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Sugako Otani
RX CPU Chief Architect
掲載: 2021年4月27日

こんにちは、CPUアーキテクチャ開発に長く携わってきましたが、今日のテーマは、「光陰矢のごとし、RXv2コアのCoremark/MHzが5.0を超えた!その理由(わけ)は?」です。どうぞ、最後までお付き合いください。近年では、AIなどの複雑な処理をマイコンで行うようになってきました。性能は大事ですね。

「RX (32bit CISC)の性能はどれくらい?」というあなたに、CoreMarkベンチマークをご紹介します。そんなに古いものではなく、2009年から使われています。昨年10周年を迎えたRXと同い年ですね。

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CoreMarkスコアを見れば、RXの性能の良さが分かります。CPUハードウェアの実力を引き出すには、効率の高いコンパイラが欠かせません。RXでは、CPUアーキテクチャとコンパイラの両輪で性能をブラッシュアップしてきました。

RXv2(2014年デビュー)は、世界で一番のり、4.0 CoreMark/MHzを超えたマイコン向けプロセッサです。
あれから7年。ついに、ルネサス内製コンパイラの威力で、5.05 CoreMark/MHzに到達しました! DSP機能命令、マイクロコードを用いた高機能命令など、RXならではのアーキテクチャをベースに、RXv2のデュアル・イシューのパイプライン構造がこの性能を実現しています。そして、この7年間の成長は、RXアーキテクチャを熟知したルネサスのエンジニアによるコンパイラ改良のたまものです。

ARM社のRISCマイコンを凌駕。ちなみに、フラッグシップモデルのRXv3は5.90CoreMark/MHzをたたき出しました。驚きましたか?

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RXの性能は、コンパイラとCPUの絶妙なコラボレーションの賜物です。10年にわたるRX開発は振り返れば、「光陰矢のごとし」です。次の10年は、どんなプロセッサーを作ろうかしら?

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