業界最高レベルの高出力と低歪性能を実現する、1GHz帯CATV向けGaNパワーアンプモジュールの発売について

~CATV伝送システムの低コスト化や省電力化に貢献~

2011年06月27日

ルネサス エレクトロニクス株式会社

 

 ルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役社長:赤尾 泰、以下ルネサス)はこのたび、CATVシステムの幹線増幅器(トランクアンプ)などに使用されるパワーアンプ用に、業界最高レベルの高出力、かつ低歪性能を実現した1GHz(ギガヘルツ)帯CATV用GaN(窒化ガリウム)パワーアンプモジュール「MC-7802」を製品化し、本日よりサンプル出荷を開始します。

 

 本製品は、当社が従来パワーアンプモジュールで採用していた半導体材料(ガリウム砒素)と比べ高周波、高出力動作が可能なGaNを用いた電界効果トランジスタ(GaN FET)を新規開発し、搭載したものです。CATV用パワーアンプ向けにGaN FETと使用部品などの整合回路を最適化することにより高周波での電力損失を抑え、当社従来品と同等の消費電流・歪性能を保持しながら、約2倍の出力を実現しました。このため、CATV伝送装置メーカーは、システムの消費電流を増やさずに出力を約2倍まで高めることが可能であり、CATVのネットワーク全体で消費する電力を増加させずにエリアを拡大することが可能になります。

 なお、新開発のGaN FETは、これまで広く使用されている炭化シリコン基板ではなく、シリコン基板上に作り込んでおり、今後の大口径化が容易です。
 新製品のサンプル価格は3,500円/個、2011年8月から月産1万個の量産を開始し、既存のCATV向けパワーアンプモジュールとあわせて月産20万個の量産を行う計画です。また、GaN FETをキーデバイスとして、今後CATV用パワーアンプモジュールの製品ファミリを順次開発・リリースする計画です。

 CATV向けパワーアンプモジュールは主として、CATVシステムの幹線増幅器やHFC(Hybrid Fiber Coaxial)システムのONU(Optical Node Unit)、マンションなどに設置される共同受信用ブースターの電力増幅最終ステージに用いられ、ネットワークの伝送損失により減衰した多チャンネル信号を増幅する半導体製品です。地上波デジタルTV、CATV、インターネットなど多チャンネル信号を増幅するため、直線性(歪性能)が良いほど安定した通信や高品質な映像を得ることができ、高出力であればシステム設計に柔軟性を持たせることが可能で、伝送距離を延ばし、分岐数を増大させることでネットワークの拡大ができるため、システムのコストダウンが図れます。
 近年、CATVシステムでは従来の映像配信にとどまらず、デジタル化に伴って、インターネット、IP電話などの複合サービスにより多チャンネル化が進んでおり、1GHz帯域のシステム利用が拡大すると期待されます。しかし、1GHz帯域のCATVシステムは従来システム(770MHz帯、870MHz帯など地域により異なる)より多チャンネル信号伝送が実現できる半面、チャンネル数の増加により出力電力と歪成分が増加します。加えて伝送コスト低減のための伝送距離の長大化と分岐数の増加という課題があるため、増幅器に対しては高周波半導体の高出力・低歪化、そして省エネルギーへのニーズが高まっています。
 新製品は、このような市場ニーズに応え、低消費電力で出力の直線性と歪特性を改善するために開発されたものです。

 新製品の主な特長は次の通りです。

(1)業界最高レベルの高出力特性を低消費電流で実現

高周波、高出力動作可能なGaN FETを適用。更に増幅回路構成と使用部品などの整合回路を最適化、及び回路損失を最小化。これにより、高出力時の直線性を改善し、当社従来製品より消費電力を増やさずに出力を2倍に高めた業界最高レベルの高効率・高出力特性を実現。

 

(2)大口径化可能なシリコン基板上へのGaN FET形成

採用したGaN FETは従来手法とは異なりシリコン基板上に形成。これにより、高価な炭化シリコン基板を使用する必要なく、大口径化が容易になるため、高い価格競争力を実現。

 

 当社は新製品をCATV用パワーアンプのシェア拡大の戦略商品と位置づけ、日本、北米、欧州、中国地域に向け積極的な拡販活動を進める計画です。更に本新製品の市場投入を契機に、今後は利得バリエーションを拡充する製品ファミリを継続的に開発、製品化する計画です。また高周波製品向けとして、GaN FETを使用した製品開発を推進し、GaN FET製品の拡充を図っていく計画です。
 新製品の仕様は別紙をご参照下さい。

 

以 上

 

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