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近年、自動車およびIoT産業は、コネクテッド、自動運転、シェアリングサービス、電気自動車(CASE)およびデジタルトランスフォーメーション(DX)に代表される急速な変化を経験しています。さらに、2020年のcovid-19感染拡大がDXへのパラダイムシフトを加速させている兆しがあります。主な例としては、音声/ジェスチャ認識などの自動化・非接触技術や、リモートワーク、リモート医療、オンライン教育を可能にするツールなどが挙げられます。

ルネサスは、自動車、Factory Automation (FA)、通信インフラなど、社会の根幹をなすミッションクリティカルな事業分野において、高度な技術革新に取り組んでいます。半導体ソリューションを通じて社会やコミュニティの持続的発展に貢献することが、私たちのDNAです。当社は、既存事業の強化と技術革新の進展を図るための研究開発投資を成長戦略の礎としています。2019年、当社は総額1,284億円(Non-GAAPベース)を研究開発に投資していますが、その額は同年の総売上高の約18%に当たります。

ルネサスの技術革新(イノベーション)

イノベーションは、ルネサスの持続的成長の原動力です。私たちの技術は、真に世界を変える上で大きな意義を持っています。例えば、当社が長年にわたり築き上げてきた数々のイノベーションには、CPU とアクセラレータを備えた人工知能 (AI)を使用したユニークなデジタルコンピューティングアーキテクチャが含まれます。また、当社の高度な組み込みフラッシュメモリプロセスやその他のイノベーションは、様々な組込みシステムの演算性能要求、電力消費及び空間制約などの厳しい要求にも応えてきました。

IntersilとIDTの買収後、当社は、膨大な数の組み込みシステム上で、ユニークなアナログミックスドシグナル製品やパワー関連製品を活用できるようになりました。これにはRF、アドバンストタイミング、メモリインタフェースとパワーマネジメント、光インターコネクト、ワイヤレス給電、スマートセンサなどの組み込みシステムなどが含まれます。これらの製品群と当社の先進的なマイコン(MCU)やSystem-on-Chip(SoC)を組み合わせることで、高度なデータ処理性能要求に対応できる、より包括的なソリューションが提供できるようになりました。外部センサからアナログフロントエンド、そしてプロセッサやインタフェースに至るまで、最適化されたシステムソリューションを充実することで、お客様の更なるイノベーションを可能にしています。

また、今後もイノベーションと持続的成長に揺るぎないコミットメントを続けるため、当社は「人工知能(AI)」、「セーフティ&セキュリティ」、「デジタル&アナログ&パワーソリューション」、「クラウドネイティブ」を4つのキーテクノロジーに掲げています。

「AI」は、自動化されたデータセントリックな世界の新たな社会ニーズを満たすため、コンピューティング能力を強化するうえで不可欠な技術です。「セーフティ&セキュリティ」は、安全で安心な社会を実現するミッションクリティカルなアプリケーションの基盤となります。「デジタル&アナログ&パワーソリューション」は、自動化とIoT化が様々なセンサ技術とヒューマンインターフェースを進化させるにつれ、あたかも脳 (デジタル)によって神経 (アナログ)が制御される様な、より最適化/統合化された実装を支援します。「クラウドネイティブ」とは、低レイテンシのリアルタイム制御と通信を用いて、エンドポイントデバイス上でクラウド・サービスを円滑に実現する技術です。組み込みシステムはもはや孤立したオブジェクトではなく、クラウドに接続してクラウド・サービスを実行することによって価値を持つようになります。

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人工知能(AI)

ルネサスは、柔軟でスケーラブルな組み込み型人工知能(e-AI)を、エンドポイントのデバイスに導入した最初の半導体サプライヤの1つでした。安全・安心なライフスタイルと環境にやさしいスマート社会を実現するために、高いリアルタイム性を必要とするアプリケーションがクラウド上のビッグデータと円滑に連携する仕組みとして、エンドポイントデバイスにインテリジェンスを提供しています。

AIがもたらすエネルギー効率の高いコンピューティング

ルネサスは、自動車や産業用アプリケーションで実績を積み上げる、効率的で低消費電力のAIコンピューティングソリューションを提供しています。

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自動車分野では、ステレオフロントカメラでAI実装を可能とした当社のR-Car SoCシリーズが、ヘテロジニアスアーキテクチャを採用し、ピーク性能のバランスを取りながらエネルギー効率の高いコンピュータビジョン処理を可能にしています。先進運転支援システム(ADAS)や自動運転(AD)向けの革新的なRenesas autonomy™プラットフォームの一部としてご利用頂けるものであり、ティア1やOEMメーカーが独自のロードマップを作成できる柔軟な設計を可能にします。

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産業分野では、RZ/VシリーズのMPUが、監視カメラ、製品スキャナ、POS端末カメラなどのアプリケーションで、人物および物体認識のリアルタイムAI処理のニーズに対応しています。 同シリーズは、当社独自の視覚最適化AI アクセラレータである動的再構成可能プロセッサ(Dynamically Reconfigurable Processor-AI, DRP-AI)を搭載しています。 DRP-AIは、動的に再構成が可能であるため、マルチモーダルAIとして顔認識、コンテキスト認識、オブジェクト認識などの要件に柔軟に応えることが可能です。当社は、学習済みAIモデルの実装を簡素化する開発専用ツール「DRP-AI Translator」も提供しています。物体認識によるAI活用の例として、自動的に集計を行うスマートショッピングカートシステム用途や、人間と一緒に安全に作業できる工場のロボット用途、或いは医師の診断を支援する医療用カメラなどがあります。

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セーフティ&セキュリティ

ルネサスは、コネクテッド製品における安全と安心に対する高まるニーズに応えるため、最先端の安全技術へ継続的な投資を続けています。当社の機能安全とセキュリティ技術は、業界最高水準のISO/IECの信頼性および性能基準を満たすように設計されており、あらゆるものがバーチャルにつながる世界において、お客様により安心してお使い頂けるようソリューションを提供しています。

セーフティ&セキュリティ技術で「Root of Trust」を築く

世界中で何十億ものコネクテッドデバイスが普及しサービス需要も増大していく中、堅牢なセーフティとセキュリティに対する巨大な需要が生み出されています。道路や自動車、自宅の安全性、製品の製造から消費に至るまで、コネクテッドデバイスは貴重な観察データを提供することで、私たちの働き方や暮らし方を改善します。当社では、セーフティ&セキュリティの技術を駆使して、システムやデータの完全性や機密性を確保し、故障やサイバーセキュリティのリスクを軽減することに努めています。

お客様の堅牢なシステム構築を支援するために、ミッションクリティカルなアプリケーションにおける機能安全とセキュリティを総合的にサポートします。

ルネサスのセーフティ機能についてはこちらをご覧ください。

ルネサスのセキュリティ機能についてはこちらをご覧ください。

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当社は、IoT、工場・ビルオートメーション、家電製品、ロボティクスなど、多くの産業分野に堅牢なセーフティとセキュリティを提供しています。IEC 61508などの特定用途向けの安全規格をサポートするとともに、対象となる事業や市場のニーズに合わせて、ルートオブトラスト(Root of Trust)技術を活用したセキュリティソリューションを提供しています。

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また、当社は、世界をリードする自動車用半導体サプライヤとして、ISO 26262やISO/SAE 21434のワーキンググループに積極的に参加し、自動車システムの機能安全・セキュリティ技術の開発をリードしてきました。自動車関連の実績とコアコンピタンスを活かし、お客様の機能安全・セキュリティのニーズにお応えできる新しいシステムソリューションを積極的に提案しています。

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デジタル&アナログ&パワーソリューション

ルネサスは、アナログ+パワー+組み込みプロセッシングの補完的製品ポートフォリオの相乗効果によって、電力消費と部品数(BOMコスト)を削減しながら、システムの効率と性能を最大化する魅力的なソリューションを提供しています。これらの包括的なシステムソリューションは、お客様の設計と製品化までの時間を短縮し、最終的には持続可能な開発と、世界規模での環境負荷の低減に貢献します。

使いやすいワンストップソリューション

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ルネサスは、これまでにおよそ200種類の「ウィニング・コンビネーション」を開発しており、その数は日々増え続けています。お客様はこれら魅力的な製品コンビネーションを使用することにより、開発スケジュールを加速させ短期間での市場投入が可能になります。これらの製品ポートフォリオの組み合わせは、産業、インフラ、車載、コンシューマ業界など、様々な用途に焦点を当てており、世界中の多くのお客様やパートナーに多様なソリューションを提供しています。当社のウィニング・コンビネーションは、プリント基板(PCB)上で使用される部品点数を削減し、お客様の開発コストや開発工期といった負担を削減することに貢献します。

小型産業用ロボットのウィニング・コンビネーション

小型産業用ロボットは、ロボットアーム制御の軸を作動させる産業用途で幅広く使用されています。RX24T MCUとレゾルバデジタルコンバータ(RDC)ICを組み合わせ、電圧検出と電流検出の両方のレゾルバセンサに対応し、レゾルバ付きステッピングモータのサーボ制御を可能にします。これにより、ルネサスの小型産業用ロボットソリューションは、ノイズが多い過酷な環境下でもお客様のコストを削減し、優れたパフォーマンスを実現します。

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クラウドネイティブ

クラウドネイティブ技術により、エンドポイントデバイス上でもクラウド・サービスを円滑に実行することできます。クラウドネイティブの組み込みデバイスを実現するためには、システムソリューションに高度なソフトウェアとIT技術を取り入れる必要があります。ルネサスは、さまざまな業界のクラウドプロバイダーと協力し、セーフティ、セキュリティ、接続性、ヒューマンマシンインタフェース(HMI)などの クラウド固有のコア技術の開発を推進しており、そのためのパートナーシップや取り組みに投資しています。

コラボレーションを通じたイノベーション

ルネサスは、クラウド・サービスにおけるパートナーとの連携により、様々な組み込みシステムやIoTクラウドソリューションを提供しています。公開されているソースコードには、アマゾンウェブサービス(AWS)、Microsoft Azure、Google Cloud Platform、サードパーティのMQTTブローカーなど、主要なクラウドプロバイダーとのセキュアな接続をサポートするミドルウェアスタックが含まれています。当社は、今後もクラウド・サービスのパートナーとの連携を深め、お客様のシステムに最適なソリューションを提供していきます。

一例として、自動車分野では、R-Car用のクラウドソリューション「コネクテッドカー用ソフトウェア開発ツール」にアマゾンウェブサービス(AWS)とAWS Greengrassを採用し、セーフティ&セキュリティを強化しています。ソフトウェア開発ツールは、AWS GreengrassとAWS IoT Coreの両方で検証されており、Automotive Grade Linux環境下において当社のR-Carスタータキットが動作することを確認しています。

またその他の例として、産業およびIoTの分野では、当社のMCUおよびMPUポートフォリオ全体でMicrosoft Azureとシームレスにコラボレートしています。当社のインテリジェントでセキュアなデバイス上で、Azure RTOS、Azure IoT Device SDK for C、IoT Plug and Play、IoT Central、IoT Hubを含む、Microsoft Azure IoTビルディングブロックをベースとしたクラウドソリューションを提供します。

ルネサスのアライアンスパートナープログラムとコンソーシアム

ルネサスは、アライアンスパートナープログラムを設け、早期に非公開情報やパートナーへのトレーニングを提供しています。このプログラムを通じて、当社の製品を理解している経験豊富なアライアンス・パートナーとの連携を促し、いち早く市場に参入できるよう支援します。また、自動車や産業分野など特定の分野に特化したコンソーシアムも設けています。

当社のアライアンスパートナープログラムやコンソーシアム活動については、それぞれの製品サイトよりご紹介していますので併せてご覧ください。

オープンソースソフトウェア(OSS)コミュニティにおけるLinuxへの積極的参加

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Linux Foundation(リナックスファウンデーション)は、Linuxの成長促進とOSSの共同開発に取り組む非営利のコンソーシアムです。当社は長年Linux Foundationのゴールドメンバーとして、オープンソース開発に貢献してきました。また、プラチナメンバーとして、Automotive Grade Linux(AGL)プロジェクトやCivil Infrastructure Platform(CIP)プロジェクトにも深く携わっています。

ルネサスのLinux Foundationへの貢献は、お客様がコミュニティのOSS資産を迅速に設定できるようにするだけでなく、地域のサプライヤから高度なスキルを持つエンジニアを見つけるのにも役立ちます。当社は、Linux Foundationを通じて、イノベーションを共有し、より広範なコミュニティと協力して、世界で活躍するエンジニアのためにOSSの信頼とセキュリティを確保する努力を続けていくことにコミットしています。

フォーカス(AIのイノベーション)

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2020年4月16日、ルネサスのCTO(最高技術責任者)吉岡真一は、COOL Chips主催のIEEEシンポジウムにおける「Low-Power and High-Speed Chips」会議において、基調講演を行いました。「Disruptive Evolutions: Technological Challenges and Countermeasures(破壊的進化:その技術的課題と対策)」と題された講演で、AI応用分野における持続可能な発展を実現するために必要な製品・サービスのエネルギー要求について解説しました。例えば、自動運転システムのAI演算として、障害物の検出や空き駐車スペースの探索等の認知操作のため、 20個のセンサ出力を30ミリ秒毎に処理する必要があります。このようなセンシングやコグニティブ操作のための運転制御ECUが、電気自動車(EV)の総消費電力の大きな部分を占めており、その消費電力の大きさゆえに高価な冷却ファンやヒートシンクが必要となり、自動運転システム普及の妨げになると考えられています。AI組み込みシステムでは、電力あたりの性能が重要な指標となっていますが、当社の最先端技術は、エネルギーコストの削減を通じて、よりエネルギー効率の高い世界の実現に貢献していく意思を表明しています。

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SDGsへの貢献

ルネサスグループのイノベーションに対する取り組みは、以下のSustainable Development Goalsに貢献しています。

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SDG9.5 「2030年までにイノベーションを促進させることや100万人当たりの研究開発従事者数を大幅に増加させ、また官民研究開発の支出を拡大させるなど、開発途上国をはじめとするすべての国々の産業セクターにおける科学研究を促進し、技術能力を向上させる。」