車両軽量化に貢献する車載リレー置き換え用低オン抵抗インテリジェント・パワー・デバイスを発売

~モータ、ヒータ等各種大電流用途への採用拡大を目指す~

2016年03月14日

ルネサス エレクトロニクス株式会社

 

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 ルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役社長兼CEO:鶴丸 哲哉、以下ルネサス)はこのたび、車載制御ユニット(Electronic Control Unit: 以下ECU)内に流れる電気のオン・オフを担うメカニカル・リレーからの置き換えが可能なインテリジェント・パワー・デバイス(Intelligent Power Device、以下IPD)6品種を製品化し、「RAJ280002」等の名称で本日よりサンプル出荷を開始いたします。

 

 IPDとは、スイッチング素子のパワーMOSFET(金属酸化膜半導体電界効果型トランジスタ)に加え、各種保護機能および自己診断出力機能を実現する制御回路をひとつのパッケージに内蔵したパワー半導体です。

 新製品は、(1) オン抵抗1.6mΩ(RAJ280002のTch = 25℃における Typ値)の低オン抵抗を実現したことによりモータやヒータ等の大電流アプリケーション向けメカニカル・リレーの置き換えが可能、(2) 電源電圧3.2Vという低電圧動作の実現により一時的に電圧が低下するクランキングに対応、(3) 特にRAJ280002はアクティブクランプ耐量(EAS)1700mJという優れた破壊耐量の実現、といった特長を有するため、当社従来のライティング制御以外への採用が可能となります。

 新製品の採用によりユーザは、従来のライティング制御をはじめとする小・中電流アプリケーションだけでなくモータやヒータ用途といったECUについても半導体化を推進できるため、小型・軽量・低消費電力かつメカニカル・リレーと異なり接点摩耗が無く、各種自己保護機能により高い信頼性を持つシステム構築が可能です。

 新製品の量産は、2017年1月より開始し、2018年1月には合計で月産85万個を計画しています。サンプル価格は製品により異なりますが、RAJ280002は400円/個(税別)となっております。

 従来、多くのECUには、回路を駆動するスイッチとして普及車1台あたり100個程度のメカニカル・リレーが採用されておりましたが、スイッチの高速化やECUの小型化・軽量化・低消費電力化を図れることから、ライティング制御をはじめとする用途において半導体スイッチへの移行が進んできました。

 そして近年、日本をはじめ各国の環境規制の厳格化による燃費改善への取り組みのいっそうの加速に伴い、車両軽量化、ECUの小型化/軽量化/低消費電力化が必要となっています。ところが、メカニカル・リレーの多くが収められ車両の電源分配を担っているジャンクションボックス等と呼ばれるリレーボックスは、メカニカル・リレーのメンテナンスの都合から配置場所が制限されているため、ワイヤーハーネスの引き回しが発生し車両軽量化が困難とされています。このような背景から現在、リレーボックスを自己保護機能付き半導体スイッチで構成することで、リレーボックスの配置制約の開放およびワイヤーハーネス引き回しの自由度を向上したいというニーズが高まりつつあります。しかしながら、リレーボックスの半導体化に向けては従来の半導体スイッチでは大電流対応が難しいという課題があります。

 当社は長年、ECUの小型・軽量化、高性能化、低消費電力化に貢献する車載ボディ用IPDを量産してまいりました。そしてこのたび、こうしたニーズに対応するため長年培った経験とノウハウを活かし低オン抵抗、高破壊耐量により大電流アプリケーションの負荷や用途に対応可能な新製品を開発しました。

 

 新製品の特長の詳細は以下のとおりです。

 

(1)低オン抵抗による損失低減で大電流アプリケーション用途拡大

 従来、大電流アプリケーション用途のスイッチは、メカニカル・リレーもしくは半導体スイッチを複数個パラレル接続し構成されていたが、新製品はルネサスが有する低損失技術およびセルサイズ2μmの新プロセス採用によってオン抵抗1.6mΩ(RAJ280002のTch = 25℃における Typ値)を実現。これにより大電流アプリケーション用途にも採用可能になる。また、新製品ひとつでメカニカル・リレーを置き換えることができるため実装面積低減、ECUの小型・軽量化に貢献。

 

(2)低電源電圧でのオン抵抗の特性保証によりクランキング対応を実現

 当社従来品「μPD166033」では低電源電圧時、誤動作防止用保護機能として4.5Vでオフ状態に遷移していたが、新製品ではこれまで蓄積してきたノウハウを基に、バッテリから得られる電圧が一時的に低下するクランキングへの対応を実現している。電源電圧3.2V時のオン抵抗を特性保証することによりアイドルストップ時等、クランキング動作が懸念されるアプリケーションにも活用可能。

 

(3)優れた破壊耐量によりECUの小型化、コスト低減に貢献

 モータやソレノイドなどのインダクタンス負荷(L負荷)を使用するアプリケーションでは、デバイスがオン状態からオフ状態へ遷移する際にL負荷に蓄えられたエネルギーによる逆起電力でデバイスが破損する可能性がある。なかでもRAJ280002は、このエネルギーへの耐量(アクティブクランプ耐量(EAS))を当社従来品の260mJから大幅に改善し1700mJを実現。これにより大電流アプリケーションへの用途拡大が可能となる。アプリケーションによっては外部保護素子のフライホイール(回生)ダイオードの削減が可能なためECUの小型化、システムコスト低減に貢献。

 

 ルネサスは、新製品を環境保全や安全性への意識の高まりに応え、燃費の向上に向けた車両の軽量化といった環境に優しく、かつ安全な自動車の開発に貢献できる製品と位置づけ、今後、さらに幅広い用途に対応する製品の開発を推進してまいります。

 

新製品の主な仕様は 別紙(123KB)をご参照ください。

 

インテリジェント・パワー・デバイスの製品情報は、https://www.renesas.com/ja/products/automotive/intelligent-power-devices/high-side-driver-low-side-driver.html をご覧ください。

 

以 上

 

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