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Amruta Patra
System Architect & Technical Marketing Engineer
掲載: 2021年8月24日

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行は、すべての人々の生活に想像もできないほどの影響を及ぼしました。 患者は体温、心拍数、呼吸数、血中酸素飽和度(SpO2)を継続的にモニタリングする必要がありますが、 患者を遠隔からモニタリングができれば、介護者の感染を劇的に減らすことができます。 ルネサスはこの問題を解決するために、低コストでスリムな形状のターンキー医療用パッチリファレンスデザインを考え出しました(図1参照)。 これは、患者との接触を軽減し、継続的に患者の情報を収集する、BluetoothでAndroidのスマートフォンに送信するためのワイヤレスパッチです。

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Medical Patch System Diagram

医療用パッチはフレキシブルPCBでできており、額、腕、手首に使用することができます。 ZSSC3230温度センサ ICは裏面に位置するため、皮膚に触れて継続的に温度をセンシングすることができます。 OB1203生体センサ ICは上面に位置するため、指をタッチすることで簡単にセンシングができます。このICに指を置いたときのみ、心拍数、呼吸数、SpO2などのセンシングを開始するため、バッテリ寿命を延ばすことができます。 このバッテリは、スリムな充電式フレキシブルパウチ 型リチウムイオン電池で、ISL9205 USB充電ICを使用してバッテリを充電します。そのため、適切な消毒処理により繰り返し使用できるようになっています。

演算処理は低消費電力の32ビット RX23W MCUで行います。12ビット A/Dコンバータを内蔵し、Bluetooth 5.0との互換性があります。 USB 2.0 ホスト/OTG、I2C、RSPIなど通信インターフェイスも多数サポートします。 RX23W MCUはセンサから温度とバイタルデータを収集し、そのデータを処理し、Bluetoothを介してAndroidスマートフォンに送信します。 また、開発段階ではUSB経由でRX23Wのフラッシュに書き込みもできます。

この設計での主なセンサはZSSC3230OB1203です。 ZSSC3230は、内部自動補正温度センサを備えたシグナルコンディショナ ICで、人の体温(表面温度)を測定するために使用されます。 OB1203は近接センサと高精度な反射型PPG(フォトプレチスモグラフィ)センサを備えた生体センサモジュールです。 優れた信号対ノイズ比(SNR)の平均化機能が付いています。 OB1203はセンサに指を置くと、データ収集が始まり、 指をはなすと止まります。 指がOB1203に触れると、温度とバイタルデータの両方のデータ収集速度が上がります。

ISL9205 リチウムイオン電池充電 ICは標準的なリチウムイオン充電プロファイル、つまり定電流定電圧(CC/CV)充電によりバッテリを充電します。 ICはMCUに直接電源を供給するパスと、外部USBケーブルがパッチのマイクロUSBポートに接続されたときにバッテリを充電するパスを構成できます。 ISL9021A LDOは低IQ、低ノイズ、高PSRRでバッテリからMCUへ電圧を供給します。

このソリューションのAndroidアプリは、ユーザーが温度や心拍数、SpO2、呼吸速度データをリアルタイムにモニタできるほかに、バッテリの状態やシステムの稼働状態の情報も提示します。 温度データ収集の頻度(指を生体センサ上に置いていないとき)はアプリのオプションから変更できます。

このソリューションでは、費用対効果が高く、再利用可能で、スリムな形状のBluetooth対応医療用パッチを実現するため、ルネサスは開発を加速するハードウェアやソフトウェアのサポートを提供します。

詳細はお客様が製品をより早く市場投入できるようお手伝いするウィニングコンビネーションのページでご覧ください。

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