
ビジネスリスポンスビリティ
人権 | サプライチェーン | 製品安全と品質 | 社会貢献 | イニシアティブへの参画
人権に対する当社のコミットメント
ルネサスは、「世界人権宣言*1」およびILO(国際労働機関)による「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」に示された国際的に認められた人権を尊重することを約束しています。これらを最低限の基準として認識し、ルネサスは国連人権理事会による「ビジネスと人権に関する指導原則」に沿って事業を行い、「国連グローバル・コンパクト」の原則を支持しています。
万が一、各国・地域の法律や規制と国際的な人権基準が一致しない場合には、当該国・地域の法令を遵守することを前提としつつ、国際的な人権基準を尊重します。
ルネサスは、国際的に認められた人権基準に沿って事業を運営することで、倫理的責任を果たすだけでなく、グローバルな信頼の強化、リスクの軽減、多様な市場における持続可能な成長の実現にもつなげています。
*1 世界人権宣言、市民的政治的権利に関する国際規約、経済的社会的文化的権利に関する国際規約
ルネサスグループ人権方針
当社の人権方針は、従業員からお客様、地域社会、そしてサプライチェーンに至るまで、すべての人々への対応を規定するものです。ルネサスは、グループ行動規範およびサプライヤー行動規範において、人権を尊重するというコミットメントを明確に示しています。
ルネサスの人権方針は2024年に改訂され、当社の事業活動のあらゆる側面において人権を尊重し、推進するという姿勢を明確に表明しています。
人権デューディリジェンスとリスクアセスメント
ルネサスは、Business for Social Responsibility(BSR)との連携およびPwCの支援のもとで実施した自己評価アンケートに基づき、社内およびサプライチェーンにおける主要な事業体において、以下の6つの重要な人権リスクを特定しました。
- 安全で健康的な労働環境
- 児童労働および強制労働の禁止
- 労働時間
- 責任ある鉱物調達
- 労使関係(日本)
- 人権教育
これらの重要課題において、当社の高い倫理基準を維持し、ステークホルダーの期待に応えるために、ルネサスは国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に則り、リスクの特定、防止、軽減に向けた追加的な取り組みを進めています。これには、最も重大なリスクを優先的に扱うよう設計された、現在の人権デュー・ディリジェンスプロセスの継続的な強化へのコミットメントも含まれます。
人権デュー・ディリジェンスの活動プロセス

人権尊重への取り組み
ルネサスは、グループ社内やサプライチェーン上において重点的に取り組むべきと考えられる人権課題として以下の6項目を設定しました。これらの重要度が高い課題に対して、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」に則り、リスクの抽出・予防・軽減のため具体的な取り組みを進めてまいります。
1. 安全で健康的な労働環境
ルネサスは、「防災安全衛生基本方針」のもと、従業員の安全と健康を守ること、安全で働きやすく快適な職場環境を確保すること、業務の円滑な運営を図ることを目指しグループ一体となって取り組んでいます。
「休業労働災害ゼロ」をグローバル目標として、グローバルに職場に潜むリスクの洗い出しに日々努め、全従業員が安心して働ける職場環境の維持に取り組んでいます。
2. 児童労働および強制労働の禁止
ルネサスは、事業活動に関わるすべての段階において、可能な限り高い倫理基準を維持することに取り組んでいます。私たちは、人権を尊重し、公正な労働慣行を確保する責任を認識しており、事業活動において、強制労働、児童労働、人身売買を行いません。
自社所有の施設に加えて、当社のグローバルサプライヤーもこれらの義務を遵守する必要があります。ルネサスサプライヤー行動規範では、児童労働および強制労働を厳格に禁止することを定めています。
私たちのコミットメントには、以下の措置が含まれます。
- すべての労働者が法定労働年齢の要件を満たしていることを確認するために、徹底的かつ厳格な雇用確認プロセスを実施しています。これには、詳細な書類審査と年齢確認手順が含まれます。当社の雇用慣行は、あらゆる形態の強制労働または人身売買を明示的に排除しています。これは、当社が事業を展開するすべての国における雇用慣行の厳格な監視を通じて実施されます。
3. 労働時間
ルネサスでは、事業活動を行うすべての国の法令を遵守し、労働時間・休日・休暇を適切に管理し、従業員が心身ともに健康で働ける環境づくりを行います。
- 「ワーク・ライフ・バランスを意識した働く環境の整備」を活動方針として掲げており、労働時間管理の強化や計画的な年次有給休暇の取得に向けた環境整備などの取り組みを実施し、「従業員の心身の健康」に重点を置いた活動を行っています。
4. 責任ある鉱物調達
ルネサスグループ人権方針において、ルネサスは鉱物の調達に関連する人権侵害に加担しないため、責任ある鉱物調達に取り組むことを定めています。
ルネサスは、責任ある鉱物調達の実現に向けて設立された「責任ある鉱物調達検討会」に加盟しています。また、ルネサスは、責任ある鉱物調達を世界的に推進しているRMI(Responsible Minerals Initiative)メンバです。RMIと連携する「責任ある鉱物調達検討会」に参画することで業界との連携を深め、精錬所と精製所の特定を始めとする紛争鉱物問題へ対応してまいります。
5. 労使関係(日本)
ルネサスは、現地の法令に従い、従業員が労働組合を結成し、加入し、団体交渉を行う権利を尊重しています。当社は、労働組合への加入や組合活動への参加を理由に、従業員に対して差別的な扱いを行いません。
日本においては、労働組合の結成が認められており、管理職未満の該当従業員は、ルネサスグループ労働組合連合会に加入しています。ただし、人事部門や経営企画部門など、組合が指定する一部の職種は例外となります。
ルネサスと労働組合は、相互の尊重、誠実さ、信頼に基づき、日本の労働組合法に準拠した労働協約を締結しています。両者は、建設的な労使関係を維持するために、誠意をもって責任を果たすことを約束しています。
6. 人権教育
ルネサスは、人権に関する継続的な取り組みの一環として、グローバルなラーニングマネジメントシステム(LMS)の導入と並行して、専任のワーキンググループを設置しています。この統合的なアプローチにより、最新の基準やベストプラクティスに沿った研修コンテンツの整備が可能となり、すべての地域の従業員に対して一貫性のある最新のガイダンスを提供することができます。
また、研修の受講状況データは、透明性の確保に寄与するとともに、人権の原則を組織全体に根付かせるという当社のコミットメントを示すものとなります。
今後の取り組み
ルネサスは、人権に関する取り組みを持続的に前進させるため、また、当社の人権実践をグローバルなベストスタンダードおよび組織目標と整合させるために、包括的かつ長期的な戦略の策定を積極的に進めています。
SDGsへの貢献
ルネサスグループの人権に向けた取り組みは、以下のSustainable Development Goalsに貢献しています。

SDG 8.7 強制労働を根絶し、現代の奴隷制、人身売買を終わらせるための迅速で効果的措置の実施、最も劣悪な形態の児童就労の禁止・撲滅を保障する。2025年までに少年兵の徴募や利用を含むあらゆる形態の児童就労を撲滅する。

SDG 10.3 差別的な法律、政策、および慣行の撤廃、ならびに適切な関連法規、政策、行動の促進などを通じて、機会均等を確保し、成果の不平等を是正する。

SDG 16.b 持続可能な開発のための非差別的な法規および政策を推進し、実施する。
ビジネスリスポンスビリティ
人権 | サプライチェーン | 製品安全と品質 | 社会貢献 | イニシアティブへの参画