概要

Description

市場とテクノロジの傾向

車載ネットワーク テクノロジは今日の自動車におけるあらゆるE/Eシステムの根幹を成しています。 自動車業界は技術者や標準化機関と共に、特殊な通信プロトコルを開発したり、自動車分野の厳しい要件を満たすために既存の規格を拡張したりしています。 今日では、これらのネットワークソリューションのほとんどがISO、IEEE、SAEなどの標準化機関によって標準化・維持されています。

アプリケーション要件が、モバイル・コンピューティングや自動化の進歩を活用するために進化する中で、これらのアプリケーションを支援するプロトコルは、それに応じて開発と拡張が必要とされます。 CANがボッシュ社によって開発されたとき、500kbpsのビットレートと8バイトのペイロードで十分でした。 現在では、そのCANと類似した技術を使用しており、CAN-XLは10Mbpsの伝送速度と2Kバイトまでのペイロードに対応しています。

ECU数の増加とデータ通信量の急増が、ECUの論理構成の方法も変えました。 車載コンピューティングアーキテクチャはECUが機能別に編成された垂直統合アプローチから、物理的な位置を考慮したクラスタECUへと変化しており、より多くの計算量がセントラルECUか演算用のクラスタへと移行しています。 このような再編成は根底にある通信技術の進歩によって可能になります。

ルネサスはこれら新技術を高いエネルギーやコスト効率を必要とするソリューションを開発されるお客様の支援に取り組んでいます。

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Communication Speeds of Automotive Network Protocol
車載ネットワークプロトコルの通信速度

CAN(コントローラエリアネットワーク)

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CAN market penetration
CAN市場浸透

CANは低・中速度の車載制御アプリケーションで最もよく使用されるプロトコルです。 当初、最高速度1Mbpsまでの伝送速度と8バイトのペイロードデータに指定された。その後、CANFD(フレキシブルデータレート)が64バイトのペイロードかつ、最大伝送速度を増やすために導入されました。 標準的なCANトランシーバは2Mbpsのビットレート、通信環境が比較的良好であれば4Mbpsをサポートします。 4Mbps以上で使用する場合には、信号を改善する特殊なトランシーバが必要です。 理論的な8Mbpsの最大速度は特定の運用環境下で実現可能で、5Mbpsは標準の車載条件下で実現可能です。 CAN-FDはCAN2.0(従来のCANとも呼ばれる)と後方互換性があります。 多くのルネサスMCUとSOCには独自のCAN IPが内蔵され、独自のアドオン機能を含むすべての必要なCAN機能をサポートします。

伝送速度とデータスループットに対する要求は増加し続けており、10Mbpsまでの伝送速度と2048バイトまでのペイロードをサポートするためにCANプロトコルが再度強化されています。 このCANの拡張仕様はCAN-XLと呼ばれ、CAN-FDとの完全な後方互換性があります。

しかしながら、プロトコル機能の規模増大は上方だけではありません。 2020年、CAN関係のSIGが新たに形成され、小型のインテリジェントセンサ/アクチュエータの市場をターゲットにしています。 その結果がCAN-FDのカットダウン版で、「CAN-FD Light」と命名されています。 このような小さなエンドポイントとサブネットワークにはCAN機能セットに対し、完全な堅牢性と耐障害性を必要としません。 CAN-FD Lightは小型、高エネルギー効率、低コストな実装領域を狙っています。

ルネサスは標準化機関での通信プロトコル開発を積極的に支援しており、将来の車載製品に対する組み込みソリューションを提供しています。 後方互換性はこのようなプロトコルファミリのカギであり、ルネサスのCAN実装はそれらを支援しています。 最新のCAN規格を支援する製品は、従来のCANモードでも動作可能です。 後方互換性は国際標準で指定されているとおりに維持されています。

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Mixed CAN topologies
混在のCANトポロジ

Ethernet

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Ethernet Product Line-up
Ethernet製品ラインアップ

2000年代初頭、Ethernetはオンボード診断アプリケーションやオーディオ/ビデオアプリケーション向けに自動車産業に導入されました。 オーディオ/ビデオドメインにおけるアプリケーションにおいては、エンドポイントで高度なサービス品質(QoS)メカニズムが必要です。 これら要件は米国電気電子学会(IEEE)が開発した一連の規格で規定されており、総称してAudio Video Bridging(AVB)として知られています。 ルネサスのAVB Ethernet ES IPは、ハードウェア機能やソフトウェア処理への支援機能を提供し、多数の車載用MCUおよびSOCで実装されています。

車載環境での利用を拡張するEthernet技術におけるもう一つの進歩は、単一のツイストペアからなるFull Duplex物理層技術の開発です。 この堅牢な物理層は100Mbpsのサポートから始まり、厳しい車載要件を満たします。 伝送速度は10Mbpsからマルチギガビットまで幅広くサポートされています。

CANと同様に、近年のスケーリングは上方だけではないため、低いスループットのプロトコルと、現在市場に出回っている高速のテクノロジの間の「ギャップ」を埋めるための取り組みが進められています。 車載環境でマルチギガビットの伝送速度を達成することを目指す技術開発と並行し、10Mbpsの車載用技術を利用できます。 この規格はEthernet向けのIEEE 802.3物理層仕様の一部を含んでおりOPEN Allianceが車載用に規格策定を進めています。

この技術によって、制御および先進運転支援システム(ADAS)機能の一部が実現され、カメラやその他センタ、アクチュエータ、データ処理用のECUがEthernetネットワークに接続できます。 自動車アプリケーションで要求される低レイテンシとQoS要件を達成するため、IEEEはAVB仕様セットを強化し、TSN(Time Sensitive Network)という名前で公開しました。 TSN仕様は、応答時間の規定と信頼性の高いネットワークを実現するためのツールを提供します。 ルネサスには、高度なEthernetネットワークを効率的に構築するために、豊富な機能を持つTSNエンドポイントソリューションやTSNスイッチソリューションがあります。

LIN (Local Interconnect Network)

LIN(Local Interconnect Network)は車載ネットワークプロトコルです。単一のマスタによって管理され、優れたコストパフォーマンスを実現します。 これは、スイッチ/センサ入力監視とアクチュエータ制御で使用されます。 ルネサスは多様なボディコントロールアプリケーション向けに最適化されたLIN MCUで、さまざまなパッケージラインナップ、低消費電力、高温度動作、優れたEMI/EMS性能を実現します。

車載ネットワーク アーキテクチャ

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Network Architecture Evolution
ネットワークアーキテクチャの進化

新たな通信プロトコル、高帯域幅の要求、新しいアプリケーションによる複雑な通信マトリクス:これらすべてがネットワークアーキテクチャ要件に影響します。

従来、車載ネットワークは「車体」、「シャーシ」、「パワートレイン」などの論理的なドメインに基づき編成されていました。これらのドメインはセントラルゲートウェイを介して相互接続されていました。 今後も、ドメイン固有の機能に特化したECUのコンセプトは継続しますが、トレンドとしては、論理機能中心ではなく、物理的な位置(ゾーン)に従って再配置される方向へと進んでいます。 ゾーンECUは、演算能力が高いセントラルECUへ高速ネットワークを介して接続します。 これらのECUはいくつかの課題に直面しています。 以前のECUは比較的低速通信のCANおよびLINインターフェイスのみをサポートしていました。 異なるCANチャネル間、またはCANとLIN間をブリッジする必要性は既にありましたが、これらのバス速度は20Kbpsから10Mbpsまでの範囲にすぎませんでした。 さらに、これらプロトコルは、RH850などの現在のリアルタイムプロセッサで処理しなければならないイベントさせとデータを生成します。他方、Ethernetでは新しいオーダでのスループットが要求されます。 10Gbpsの伝送速度とキロバイトオーダとなるデータ長は、プロトコル変換がバックグラウンドで実行されている間、高速のネットワークが低速バスに接続する必要があり、懸念事項となります。 ルネサスは新たなSoCコンセプトとIPコンポーネントによってこの課題に取り組んでおります。

このようなシステムを試作し評価するため、ルネサスは「Vehicle Computer」という名称のMulti-Protocol Gateway評価キットを開発し、現在は第3世代をお求めいただけます。

ドキュメント

タイトル 分類 日付
PDF596 KB
パンフレット
PDF888 KB
ホワイトペーパー
 

ビデオ&トレーニング

Renesas IVN demonstrator for Time Sensitive Networking with seamless redundancy

This Demo is featuring a unique development kit as multi-gateway solution for all major automotive communication Interfaces.

Automotive ethernet will become a game changer for the next generation of vehicles and mobility. Exponential growth in bandwidth together with a quality of service allows innovative new architectures to improve comfort and safety and to pave the way to a highly assisted and finally the fully autonomous car. Have a look to our demonstrator showing different network configurations, the effect of link failures to it, and finally countermeasures that could be taken to increase the quality and availability of the network traffic in a real vehicle.

Video Transcript

UWE SCHAEFER: In a world switched on, Automotive Ethernet will become a game changer for the next generation of vehicles and mobility. While CAN has dominated the car network for nearly decades, we face a revolution for the in-vehicle architecture and moving to Ethernet-based networks. Exponential growth in bandwidth, combined with quality of service, allows innovative new architectures to improve comfort and safety in order to pave the way to a highly assisted and finally, the fully autonomous car.

THORSTEN HOFFLEIT: With our partner CETITEC, we have developed this evaluation platform called Vehicle Computer 2. It represents a multi - gateway solution that supports all major automotive communication interfaces, covering LIN, CAN, FlexRay, MOST, and Automotive Ethernet, and allows flexible routing between all of them.

The box is equipped with the powerful Renesas R-Car H3 SoC, the RH850 /F1K microprocessor, and an FPGA based implementation of an Ethernet TSN switch. With these components, the box provides the most common automotive interfaces in a robust housing. The box can be used by OEMs, Tier1’s for evaluation, prototyping, or data logging, and expands the existing toolkits with automotive specific requirements.

Due to the variety of interfaces, many use cases are possible. Central Gateway, Zone ECU, or Central Computer are just a few examples.

UWE SCHAEFER: In order to demonstrate this technology and to showcase the features of deterministic Ethernet, we developed a demo based on the VC2 in an in-vehicle network with a zone-based architecture. The demo consists of five gateway ECUs that are connected by Automotive Ethernet and CAN FD in different network structures, such as ring, star, or mesh. A centerpiece of the demo is the ability to operate the IEEE 802.1 CB standard for frame replication and elimination for redundant communication.

These simple RC type model cars have been equipped with front cameras that send the live stream from the driving track to the front zone ECUs using wireless technology. These ECUs forward the video to the central ECU for track detection, path planning, and driving control. The steering and driving commands are then sent by the rear zone ECUs to the RC control of the model cars. With disabled frame replication mode, any failure on a link will immediately stop the car in operation. Now, after enabling frame replication, the cars move on, because the existing links between the boxes will use both directions. Mesh mode offers more redundant links between the boxes. Such configuration tolerates more link failures. Finally, a mixed network with CAN FD and Ethernet also covers network diversification, which is an important element for functional safety. The backup for control traffic is covered by CAN FD. So even with failures on both Ethernet links, the actuation control is still in operation.

Thank you very much for your attention. I hope to see you soon on a live event from Renesas.

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