基本方針・考え方

ルネサスは、従業員の安全と健康を守ること、安全で働きやすく快適な職場環境を確保すること、業務の円滑な運営を図ることを目的とし、下記の通り労働組合及び従業員の意見を聴取し制定している安全衛生基本規則の中で「防災安全衛生基本方針」を定めており、更には、労働安全衛生マネジメントシステム規格であるISO45001を取得するなどの取り組みを進めています。また、従業員一人ひとりは、「行動規範」に則って安全で衛生的な職場の維持や、災害の未然防止・再発防止に取り組んでいます。

防災安全衛生基本方針

  1. 従業員の安全と健康を守り、資質・能力が最大限発揮される、安全で働きやすい快適な職場環境を実現する。
  2. メーカーとしての責務である「安全操業、安定操業」「顧客への供給責任」の実現にむけ、全員参加で安全衛生活動に取り組むと共に、安全衛生施策の計画・実行・確認・改善(PDCA)を継続的に推進する。
  3. 労働安全衛生関係法令及び規則を遵守し、教育・意識の啓発に努めると共に、リスクアセスメントの実施による本質安全化を推進する。

(安全衛生基本規則 第7条)

 

ルネサスグローバル行動規範

32.環境・健康・安全 (EHS)

  • ルネサスは、従業員、顧客、取引先、請負業者等の皆様に安全な職場環境を整備し、安全関連の法令や規則を遵守します。着実な安全活動は、すべての事業所にとって重要です。

    従業員や社会を守るため、安全上の適切な予防措置なしでの活動は行いません。また、適切な安全措置なしに製品を生産しません。職場での負傷や病気は、防止可能だと考えています。ルネサスは、従業員およびサプライヤに、安全衛生に関する要求事項および手順を伝え、これらに従わないことによる安全衛生上のリスクおよび影響について説明します。

ルネサス行動規範より抜粋)

 

ISO45001認証取得済み拠点

ルネサスは、主要な生産拠点すべてにおいて、労働安全衛生マネジメントシステムの国際規格であるISO45001の認証を取得しています。

労働安全衛生マネジメントシステムへの取組みを進める中で、拠点毎に目標・行動計画・優先順位を定め、P・D・C・Aサイクル(Plan Do Check Action)を回しその達成に向け推進しています。更新審査以外にも拠点毎の相互審査による内部監査を年1回行い、労働安全衛生マネジメントシステムへの取組みが正しく行われているか確認・是正しています。

社名審査
機関
登録番号有効
期限
登録証
(J: 日本語版, E: 英語版)
ルネサス エレクトロニクス (株)武蔵事業所JISHAJISHA-O-1092026/12PDF(J) | PDF(E)
米沢工場JISHAJISHA-O-932025/12PDF(J) | PDF(E)
大分工場JISHAJISHA-O-952026/1PDF(J) | PDF(E)
錦工場JISHAJISHA-O-942026/1PDF(J) | PDF(E)
ルネサス セミコンダクタ マニュファクチュアリング (株)那珂工場JISHAJISHA-O-922025/12PDF(J) | PDF(E)
高崎工場JISHAJISHA-O-892025/12PDF(J) | PDF(E)
西条工場JISHAJISHA-O-882025/12PDF(J) | PDF(E)
川尻工場JISHAJISHA-O-912025/12PDF(J) | PDF(E)
Renesas Electronics America Inc.San Jose CampusDQS10002500 OHS182027/1PDF
Renesas Design Vietnam Co., Ltd.DQS50650314 OHS182026/11PDF
Renesas Semiconductor (Beijing) Co., Ltd.CCCIU006624S0006R1M2026/12PDF
Renesas Semiconductor (Suzhou) Co., Ltd.CCCIU006623S0140R0M2026/10PDF
Renesas Semiconductor (Malaysia) Sdn. Bhd.SIRIMOHS 001022024/8PDF
Renesas Semiconductor (Kedah) Sdn. Bhd.
Renesas Semiconductor Technology (M) Sdn. Bhd.*
Renesas Semiconductor KL Sdn. Bhd.SIRIMOHS 009442026/11PDF
Renesas Electronics (Penang) Sdn. Bhd.DQS10004471 OHS182026/9PDF

* Renesas Semiconductor (Malaysia) Sdn. Bhd.と同じ所在地


労働組合との取り決め

当社は、労働協約で「安全衛生」に関して下記の通り取り決めています。

ルネサス エレクトロニクス(株)における「安全衛生」に関する取り決め
(「労働協約」第7章から抜粋)

第94条 安全衛生

  1. 会社は職場の安全衛生のために必要な措置を講ずる。
  2. 会社は前項の目的達成のため事業所毎に安全衛生委員会を設置し、必要に応じ施設を設け、保護具を貸与し、医師を置く。
  3. 組合員は危害の防止、災害の予防及び衛生のために会社が定めた必要な事項を遵守する。
  4. 組合は安全及び衛生に関して、会社に意見を申し出ることができる。

第95条 安全衛生委員会

  • 前条第2項の安全衛生委員会は事業所長が指名する委員長並びに事業所長が選任する委員を以って構成する。

第96条 安全衛生に関する教育訓練

  • 会社は組合員に対し危害防止、災害の予防及び健康保持増進に必要な安全衛生に関する教育訓練を行う。

第97条 健康診断

  • 会社は組合員に対し毎年1回以上健康診断を行う。

 

グループ一体の取り組み

「従業員の安全と健康を守り、資質・能力が最大限発揮される、安全で働きやすい快適な職場環境を実現」するという目的を果たすために、従業員の労働安全衛生に関する活動を行っています。日本を拠点とする安全衛生管理チームは、グローバルな人事総務部門内で最高人事責任者(Chief Human Resources Officer)の直接の監督下で活動しています。また、各事業所・グループ会社においても、安全衛生管理体制を定め、安全衛生責任者を設置しています。「全社安全衛生会議」を定期的に開催し、「ルネサス エレクトロニクスグループ防災安全衛生管理方針」に関する事項等を審議し、その決定に基づき活動を推進しています。また、安全衛生に関わる方針や各種情報は、グループ内のみならず、構内請負業者も含めて共有化を図り、グループ一体となった災害防止や安全衛生活動に活用しています。

また、海外の拠点においても、安全衛生窓口を配置し、安全衛生に関する目標や情報の展開を行い、労働災害防止に努めるとともに、グループ全体で安全衛生管理の強化を推進しています。

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グループ一体の取り組み

 

安全で健康に働ける職場への取り組み

  • 管理目標

    ルネサスは、従業員および事業所内で働くコントラクターが安全で健康に業務に従事することができる職場づくりに注力しており、「休業労働災害ゼロ」をグローバル目標として活動しています。発生事象については、「労働災害・物的事故・交通事故発生時の報告規則」に従い随時報告され、また4半期ごとの実態調査により把握し、再発防止に向け全社的に情報共有を行い、徹底した注意喚起を実施しています。

    ※休業労働災害:労働災害による1日以上の休業

  • 安全活動

    全世界の製造拠点および設計拠点では、リスクアセスメントやKY(危険予知)活動による災害リスクの抽出と対策を実施する労働安全衛生マネジメントシステムを通じ、以下をはじめとした労働災害の未然防止活動を推進しています。また、生産工場の直接員に対し、定期的に(月一回)繰り返しの安全衛生教育活動を実施しています。

    • 防火組織による防火管理の徹底や防火活動への従業員の意識向上
    • 取扱う機械およびその安全装置の点検や異常がある場合の必要な措置の実施、など


    日本以外の拠点については、労働災害が発生した場合、安全衛生窓口を通じて具体的な内容の把握を行い、必要に応じて再発防止に向けた助言や指導を行います。また労働災害情報を共有することで注意喚起を行っています。労働災害情報を一元的に管理・把握、共有することで、当社全体で、再発防止に努めています。

  • 緊急事態の備え

    下記の取り組みにより、安全で健康に働ける職場作りを推進しています。
    - 緊急事態発生時の対応手順の制定
    - 緊急事態が発生した際に対処するエマージェンシーチームの確立
    - 緊急事態発生を想定した避難訓練
    - 事業所内での啓発活動
     
  • 衛生活動

    雇い入れ時健康診断、定期健康診断等に加え、有害な薬品等の取り扱いや深夜業務を行う従業員には、特殊健康診断や特定業務従事者健康診断を実施しています。

    体の健康保持増進、心の健康づくり、過重労働対策を中心に、産業医、保健師、当社の安全衛生スタッフが連携し、長時間残業者健康診断、健康診断結果フォロー、また、厚生労働省制定の「労働者の心の健康の保持増進のための指針」に基づいたストレスチェック実施結果から、産業医との面談指導の他、高ストレス者の組織ごとの分析を通じた低減対策、メンタルヘルス教育などの活動を実施しています。また、ニューノーマル下において新しい働き方の選択肢として恒久的、本格的な在宅勤務制度の導入を拡大しており、ストレスチェックで、在宅勤務におけるストレス状況の把握をしております。

    また健康保険組合とのコラボレーション活動として、疾病リスクの低減を目的に、スマートフォンアプリを活用した健康情報の発信、情報通信機器を活用して医療機関への受診ができるオンライン診療の情報展開、特定保健指導および重症化予防活動、メンタルヘルスケアを主目的とした外部機関による24時間電話健康相談およびカウンセリングを実施しています。

    複数の国を跨る大規模な感染症等が発生した場合、グローバル対応として、各国の行政指示内容や当社の全拠点の対応状況の情報収集、出張の制限など従業員の感染防止策の指示、また必要に応じて衛生用品等の物資支援を行います。

 

働きやすい職場環境づくり

ワーク・ライフ・バランス推進

ルネサスは「ワーク・ライフ・バランスを意識した働く環境の整備」を活動方針として掲げ、毎年4~5月を「ワーク・ライフ・バランス推進強化月間」として、長時間労働の削減や、計画的な年次有給休暇の取得に向けた環境整備などの取り組みを実施し、「従業員の心身の健康」に重点を置いた活動を行っています。

「働くときは働く、休む時は休む」といったメリハリのある就業・生活をモットーとし、休暇や余暇を充実させて心身をリフレッシュさせるとともに、仕事の質とより有効な時間の活用を追求した働き方を実現する、「ワーク」と「ライフ」の相乗効果を目指します。

活動方針

  1. 「働くときは働く、休む時は休む」といったメリハリのある就業・生活を目指します。「ワーク」「ライフ」はそれぞれバランスが大切であり、「ライフ」が充実することで、「ワーク」の質も向上します。
  2. 「ワーク」は従来通り、長時間労働の削減や各種休暇の取得促進、労働災害・通勤途上災害の撲滅、メンタルヘルスケア活動に取り組みます。
  3. 「ライフ」は、「従業員の心身の健康」の観点から、従業員が日頃の疲労度合いを認識し、自ら休息の必要性を感じることのできる活動に取り組むとともに、日常生活の充実やリフレッシュにつながる活動を行います。

長時間労働の削減に関する取り組み

ルネサスグループにおける標準的な所定労働時間は1日7時間45分、年間休日は130日(2023年)です。

労働時間に関する法令や36協定 (当社と労働組合の間で時間外労働の上限を取り決めた協定) の遵守と並行して、当社の長時間労働削減方針として時間外労働時間は「原則月45時間以内、最長月80時間までを遵守する」という目標を掲げ、管理職による従業員の就業管理の徹底や、人事による時間外労働時間抑制のためのフォローアップ、カードリーダーによる客観的な労働時間の把握等を実施しています。また、働きやすい職場環境づくりのため、労使が協力して、年次有給休暇取得の促進にも取り組んでいます。

その結果、2023年度の一般組合員一人当たりの月平均時間外労働時間は27.0時間、年次有給休暇の平均取得日数は16.5日となりました。

労働災害の発生状況

ルネサスはグローバルで休業労働災害の発生状況を把握し、情報共有等を行うことで災害発生の予防に取り組んでいます。同災害の発生件数(派遣・請負含む)は、2023年度は8件でした。また、2019年から2023年の間に従業員及び派遣・請負社員の死亡事故は発生しておりません。

2022年12月の時点で2.8%だった派遣社員の割合が、2023年10月現在3.8%まで増加しています。
* 2021年は、USで労働災害認定となったCOVID-19感染者数を除く
 

library_books 地域別の休業労働災害内訳はこちら
 

休業労働災害発生件数(派遣・請負含む) 

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SDGsへの貢献

ルネサスグループの安全衛生に向けた取り組みは、以下のSustainable Development Goalsに貢献しています。

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8-Decent Work and Economic Growth

SDG 8.8 移住労働者、特に女性の移住労働者や不安定な雇用状態にある労働者など、すべての労働者の権利を保護し、安全・安心な労働環境を促進する。