変化していくタスクの状態を直接参照することにより、タスクの実行順序を管理/決定し、最適なタスクにデバイスの利用権を与えるためのメカニズムとして"スケジュール管理機能"を提供しています。
    なお、RV850では、以下に示した2種類のスケジューリング方式をサポートしています。
    • 非プリエンプティブ属性
    • プリエンプティブ属性
  • システム初期化処理
    ハードウエア・リセットの発生から処理プログラム(タスク)に制御を移すまでにRV850が処理を実行するうえで必要となるハードウエア/ソフトウエアの初期化処理を提供しています。

仕様一覧

ターゲットMCU RH850ファミリ(G4MHコア)
最大タスク数 1023
タスクの優先度数 30
システム・サービス数 73
カーネルコードサイズ 約16.9~29.1Kバイト
(リンクするカーネル・ライブラリの種類により変動します)

製品構成

構成物 説明 備考
カーネルソースプログラム カーネル本体ソースプログラム ソースコード付き量産契約の場合にのみ提供
カーネル本体ライブラリ システム構築用カーネル・ライブラリ
標準ヘッダ・ファイル ・OS標準
・ヘッダファイル
ヘッダファイルはC言語用を提供
ユーティリティ・ツール ・コンフィギュレータ
・OSモジュール定義ファイル
入力CFファイル形式:ARXMLまたはOSEK OIL
サンプルプログラム RV850を使用した簡単なプログラム
タスクアナライザ
(バンドル版)
OS上のアプリケーションの動作履歴を遷移図に表示し、CPU使用率などの性能解析するツール
対応エミュレータ:E2エミュレータ
タスクアナライザ
(有償版・オプション)
OS上のアプリケーションの動作履歴を遷移図に表示し、CPU使用率などの性能解析するツール
対応エミュレータ:E2エミュレータ、adviceLUNA Ⅱ
マニュアル ユーザーズマニュアル

オプション製品

  • タスクアナライザ有償版パッケージ

処理フロー

処理フロー

タスクアナライザ機能比較表

バンドル版と有償版の機能比較表は以下の通りです。

サポートエミュレータ / 機能概要 バンドル版 有償版
E2エミュレータ(オンチップデバッキング)
DTSインサイト社製 JTAGデバッグツール adviceLUNA Ⅱ
RH850/E2M 2コアのトレースデータ同時表示
OSオブジェクト*1のCPU使用率等*2の表示
OS処理のCPU使用率表示
関数単位のCPU使用率表示 (最大4関数) (E2エミュレータ:最大4関数, advice LUNA Ⅱ:最大100関数)
OSオブジェクト*1のトレースチャート表示
OS処理のトレースチャート表示
タスク状態*3のトレースチャート表示
システム・サービスのパラメータと戻り値の表示

:対応 -:対応なし

  1. CPU使用率 / 実行回数 / 累計実行時間 / 平均実行時間 / 最大実行時間 / 最小実行時間
  2. タスク / カテゴリ1, カテゴリ2割り込みサービス・ルーチン / ProtectionHook / IPIR
  3. RUNNING / READY / WAITING / SUSPENDED状態

開発ツール サポート情報

タイトル 概要
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