持続可能な社会に貢献する製品・ソリューション

ルネサスは世界をリードする半導体企業として、最先端のテクノロジーを使ったサステナブルな製品やソリューションが人々の暮らしを楽(ラク)にし、より良い世界を創造する未来を築きたいと考えています。

高速で大容量な通信の普及・拡大により、身の回りのモノ全てがインテリジェントになり、相互につながる世界では、モノそれぞれに高い演算性能が求められます。このような技術革新が進む世界において、環境に優しい持続可能な社会を実現するには、当社が提供する製品やソリューションはもとより、その製品が搭載されたお客様のシステムにおいてエネルギー効率が高いこと、また、安心・安全であることが必要不可欠となります。当社は、持続可能な社会に貢献するため「低消費電力製品・ソリューション」と「安心で安全な製品・ソリューション」を提供し、推進して参ります。


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低消費電力製品・ソリューションの提供

低消費電力製品・ソリューションの提供

自動車、産業、インフラ、IoTといった様々な分野で、Connected、Autonomous、Shared&Services、Electric(CASE)やDigital transformation(DX)の動きが加速する中、ルネサスの低消費電力の組込みプロセッサは高いエネルギー効率の実現に貢献しています。また、当社の組み込みプロセッサと、アナログ・パワー半導体を組み合わせたソリューションは、お客様のシステムのエネルギー効率や信頼性の向上、開発コストの削減をサポートします。
ルネサスは、エネルギー効率と堅固な安全性やセキュリティをさらに高めることで、当社の製品とお客様のシステムがサステナブルになると考えています。当社では、図に示す7つの領域に注力してソリューション・製品・技術開発を進め、環境負荷の軽減を推進して参ります。詳細は、グリーンボンド・フレームワークを通じご参照頂けます。
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サステナブルに向けた注力領域と関連製品

お客様のシステムの省エネルギーに貢献

ルネサスは、私たちの製品そのものの消費電力を非常に小さくしつつ、私たちのソリューションによりお客様のシステムを更に効率化することで、システム全体の省エネルギー化に貢献しています。

エネルギー効率の向上を進め、xEVの進化を加速

地球温暖化対策のため厳しさを増す各国のCO2排出規制に伴い、CO2排出量を削減できるxEVは環境に優しく、安全で暮らしやすい持続可能な社会の実現に貢献するとして、普及拡大が急がれています。当社はxEVの進化を加速する様々な高エネルギー効率のソリューションや評価キットを提供しています。

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EV充電スタンド/車両クラスタ制御向けソリューション
車載用製品と非車載用製品を組み合わせ、電気自動車(EV)の充電システムや車両のクラスタ制御システム、トラクションモータ用の低電圧インバータ機能などに向けて、新しいウィニング・コンビネーションをラインアップしました。ルネサス製品を最適に組み合わせ、あらかじめエンジニアによる設計検証を行うことにより、ユーザの設計のリスクを低減し、市場投入までの時間を短縮し、xEVの普及に貢献します。

データセンターの帯域幅増加とエネルギー効率の向上

デジタル化が進み、データ量が増え続けていることから、データセンターの果たす役割はより大きいものとなっています。また、大量のデータ・ストレージを必要とする大規模な顧客や企業もデータセンターの需要拡大の大きな一因となっています。当社は新世代の省電力データセンターへの移行につながる主要なソリューションを提供しており、エネルギー消費量の軽減を促し、サステナブルな環境の促進に貢献しています。

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DDR5メモリモジュール用IC
サーバ用およびクライアント用のDDR5メモリモジュールに向けて、第3世代のレジスタードクロックドライバ(RCD)ICと、第1世代のクライアントクロックドライバ(CKD)ICを発表しました。これらの新製品により、ルネサスはメモリモジュールのほか、マザーボードや組み込みアプリケーション向けのDDR5メモリインタフェースのポートフォリオをさらに拡充し、新世代データセンターのエネルギー効率向上に貢献しています。

通信を高速化し、エネルギー効率の向上に貢献する5G向けソリューション

次世代の5G無線ネットワークは、現在主流の4Gネットワークと比較すると、通信を高速化し、一度により多くのデバイスを接続することが可能となる一方で、これに伴う総電力消費の増加が懸念されています。当社はエネルギー効率の高い基地局ソリューションを提供することで、転送データ当たりのCO2排出量を削減することに貢献していきます。

基地局用アンテナのフロントエンドに関するウィニング・コンビネーションはこちらをご覧ください。

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ビームフォーミングIC
ルネサスのフェーズドアレイ用アクティブビームフォーマICは、5G、Satcom、レーダ用途のコスト効率に優れた次世代システムソリューションを実現します。各ビームフォーマICには独立して制御できる複数のアクティブチャネルが含まれており、電子スキャンアレイアンテナ(ESA)での基本的なビームパターン操作が可能です。平面BGAパッケージではコンパクトなICを使用できるため、スペースを取らないスモールフォームファクタのフェーズドアレイアンテナが実現します(エレメントスペースλ/2)。製品バリエーションは送信専用(Tx)、受信専用(Rx)、または送受信(T/R)から選択できるため、5G mmWave、Satcom、レーダで一般的に利用される周波数帯域がすべてカバーされます。

エネルギー効率の向上と小型化に貢献する再生可能エネルギー向けソリューション

再生可能エネルギーは、化石燃料と異なり、発電時に温室効果ガスである CO2 を排出しないため、化石燃料代替による温室効果ガス削減に大きく貢献します。風力発電や太陽光発電は、発電効率を極限まで高めつつ、その導入コストとメンテナンスコストを低く抑えることが求められており、当社製品はこのニーズに応えることで、再生可能エネルギーの普及に貢献しています。
ルネサスの再生可能エネルギーの詳細はこちらをご覧ください。

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IGBT
ルネサスのディスクリートおよびパワーデバイスポートフォリオには、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)、パワーダイオード、パワーMOSFET、トライアック、サイリスタ、バイポーラパワートランジスタなどがあります。 システムの高性能化、小型・軽量化をサポートする製品ラインナップです。この中で、例えばルネサスのIGBTは、薄ウェハ技術により、低飽和・電圧特性と高速スイッチングの特性の両立を可能とし、インバータ用IGBT、PFC用IGBT、IH用IGBTなど、様々なアプリケーションに適した製品シリーズを揃え、あらゆる電力損失の低減に貢献しています。

ビルオートメーションの空気質管理ソリューション

IEAによれば、ビルなどの建築物に関連するCO2排出量は、世界の全CO2排出量の約30%を占め、2019年の建築物に関連したエネルギー効率に関する投資は1500億ドル以上に上ります。当社のソリューションにより、高性能なCO2検知とこれに応じた細かな空調制御が可能となり、電力消費の削減が可能となります。
空気質管理ソリューションに関するブログ記事はこちら(英語)をご覧ください。

ファクトリー・オートメーションのエネルギー効率化に向けた製品・ソリューション

産業分野でもデジタル化とスマート化が進み、ファクトリー・オートメーション向けのエンド・ポイント・コンピューティングの需要も着々と増えています。当社製品とソリューションにより、工場内に備わるあらゆる機器・設備をネットワークでつなぎ、情報を相互にやり取りしながら最適な生産を実現していくことで、エネルギー効率化を推進していきます。
エネルギー管理やインフラ整備に必要な、モニタリング/メータリングの詳細はこちらをご覧ください。

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RZ/T2L
ルネサスは、このたび、高速、高精度なリアルタイム制御が可能かつ、産業イーサネット通信のEtherCATに対応する産業用MPU(マイクロプロセッサユニット)「RZ/T2L」を発売、量産を開始しました。RZ/T2Lは、上位製品であるRZ/T2Mのハードウェアアーキテクチャを継承しつつ、成長著しいEtherCAT通信に重点を置きました。これにより、ACサーボモータなどに要求される高速処理や高いリアルタイム性を実現しながら、RZ/T2Mに比べ最大50%の小型化を図りました。RZ/T2Lは、従来のファクトリオートメーション(FA)分野だけでなく、EtherCATの活用が進む医療機器やビルディングオートメーション(BA)など幅広い分野のリアルタイム制御に最適です。

グリーンデバイス・スーパーグリーンデバイス

ルネサスの環境活動の柱の一つに「エコプロダクト活動」があります。これは、製品の開発、調達、製造、使用、廃棄といった製品のライフサイクル全ステージにおいて環境に配慮した半導体、すなわちエコプロダクトを創出する活動です。
エコプロダクトを創出するために、製品の安全性や省エネなど8項目において環境負荷を評価、指標化し、当社の従来製品と比較します。この製品環境アセスメントの結果、環境性能が当社従来品との比較で優秀であると認定した開発品をルネサス グリーンデバイス、さらに優秀である製品をスーパーグリーンデバイスとして登録し、社内外にお知らせしています。
ルネサスのエコプロダクト活動とグリーンデバイス・スーパーグリーンデバイスの詳細はこちらをご覧ください。


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安心で安全な製品・ソリューションの提供

安心で安全な製品・ソリューションの提供

人々の暮らしを楽(ラク)にし、安心・安全で持続可能な社会を実現するため、ルネサスでは、自動車、医療、産業インフラなどのミッションクリティカルな分野へサステナブルな製品を提供し続けることを、技術革新方針の中核に位置付けています。また、お客様へ業界最高水準の信頼性とセーフティ&セキュリティ技術のソリューションをお届けすることにより、お客様のシステムがよりスムーズに、ISOやIEC等の厳しい国際標準規格を達成していくことをサポートして参ります。


ニューノーマル社会の実現課題に応える

安心で安全な生活を送るために、全世界において、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大防止に努め、新たな社会環境「ニューノーマル」へ対応することが求められています。その上で、テクノロジーが果たす役割も年々大きくなっています。
新型コロナウィルス感染予防とニューノーマルの実現に向けたルネサスのサステナブルな製品・ソリューションの詳細はこちらをご覧ください。

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空気質測定
ルネサスは、デジタル空気質センサ用に、商業施設や公共施設向けの環境基準で定められている、TVOC(総揮発性有機化合物)の継続的モニタリングに対応する新ファームウェアの提供を開始しました。新ファームウェアは、ルネサスの室内空気質センサZMOD 4410と屋外空気質ZMOD4510用に提供します。これらのガスセンサはファームウェアを更新することで特性を変更することができ、クラウドを介してファームウェアを更新できるように設計にしておけば、後からガスセンサの機能をアップデートできるシステムを構築することができます。


ミッションクリティカルなアプリケーションへさらなる安全性を提供

世界保健機関(WHO)の発表によると、世界の交通事故による死亡者数は135万人に達し、交通事故は世界10大死因に含まれています。交通事故による死亡者数の半分以上が脆弱な道路利用者(歩行者、自転車、自動二輪・三輪や同乗者)であり、安全な自動車の開発は常に全世界の関心事となっています。交通事故の削減はSDGsのターゲットの一つともなっており、日本を含む各国で、先進運転支援システム(ADAS)の搭載が義務化の方向にあります。
また、IoT機器では、AIが私たちの日常生活に大きな変革をもたらしています。AI実装のためには、リアルタイムかつ大量の情報収集と優れたコンピューティング能力が必要となり、今まで以上にIoT機器とクラウドとの連携が重要となります。エンドポイントのIoT機器に堅牢なサイバーセキュリティ対策が無ければ、AIシステムそのものがサイバー攻撃を受け、その影響は社会全体に広がる恐れがあります。
ミッションクリティカルなアプリケーションを堅牢に守るためのルネサスのセーフティ&セキュリティ技術の詳細はこちらをご覧ください。

交通事故ゼロを目指し設計された機能安全・セキュリティソリューション

自動運転(AD: Autonomous driving)およびADASは、自動車市場を劇的に変えることが予想されています。ルネサスは、ドライバーを潜在的な事故から守り安全性の向上にも貢献するAD及びADAS向けソリューションを提供することで、交通事故ゼロを実現する自動車の開発に貢献しています。
厳しい自動車向け機能安全規格に対応した当社のAD/ADASソリューションの詳細はこちらをご覧ください。

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次世代車載用SoCおよびマイコンのロードマップ
ルネサスは、車載デジタルプロセッシング領域の製品ロードマップを発表しました。高性能アプリケーション向けの第5世代R-Car SoC(System on Chip)では、先進のチップレット集積技術を適用します。これにより、例えば先進運転支援システム(ADAS)向けに高いAI処理能力が必要な場合は、AIアクセラレータを1パッケージに統合するなど、高いフレキシビリティを提供し、迅速な市場投入を実現します。また、次世代車載マイコンでは、2つのカテゴリの製品を発表しました。1つ目の製品は、次世代E/Eアーキテクチャのドメインおよびゾーンコントロール(ECU)に必要な高性能を実現するための「クロスオーバーマイコン」です。これは、ハイエンドなSoCとマイコンの間の性能差を補完する位置づけです。2つ目の製品は、Arm®コアを搭載した32ビット車両制御用マイコンを発表しました。この2つの製品すべてにArmコアを採用することにより、ハイエンドのSoCからローエンドのマイコンまで、エンドツーエンドの完全なスケーラビリティを提供し、ソフトウェアの再利用性を向上します。

国際規格ISO/SAE 21434に準拠し、自動車のサイバーセキュリティ対策を推進

国際規格ISO/SAE 21434(2021年8月31日発行)と国連欧州経済委員会(UNECE)の新法規制UNR155は、どちらも自動車のサプライチェーン全体を網羅したサイバーセキュリティ対策の実施を義務付けています。2022年7月以降、自動車のOEMメーカが新たな車種について車両型式認証を取得するためには、自動車向けサイバーセキュリティマネジメントシステム(CSMS)を導入してサイバーセキュリティプロセスが実施されていることを保証する必要があります。

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ISO/SAE 21434ソリューション
ルネサスは、車載用マイコンとSoC(System on Chip)の開発プロセスに適用されるサイバーセキュリティマネジメントシステム(CSMS)が、国際規格ISO/SAE 21434:2021に準拠しているとTÜV Rheinland Industrie Service GmbH(以下テュフ ラインランド)から認証を取得しました。この認証はルネサスの武蔵事業所に適用され、製品としては、車載用16ビットマイコン「RL78」、32ビットマイコン「RH850」、車載用SoC「R-Car」が含まれます。

産業とIoTの堅牢性を確保し、AIとIoT機器の普及を推進

数十億個にものぼるエンドポイントのIoT機器から日々、リアルアイムの状態を得るための情報がクラウドに送り込まれています。そして、膨大な情報量をエンドポイントで演算し、その場でAI処理することも求められています。この様なIoT機器や高性能演算システムがマルウェア感染すると、その影響は社会全体に広がる恐れがあります。

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高セキュアマイコンRA8シリーズ
ルネサスは、32ビットマイコンRAファミリのラインアップを拡充し、業界で初めて高性能なArm® Cortex®-M85コアを搭載したRA8シリーズの第一弾として「RA8M1」を発売し、量産を開始しました。本新製品は、最先端の暗号に対応するアクセラレータに加え、イミュータブルストレージ、セキュアブート、Arm TrustZoneテクノロジ、改ざん防止機能を搭載し、高度なセキュリティを提供します。DSP(デジタル信号処理)やAI/ML(機械学習)性能を向上させるArm Heliumテクノロジを搭載し、低電圧動作・低消費電力モードにより省エネルギを推進します。また、多彩なウィニング・コンビネーションでユーザのシステム開発をスピードアップしていきます。