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Takuya Takizawa
滝澤 卓也
主管技師
掲載: 2021年12月22日

概要

自動車業界においてサイバーセキュリティへの関心は急速に高まっています。背景には、CASE(*1)を代表とする自動車業界の変革があります。自動車に初めてソフトウェアが搭載されて以来、ソフトウェアの役割と規模は拡大し続けています。それにともない自動車はソフトウェアの改ざんをはじめとするサイバー攻撃の脅威にさらされています。私たちは、このようなリスクに対応するため、安心安全なブートローダやルネサス製セキュリティハードウェア(HSM)向けファームウェアを効率的に開発しています。

*1) Connected(コネクテッド), Autonomous/Automated(自動化), Shared(共有化), Electric(電動化)

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Digital product focused

背景

CASEの絶え間ない進歩にともない増加/複雑化する車載ソフトウェアに対するサイバー攻撃への対応、本格化する国連やISOによる自動車のサイバーセキュリティルールの整備状況からサイバーセキュリティは自動車業界の要になってきていると考えられます。現在、自動車に対するサイバー攻撃は急増しているだけでなく、高度化してきており、最悪のケースでは人命に関わる事故へつながってしまいます。そのため、車載セキュリティは単なる暗号アルゴリズムの対応では不十分であり、システム全体のコンセプトフェーズからアフターセールスまでの工程を網羅する必要性がでてきています。ルネサスは半導体ベンダであることの利点を生かし、OEM/Tier1と密に連携することで、システム全体を俯瞰したセキュリティソリューションを提供していきます。

具体例

当社で行う車載セキュリティソフトウェア開発はソフトウェアを提供するだけでなく、コンサルティング/メンテナンス業務までを網羅しています。

コンサルティング業務

OEM/Tier1要求を元にしたセキュリティ機能の利用ユースケースを想定する。必要に応じて3rd Partyソフトウェアベンダーとも協調し、ハードウェア/ソフトウェア両面から最適なセキュリティソリューションを構築、提案します。

ソフトウェア開発

コンサルティング業務、メンテナンス業務により必要となるソフトウェアを開発する。ISO21434だけでなく、ISO26262に適用した高品質なソフトウェアを開発します。

メンテナンス業務

提供したサービスについても定期メンテナンスを行う。日々更新される脆弱性情報をモニタリングし、既製品の改善および次世代製品へのフィードバックを行い、お客様の開発日程に即したメンテナンス対応を行います。

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Mapping security solution activities to the 'V' cycle

まとめ

私たちは、セキュリティの専門家としてOEM/Tier1が想定するユースケースを満たすセキュリティソリューションを提供するチームを目指しています。セキュリティソフトウェア戦略は、市場ニーズ、自動車業界に関する基準化や規格化、お客様のアプリケーションに強く依存します。私たちのセキュリティソフトウェア戦略は、コスト競争力やお客様にとっての「Easy to Use」「Easy to Understand」を達成することでルネサスのコアコンピテンシーの一つとなることを目標としています。

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