掲載: 2023年2月27日

欧州でのErP指令や昨今のエネルギー事情などで、待機電力の削減など省エネに対する関心や取り組みが製品価値の一つとして注目され始めています。
当然ながら製品に組み込まれ消費電力の多くを占めるマイコンに対しては、特に低消費電力対応の要求も高く、現在も低消費電力モードを使用することで対応をされているお客様も多いと思います。
ただ、想定したほど消費電流が下がらず、その原因も分からずに苦慮した経験をお持ちではないでしょうか?

皆さんがご使用になっているマイコンには、ハードウェアによる低消費電力機能がサポートされているものが多いと思います。RXマイコンでは、用途や仕様に合わせて表1のような様々な低消費電力モードがサポートされています。

表1 各低消費電力モードと動作状態
低消費電力モード 発振器 周辺モジュール RAM 電力削減率 復帰時間
スリープ 動作可能 動作可能 動作可能(保持)
画像
Vertical arrow
画像
Vertical arrow
ディープスリープ 動作可能 動作可能 停止(保持)
全モジュールストップ 動作可能 停止(保持) 停止(保持)
ソフトウェアスタンバイ 停止 停止(保持) 停止(保持)
ディープソフトウェアスタンバイ 停止 停止(不定) 停止(不定)
スヌーズ(注1) 動作可能 動作可能 動作可能(保持) ソフトウェアスタンバイ相当

注1 スヌーズモードは、ソフトウェアスタンバイ時に、一時的に周辺機能の動作が再開する状態です。これにより、低消費電力状態を維持しつつ周辺機能の間欠動作が可能になります。

例えばソフトウェアスタンバイモードでは、サブクロック以外の発振器や多くの周辺モジュールが停止するため、消費電力は著しく低減されます。反面、動作可能な周辺モジュールが限られるため、復帰に使用できる割り込み要因が限られ、スリープモードに比べて復帰時間も遅くなります。そのためシステムニーズに応じて、低消費電力モードを使い分ける必要があります。

また、低消費電力にするためにはハードウェアの機能を活用するだけでなく、ソフトウェアについても考慮する必要があります。低消費電力モードに入る前に不要な周辺機能を停止する、クロック周波数を下げるなどの設定をし、プルアップ端子はH出力に設定するなど、各端子をどのような状態に設定すれば消費電力を下げられるかを考慮する必要があります。
アプリケーションノートでは、これらの点から消費電流が下がらない要因について想定し、注意すべきポイントやノウハウについて説明します。

さらに、表2の動作確認デバイスについて、各低消費電力モードでの消費電流がすぐに確認できるサンプルプログラムを提供します。お持ちのRenesas Starter Kitに実装されたマイコンにサンプルプログラムをダウンロードして実行することで低消費電力モードに移行し、消費電流を確認することができます。Renesas Starter Kit以外の基板や動作確認デバイス以外のマイコンでは、本アプリケーションノートを参照いただければ低消費電力を実現することが可能になります。

表2 各デバイスがサポートしているモード
モード 動作確認デバイス(○:対応、-:非対応)
RX130 グループ RX140 グループ RX231 グループ RX65N グループ
スリープ
ディープスリープ
全モジュールクロックストップ
ソフトウェアスタンバイ
ディープソフトウェアスタンバイ
スヌーズ

また表3のとおり、低消費電力モードからの解除では、外部端子割込み以外にリアルタイムクロックのアラーム割り込みを用いた手法も実現し、より実践的な使用方法の例となっています。

表 3 使用する周辺機能と用途
周辺機能 用途
消費電力低減機能 消費電力の低減
外部端子割り込み(以下、IRQ) 低消費電力モードへの移行、低消費電力モードの解除
Rリアルタイムクロック(以下、RTC) RTC使用時の電流値測定(注1)、アラーム割り込みによる低消費電力モードの解除(注2)
I/Oポート SW、LED制御

N注1 RTCを使用したソフトウェアスタンバイモードの場合のみ使用します。
注2 RTCを使用したディープソフトウェアスタンバイモードの場合のみ使用します。

ご使用のRXマイコンで低消費電力モードを簡単に実現し、お客様のシステム構築にご活用いただきますよう、ぜひ本アプリケーションノートをご参照ください。

ご参考:

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