概要
説明
Renesas Motor Workbenchはモータ制御プログラムのデバッグ、解析、チューニングを行うための開発支援ツールです。
PCからモータ制御プログラムを操作またはプログラム内のデータを取得し、モータ制御開発を強力にサポートします。
Renesas Motor Workbenchご利用中の方へ(認証の有効期限切れ、更新方法について)
本ツールを起動すると認証の有効期限に関する下記メッセージが表示されることがあります。
License expire soon:認証の有効期限が残り30日以下の時に表示されます。
Expiration date out:認証の有効期限が切れた時に表示されます。
V3.2.0より認証が不要になりましたので、最新バージョンのRenesas Motor Workbenchをダウンロードしてご利用ください。


特長
Renesas Motor Workbenchはモータ制御プログラムのデバッグ、解析、チューニングを行うための開発支援ツールです。以下のような機能を提供します。
- Easy GUI機能
- 直感的な操作でモータの速度制御や位置制御を簡単に実行できます。
- Analyzer機能
- MCU内部の変数へアクセスし、変数の値の変化をリアルタイムに波形表示します。
- Tuner機能
- ベクトル制御に必要なパラメータを自動で抽出し、調整します。微調整も簡単で、結果もすぐに確認可能です。
- Servo機能
- 位置制御系のパラメータ調整やイナーシャ推定、実機動作用の専用GUIをご用意しています。
- DLL
- デバッグに必要な機能をAPIで提供し、ユーザ仕様のGUIからRenesas Motor Workbenchの機能が使用可能です。
- ビルトイン型通信ライブラリ
- 通信ボードなしでもユーザインタフェースとしてRMWをご使用いただけます。(データ表示数に制限あり)
- Learn more
リリース情報
製品名 | 最新 Ver. | リリース日 | ターゲットデバイス | バージョンアップ内容 | ダウンロード | 動作環境 |
---|---|---|---|---|---|---|
Renesas Motor Workbench | V3.2.0 | 2025/2/7 | RAファミリ RL78ファミリ RXファミリ | リリースノート参照 | ダウンロード | Windows10 Windows11 |
[リビジョンアップ] Motor Control Development Support Tool Renesas Motor Workbench 3.2.0 (ZIP)
- V3.2.0
- RL78向けTuner機能を追加しました。
- MCI-HV-1向けTuner機能を追加しました。
- 動作環境にWindows11を追加しました。
- 認証ファイルによる認証が不要になりました。
- V3.1.2
- RA8T1に対応しました。
- V3.1.1
- 小数点の表示、入力をOSの言語設定に依らずピリオドに固定しました。
- V3.1
- Analyzerで調整したパラメータをヘッダファイルに出力できる機能を追加しました。
- 各機能の操作手順を説明するNavigation機能を追加しました。
- 変数の用途や単位の表示機能を追加しました。
- イナーシャ推定、制御パラメータ調整、原点復帰、PTPテストを実行するServo GUIを追加しました。
ターゲットデバイス
注:RL78/G24はAnalyzer機能,Tuner機能のみ。その他RL78ファミリはAnalyzer機能のみ。
設計・開発
サンプルコード
関連ボード&キット
Evaluation System for BLDC Motor
ルネサスが提供するEvaluation System for BLDC Motorは低電圧の永久磁石同期モータ(ブラシレスDCモータ)のソリューションであり、誰でも容易にモータの評価することが可能なキットです。
キットに含まれるボードやWebからダウンロードできるソフトウェアを用いて、キット購入後すぐに評価を始めることができます。
Evaluation System for Stepping Motor with Resolver
ルネサスが提供するRXファミリとレゾルバデジタルコンバータ(RDC) ICを容易に評価・検討できるソリューションキットです。
レゾルバ付きのステッピングモータを同梱しており、webからダウンロードできるソフトウェアを用いてキット購入後すぐに評価を始めることができます。
Renesas Flexible Motor Control Kit for RA8T1 MCU Group
MCK-RA8T1は永久磁石同期モータ(ブラシレスDCモータ)を使ったモータ制御の評価を簡単に行うことができる開発キットです。本製品と、ウェブサイトからダウンロードできるサンプルコードやQE for Motorを使うことで、RA8T1を用いたモータ制御評価をすぐに始めることができます。
Motor Control Evaluation System for RA Family - RA6T1 Group
RA ファミリ、RA6T1 グループ用モータ制御評価システムは、誰でもモータ制御を簡単に評価できる低電圧永久磁石同期モータ (ブラシレス DC モータ) ソリューションです。 ルネサスのウェブサイトからダウンロードできるキットのハードウェアとソフトウェアを使用して、すぐにモータ制御の評価を開始できます。
Renesas Flexible Motor Control Kit for RA6T2 MCU Group
MCK-RA6T2は永久磁石同期モータ(ブラシレスDCモータ)を使ったモータ制御の評価を簡単に行うことができる開発キットです。本製品と、ウェブサイトからダウンロードできるサンプルコードやQE for Motorを使うことで、RA6T2を用いたモータ制御評価をすぐに始めることができます。
Renesas Flexible Motor Control Kit for RA6T3 MCU Group
MCK-RA6T3は永久磁石同期モータ(ブラシレスDCモータ)を使ったモータ制御の評価を簡単に行うことができる開発キットです。
本製品と、ウェブサイトからダウンロードできるサンプルコードやQE for Motorを使うことで、RA6T3を用いたモータ制御評価をすぐに始めることができます。
Renesas Flexible Motor Control Kit for RA4T1 MCU Group
MCK-RA4T1は永久磁石同期モータ(ブラシレスDCモータ)を使ったモータ制御の評価を簡単に行うことができる開発キットです。
本製品と、ウェブサイトからダウンロードできるサンプルコードやQE for Motorを使うことで、RA4T1を用いたモータ制御評価をすぐに始めることができます。
Renesas Flexible Motor Control Kit for RX26T MCU Group
MCK-RX26Tは永久磁石同期モータ(ブラシレスDCモータ)を使ったモータ制御の評価を簡単に行うことができる開発キットです。
本製品と、ウェブサイトからダウンロードできるサンプルコードやQE for Motorを使うことで、RX26Tを用いたモータ制御評価をすぐに始めることができます。
Renesas Flexible Motor Control Communication Board
MC-COMはルネサス製MCUとシリアル通信を行うための通信ボードです。RAマイコンやRXマイコンを搭載した各種CPUボードと接続することができます。通信信号は電気的に絶縁されているため、安全にモータ制御の評価、デバッグを行うことが可能です。
ビデオ&トレーニング
- PC側のソフトウェア インストール
- PCとボードの接続
詳細情報
Renesas Motor Workbench は、PC からモータ制御プログラムを操作またはプログラム内のデータを取得し、モータ制御開発を強力にサポートします。
利用環境イメージ

Renesas Motor Workbench機能
- Easy GUI
- モータ動作状況はメータや波形表示で一目で確認できるため、デバッグをより簡単に実行可能です。
- Analyzer
- トリガ・ズーム・コマンダ送信等機能も豊富で、デバッグや評価に便利。 ユーザI/Fとしても利用可能です。
- Tuner
- ノウハウ不要で誰でも簡単にベクトル制御を実現。マニュアル調整機能も備えており、微調整も簡単、結果もすぐに確認いただけます。
- Servo
- 位置制御系のパラメータ調整やイナーシャ推定、実機動作用の専用GUIをご用意しています。
- DLL
- ユーザ仕様のGUIからRenesas Motor Workbenchの機能をご使用いただけます。
機能詳細
Easy GUI 機能
モータをより直感的に操作できるGUIを実装しています。
- スライダの操作で指令値を設定可能です。
- 指令値のプロファイルを設定可能です。
- 回転速度や電流値等をメータで表示します。
- 機能切り替え用スイッチで切り替えが簡単に行えます。
- 変数の変化を波形で表示します。
- 各種パラメータを表示します。
Analyzer 機能
モータを駆動させながら動的に変数の読み書きが可能です。
- モータを駆動させながら動的に変数の波形表示が可能です。
- 波形表示はトリガ設定や各種表示設定が可能です。
- コマンダ機能により、任意の変数を変更するシーケンスを作成して送信することが可能です。
- ユーザが定義した変数群を1クリックで更新可能な、ユーザボタン機能を実装しています。
- RMWの各機能の操作手順を表示しながら操作可能です。
- 調整した変数をマクロ定義としてヘッダファイルに出力可能です。
- CSVファイルの読み込みにより変数の用途情報を表示します。
Tuner 機能
- モータ固有パラメータ(抵抗、インダクタンス、誘起電圧定数、イナーシャ)を自動測定します。
- 電流、速度、位置のPI制御ゲインを自動で調整します。
- センサレスベクトル制御用の推定ゲイン等も自動で調整します。
- 各PI制御を手動チューニングで微調整が可能です。
- 測定結果をPDFファイルや駆動S/Wのヘッダファイルとして出力可能です。
- 【RMW3.2新機能】MCI-HV-1向けTuner機能を追加しました。

RL78向けTuner機能 【RMW3.2新機能】
- モータ固有パラメータ(抵抗、インダクタンス、誘起電圧定数、イナーシャ、摩擦係数、初期位置検出用パラメータ)を自動測定します。
- センサレスベクトル制御や固定小数点演算に関わるパラメータを自動で設計します。
- 各種パラメータは手動で調整可能です。
- 始動、定常駆動、速度と電流のステップ応答といった簡易的な駆動評価を行えます。

Servo 機能
Servo制御向け次のようなGUIを実装しています。Servo Adjustment 画面は、Main Window画面のSelect Toolから「Servo]を選択すると表示します。
- モータ軸に接続されたイナーシャ推定機能
- 位置制御方式や固有周波数などのサーボ設定機能
- 原点復帰方法、復帰速度などを設定する機能
- 1 軸に対して、PTP(Point to Point)動作を行う機能

DLL
RMW(GUI)で実行していた変数Read/Write機能をDLLで提供します。 Excel VBAや.Netアプリケーションでツールを自由に作成いただけます。

ビルトイン型通信ライブラリ
ダウンロードパッケージに標準通信ライブラリとビルトイン型通信ライブラリを同梱しており、モータ制御プログラムにビルトイン型通信ライブラリを組み込めば Renesas Motor Workbench に対応する通信ボードの代わりに、 USB-Serial変換ボードを使った簡易デバッグが可能となります。
対象MCU:RA8T1、RA6T2、RA6T3、RA4T1(順次展開予定)
ビルトイン型通信ライブラリ使用時は最大表示チャネル数と最大表示データ数に制限がありますが、その他の機能は通信ボード使用時と同じように使うことができます。
標準ライブラリ | ビルトイン型通信ライブラリ | ||
---|---|---|---|
RMW | 最大表示チャネル数 | 12 | 8 |
最大表示データ数 | 100000 | 1000(RA8T1, RA6T2) 500(RA6T3, RA4T1) | |
サンプリング周期 | 最大20us/4ch ※UART16.6Mbps | 50us/8ch | |
Commander | ○ | ○ | |
User Button | ○ | ○ | |
Tuner | ○ | ○ | |
Easy GUI | ○ | ○ | |
PCとの接続 | 通信ボードMC-COMが必要 | 市販のUSB/UART変換ボードで動作 | |
MCUの通信インタフェース | UART 1チャネル | UART 1チャネル | |
バッファメモリ | 通信ボードに搭載の外付けRAMを使用 | MCUの内部RAM(32KB)を使用 |
詳細仕様
項目 | 仕様 | |
---|---|---|
全体 | 対応MCU | RX13T, RX23T, RX24T, RX24U, RX26T, RX66T, RX72T, RX72M, RA6T1, RA6T2, RA6T3, RA4T1, RA8T1, RL78/G1F, RL78/G14, RL78/G24 (RL78/G24はAnalyzer機能,Tuner機能のみ。その他RL78ファミリはAnalyzer機能のみ。) |
使用環境(OS) | Windows10, Windows11 | |
通信 | 使用周辺、 ポート | UART 1 ch, DMA (DTC) ポート:TXD, RXD |
通信I/F | USB2.0 (Communication Device Class) | |
通信ボード | 以下キットは通信回路を搭載
MCK-XXXXXまたはユーザボード向け
| |
Analyzer | 波形表示 | 8ch (chごとにスケールとオフセット設定)、ズーム機能 (2 Window)、トリガモードはSingle / Auto / Normalを選択、波形データはcsv形式で保存 |
変数R/W | 同時選択可能変数は255個、デバッグの簡易化機能(Userbutton、commander機能、Rename機能) | |
波形表示 データ数 | 100000データ(標準ライブラリ使用) | |
Tuner | 入力情報 | 測定するモータの定格電流、極対数 |
出力情報 | モータ固有パラメータ(抵抗、インダクタンス、磁石磁束、ロータイナーシャ)と制御ゲイン出力ファイル形式:PDFファイル、ヘッダファイル*1 | |
Servo | 対応機能 | イナーシャ推定機能(ロータ+負荷)、サーボ調整機能、原点復帰処理、PTP制御 |
DLL | 使用環境 | Windows10のみ、.Net Framework 4.6.1以上 |
開発環境 | Visual Studio 2015以降、Excel | |
対応機能 | シリアル通信接続、変数R/W、Scope機能 | |
ビルトイン型通信ライブラリ | 対応MCU | RA8T1, RA6T2, RA6T3, RA4T1 |
通信ボード | 市販のUSBシリアル変換ケーブルまたはボード | |
Analyzer 波形表示 データ数 | RA8T1/RA6T2:1000データ RA6T3/RA4T1:500データ |
*1:Renesasが公開しているモータ制御向けサンプルコードのヘッダファイルに対応。詳細はRenesas Motor Workbenchの取扱説明書を参照。
利用環境
- MCK-XXXXX (RA4T1/RA6T2/RA6T3/RA8T1/RX26T)
- Evaluation System for BLDC Motor (別売りCPUボードが必要です)
- Evaluation System for Stepping Motor with Resolver
- ユーザの開発ボード(別途通信ボードを用意いただく必要があります。)
通信ボード
- ルネサスエレクトロニクス製 MC-COM
- デスクトップラボ製 W2002 (http://www.desktoplab.co.jp/)
- 市販のUSB-シリアル変換ケーブル(ビルトイン型通信ライブラリ使用時)
利用環境イメージ