Renesasは、VME用インターコネクトの市場を牽引するリーダー企業です。これまで20年以上にわたり、組込システム向けにVME用ブリッジのソリューションと技術サポートを提供してきました。Universe™ IIは、VME用ブリッジインターコネクトの市場で非常に大きなシェアを獲得しています。Renesas社の製品を使用することにより、軍事、通信、産業用オートメーション、医用イメージングの分野において、VMEをベースとする従来のアプリケーションの性能を向上することが可能になります。

RenesasのVME‐PCIブリッジ製品であるUniverse IIは、バックプレーンのVMEバスとローカルのPCIバスとの間を直接接続する高性能のインタフェースを提供します。VME用ブリッジは、VMEバスシステムにおいてマスター/スレーブとして機能するプロセッサや周辺I/Oボードに最適です。Universe IIは、80メガバイト/秒のデータ伝送速度を可能にするVME64とVME64拡張の両規格に対応します。またローカルバスでは、33MHz/64ビットのPCIバスをサポートします。3つの独立したデータパス(PCIからVMEバス、VMEバスからPCI、DMA)を備えており、VMEバスシステムにおける効果的で高性能なデータ伝送を実現します。このようなアーキテクチャによって、VMEバスの性能を最適化するためのシステムレベルソフトウェアの実装方法を決定する際の柔軟性が高まります。加えて各製品は、VMEバスシステムに対する完全な制御機能を備えています。そのため、シングルボードコンピュータをVMEシステムの任意のスロットで使用することが可能です。

Universe™ IID――VME‐PCI用ブリッジ(VME用ブリッジ)

Universe™ IID(Universe IIとしても知られています)は“業界標準”と呼べるほど広く使用されているVME‐PCI用ブリッジです。ブリッジ処理は、インバウンド/アウトバウンド/DMAトラフィックのための独立したFIFOを備えた強力なデカップリングアーキテクチャによって行われます。このアーキテクチャでは、いずれのバスの帯域幅も浪費することはなく、スループットが最大化されます。Universe IIは、64ビットのVMEバス(VME64)と、32/64ビットのPCIバスとの間を33MHzでブリッジします。

Universe IIは、マルチビートのトランザクションとバスパーキングに対応し、ゼロウェイトステートで実装されています。そのため、PCIバス上でボトルネックになることはありません。また、豊富な機能を搭載しているので、さまざまなアプリケーションのVME64インタフェースで活用できます。Universe IIには、BLT/MBLTのサポートを含め、アドレッシングモード、データモードの完全な機能が実装されています。さらに、完全な機能を備えるシステムコントローラ、インタラプタ、割り込みハンドラ、連結リストDMAを内蔵することから、非常に柔軟性の高いシステムインターコネクトデバイスとなっています。

Universe IIは、規格に準拠しているだけでなく、互換性と信頼性に優れる製品です。また、多くのデバイスドライバが提供されており、供給も安定していることから、市場で高い評価を得ています。そのほかの多くの理由からも、VMEバスに接続するための手段として業界で広く推奨される製品となっています。

VME/VME64について

VME(VME64を含む)は、コンピュータバスの規格の1つです。もともとはMotorola社の68000シリーズのCPU用に開発されたものですが、その後、多くのアプリケーションで使用され、IEC(国際電気標準会議)によってANSI/IEEE 1014-1987として標準化されました。物理的にはEurocardのサイズ、機構、コネクタ(DIN 41612)をベースにしていますが、信号方式については独自の方式を採用しています。当初の規格は、既存のEurocard DINコネクタと互換性のある16ビットのバスとして定義されていましたが、その後、さらに広いバス幅に対応できるように拡張が続いています。現在のVME64では、6Uカードの64ビットバス規格と、3Uカードの32ビットバス規格が定義されています。

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