画像
Ryota Matsumoto
Ryota Matsumoto
Sr. Staff Product Marketing Specialist
掲載: 2023年10月31日

農業の課題解決に期待が高まるスマート農業

昨今、農業の現場ではさまざまな課題が浮かび上がっています。世界中で進行している気候変動により農産物の収量や品質への悪影響が顕在化してきています。また、日本など一部の先進国では高齢化、人口減少が進むことによって農業の担い手不足が深刻化し、生産力減少の懸念があります。一方、世界の人口は2022年には80億人でしたが、2050年には97億人に達すると予測され、これに伴い食料需要は今後一層高まることが予想されます。この食料需要の増加に対応するためには、気象変動や人手不足といった農業にとって逆境となる環境下でも農産物を量と質の両面で安定的に供給する必要があります。

このような社会的課題に対処する手段として、先端技術(IoT、AI、ロボットなど)を駆使したスマート農業が期待されています。スマート農業と一括りに言っても、収穫補助や作業補助など高機能なロボットなど必要な事例から、圃場の環境モニタリングやビニールハウスの環境制御など、データを取得して活用することに重点が置かれる事例まで幅広く存在します。そして、ほとんどのケースでデータを収集、管理、分析し、次のアクションのためにフィードバックを実行するといった一連の流れが必要です。そのため、屋外などの不安定な環境下でも正確なデータを取得できるセンサシステムの構築が、スマート農業を実現するための最初のステップと言えます。

ルネサスのスマート農業向けソリューション

ルネサスでは人々の暮らしを楽(ラク)にする技術を通じて、持続可能でスマートな社会を築くことをミッションとし、製品開発やソリューション企画に取り組んでいます。8/16ビットマイコンのRL78シリーズは業界最小レベルの消費電力と幅広いラインアップが評価され、産業からIoT機器まで幅広い用途で社会のスマート化に貢献しています。そのRL78シリーズの中でも、スマート農業向けにセンサーデバイスを設計したい方にはRL78/G23マイコンがおすすめです。スマート農業に求められる温湿度や日照量など様々なセンサを接続可能な複数のポートに加え、業界最小レベルの消費電力を実現しているため、電源を確保しにくい屋外でも長時間バッテリー交換不要で動作可能なセンサーデバイスが設計可能です。また、USBケーブルの接続だけでプログラムの書き込み/デバッグが可能な評価ボード(Fast Prototyping Board)や、GUIで設計容易化ができるSmart Configuratorなど、RL78/G23用に充実した開発環境も多数提供しています。

画像
RL78/G23-128p Fast Prototyping Board (RTK7RLG230CSN000BJ)

RL78/G23-128p Fast Prototyping Board(RTK7RLG230CSN000BJ)

画像
RL78/G23-128p Fast Prototyping Board Components

▲PMODなどの端子から多様なセンサボード通信ボードと接続可能です

その他、ルネサスではスマート農業の導入がより簡単なものとなるよう、スマート農業向けのWinning Combination*を拡充しています。これらを活用することで、スマート農業向けのデバイス開発の早期市場投入を可能にし、農業におけるデジタルトランスフォーメーションの実現をサポートします。
(*Winnning Combination:アナログ+パワー+組み込みシステム+通信など、ルネサスの横断的なポートフォリオを組み合わせたソリューション)

次回のブログ『スマート農業におけるルネサスの取り組み~Part2』では、実際にRL78/G23を搭載したボードでスマート農業用センサーソリューションを構築した様子をご報告いたします。スマート農業のみでなく、IoTセンサーデバイスの開発に関心のある方は、是非Part2もご覧ください!

参照情報:

この記事をシェアする