R3™テクノロジー

ロバストリップルレギュレータ

ルネサスR3テクノロジーは、固定周波数PWMとヒステリシスPWMのすぐれた特徴を組み合わせつつ、それらの欠点の多くを解決しています。

特許取得済みであるルネサスR3変調テクノロジーは、可聴ノイズフリー動作、クラス最高の軽負荷効率、高速動的応答を提供し、バッテリ寿命を延ばします。

ルネサスR3テクノロジーは、過渡入力電圧および出力負荷に応じてPWMスイッチング周波数とPWMデューティサイクルに同時に影響を与えます。「ロバストリップルレギュレータ」の「リップル」という言葉は、コンバータ出力リップル電圧ではなく、コンバータ出力インダクタリップル電流を意味しています。R3モジュレータは、出力インダクタリップル電流の理想的な表現として、AC信号VRを合成します。

Renesas patented R3 technology

R3モジュレータ回路の動作

動作原理(定常状態)

Operation Principles in Steady State

VWとCOMPの間には、固定の電圧ウィンドウがあります。以下の説明では、この電圧ウィンドウをVWウィンドウと呼びます。モジュレータは、PWMオンタイム時はgm(VIN - VO)と等しい電流源によりリップルコンデンサCRを充電し、PWMオフタイム時はgmVOと等しい電流源によりリップルコンデンサCRを放電します。ここで、gmはゲイン係数です。したがって、CR電圧VCRは、インダクタ電流波形をエミュレートします。モジュレータは、VCRがVWに達するとPWMパルスをオフにし、COMPに達するとPWMパルスをオンにします。

R3モジュレータ回路の動作原理(動的応答時)

R3 modulator circuit operation principles during dynamic response

動的応答時には、COMP電圧が増大し、PWMパルスを一時的に早期かつ頻繁にオンにします。これにより、同じ定常状態スイッチング周波数において、従来の固定周波数PWMモジュレータよりも広い制御ループ帯域幅が可能になります。


ダイオードエミュレーション(DE)モード

Diode Emulation Mode

R3モジュレータは、ダイオードエミュレーション(DE)モードで動作して軽負荷効率を高めることができます。DEモードでは、電流がソースからドレインに流れているとき、ローサイドMOSFETが通電し、逆電流を禁止することで、ダイオードをエミュレートします。

LGATEがオンになると、ローサイドMOSFETが電流を通し、オン抵抗を介した電圧降下により、フェーズノード上で負電圧を発生します。ICは、フェーズノード電圧を監視することで電流監視を実現します。フェーズノード電圧がゼロに達すると、LGATEをオフにすることで、インダクタ電流が逆方向になり不要な電力損失が生じることを防止します。

負荷電流が十分に低い場合は、次のフェーズノードパルスの前にインダクタ電流がゼロに達してとどまり、レギュレータが不連続伝導モード(DCM)になります。負荷電流が十分に高い場合は、インダクタ電流がゼロにならず、コントローラがDEモードでもレギュレータはCCMになります。

この例では、負荷は3つのケースで上から下に徐々に減少しています。PWMオンタイムはVWウィンドウサイズで決定されるため同じになり、インダクタ電流三角波は3つのケースで同じになります。

R3モジュレータはリップルコンデンサ電圧VCRをDEモードで制限して、インダクタ電流に近似させます。COMP電圧がVCRに達するにはさらに時間がかかるため、スイッチ周期が自然に長くなります。インダクタ電流三角波の間隔はさらに広がり、インダクタ電流平均値は負荷電流と等しくなります。スイッチング周波数の低下は、軽負荷効率を高めることに役立ちます。

modulator clamps

Operation Principle in Diode Emulation Mode at Light Load

併せてご覧ください。: R4™ Control Loop | R5™ Modulation Technology