オープンソース開発ツール:KPIT Technologies

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世界のルネサスユーザに、オープンソース開発ツールの選択を提供する

KPIT

オープンソースな開発ツールをルネサスユーザに提供するKPIT Technologies (ケーピーアイティ・テクノロジーズ)社。ユーザの開発効率を最大限に高めるという開発ツールについて、また、同社の戦略をPrashant Deshpande氏(Associate Vice President and Practice Director : Infotainment & Clusters)に聞いた。

Prashant Deshpande

革新的でインテリジェントな製品開発を支援する

— 御社の概要についてお話しください。

Deshpande氏: KPITは、自動車と運輸、製造、エネルギーなどの事業に対して、エンジニアリングソリューションとITコンサルティングサービスを提供しており、高い技術力と緊密なリレーションにより、顧客のビジネスプロセスを刷新します。製品開発とバリューチェーン全体にわたる効率を最適化するために、グローバルな事業体制とスケーラブルなインフラを保有しており、自動車産業分野では、世界の125を超えるOEMおよびティア1サプライヤと連携しています。

KPITは1990年に設立し、インドのプネ(Pune)に本社、そしてアメリカ、ヨーロッパ、アジアに34の事務所と11の開発センターを有しています。2014年度の収益は4億4400万米ドル(約450億円)で、著名なアナリストやコンサルティング会社から、「最も早く成長している企業」の一つと称されています。

— 主力製品についておうかがいしましょう。

Deshpande氏: ルネサスおよびArmアーキテクチャー用の「GNUコンパイラコレクション(GCC)」(*1)をベースとした組み込みソフトウェア開発ツール「KPIT GNUツール」、ルネサスの主要な自動車向けマイコンをサポートするAUTOSARスイート「K-SAR」、車載インフォテイメントプラットフォームの「KIVI」、乗用車および小型商用車用のプラグインハイブリッドカー向けのユニークな技術ソリューション「REVOLO」、都市でのより良い公共交通を生み出すためのバス搭載高度道路交通システムなどが、主な製品です。自動車のエコシステムには、革新的な価値をもたらすと自負しています。

また、研究開発にも大きく注力しており、ハイブリッド技術、自動車、組み込みと先端半導体技術、高性能コンピューティングなどの分野で、この5年弱で、50を超える特許申請を行いました。

ツールの最適化が、ユーザの開発効率を最大限に高める

— ルネサスマイコンをサポートしている、御社の開発ツールについて詳しくお話し下さい。

Deshpande氏: 「KPIT GNUツール」を世界中で提供しています。WindowsおよびLinuxプラットフォームに準拠している組み込みC/C++コンパイラとデバッカ、シミュレータなどがあり、「RZ」や「RX」、「RL78」、「SuperH」、「H8」、のようなルネサスのマイコンをサポートしています。

これらの開発ツールは、ルネサスのマイコンに向けて高度にカスタマイズされており、ルネサスの統合開発環境とシームレスに機能するようにパッケージ化されています。ユーザは「out-of-box(箱から出してそのまますぐに使う)」のイメージで、わずか数分の準備の後に、コード開発を始められるほど導入が簡単です。

すでに、プロのエンジニアからホビーユーザ、学生に至るまで、実に35,000人を超える登録ユーザを有しており、ユーザーコミュニティは、年々、急速に成長しています。多くのユーザの皆様からは、テクニカルサポートに高い評価の声をいただいています。他の開発ツールからの移行のサポートも万全です。

ぜひ、こちらを訪問して、さらなる情報をご覧ください。 http://www.japan.kpit.com/

図1: 「KPIT GNUツール」はルネサスマイコンを広くサポートしている

図1: 「KPIT GNUツール」はルネサスマイコンを広くサポートしている

— 「KPIT GNUツール」はオープンソースとのことですが、なぜでしょう?無料で使用する場合は、機能や時間の制限があるのでは。

Deshpande氏: 「KPIT GNUツール」は、フリーソフトウェア財団がサポートする「GNUプロジェクト」(*2)に基づいています。つまり、「GNUプロジェクト」から生まれた無料のプログラミングツールを、ルネサスのマイコンに合わせてカスタマイズし、ユーザが使いやすいようにパッケージ化しているのです。そのため、これらの開発ツールは無料で提供され、ユーザは開発ニーズに合わせて選択が可能です。コードサイズや使用期間などに制限はなく、フリーソフトウェアライセンス「GNU GPL」(*3)に基づいて無料で利用可能です。商業用アプリケーションの開発にも、ロイヤリティなしで利用できます。

WindowsやLinuxのインストーラを活用し、ビルドスクリプトと一緒に完全なソースコードを提供しますので、導入はとても簡単です。しかも、KPITの高い技術力、そしてルネサスさんの協力により、これらの開発ツールは常にアップデートされています。

図2:ユーザのニーズに合わせたさまざまな「GNUツール」が提供されている。

図2:ユーザのニーズに合わせたさまざまな「GNUツール」が提供されている。

— コンパイラの最適化についておうかがいしましょう。どのような効果があるのでしょうか。

Deshpande氏: 汎用の「GNUコンパイラコレクション(GCC)」では、コードサイズと実行速度を最適する方法を提供しています。これらはすべて、ルネサスのマイコンをターゲットとしています。非常に効率的な方法で、ターゲットアーキテクチャーを完全に活用できるように開発ツールを強化していますので、コードスペースを節約し、実行速度を改善し、ユーザはターゲットマイコンの性能を十分に活用することができます。

— 最適化について、ルネサスからの技術サポートはありますか。

Deshpande氏: もちろんです。ルネサスさんはオープンソースコミュニティに対しての理解が深く、長年にわたる貢献者です。特に、最新の「RX」と「RL78」マイコンのサポートに関して、大いに協力していただいており、さらなる最適化が計画されています。今後も、これらの開発ツールの品質を継続的に改善するために、ルネサスさんとは緊密に協力していくつもりです。

ルネサスの開発ツール戦略の価値向上を図る

— ルネサスとの業務関係についてご説明ください。

Deshpande氏: KPITは15年以上、ルネサスさんとはプラチナパートナーの関係であり、業界をリードする半導体製品とソリューションを提供するというルネサスさんの目標にも貢献しています。ルネサスさんとKPITは「GNUコンパイラコレクション(GCC)」を積極的に支援しており、コミュニティと協力して、高品質の開発ツールを世界中のユーザに届けています。

— 今後の戦略についてお聞かせください。

Deshpande氏: ルネサスさんも同様でしょうが、オープンソースコミュニティに積極的な貢献を続けていきます。オープンソースツールの重要性と、それらが事業にもたらす付加価値を十分理解していますので、ルネサスさんの開発ツール戦略にも、引き続き参加し、より一層の貢献を続けます。

— 興味深いお話をありがとうございました。

(*1)GNUコンパイラコレクション:GNU Compiler Collection(GCC)、GNUプロジェクト(*2)ツールチェーンの一部、コンパイラ群

(*2)GNUプロジェクト:フリーソフトウェア財団(Free Software Foundation, Inc.)による、UNIX互換のソフトウェア環境をすべてフリーソフトウェアで実装することを目標としたプロジェクト

(*3)GNU GPL:GNU General Public License、GNUプロジェクトのために作成されたフリーソフトウェアライセンス

KPIT  
設立 : 1990年
本社 : Pune, India
事業範囲 : 自動車、製造業(産業・医療機器)、エネルギーおよび公共事業に関する技術貸与
プロダクトエンジニアリングおよびコンサルティング
オフィス : 世界16ヶ国以上に営業拠点
URL : http://www.japan.kpit.com/