概要

ルネサスでは、エディタ、コンパイラ、エミュレータといった組み込みアプリケーション開発に必要なツールを、開発ニーズや各種マイコン特性に合わせて多種多様に取り揃えています。統合開発環境 High-performance Embedded Workshopは、それらのツールを使いやすく統合するフレームワーク です。

High-performance Embedded Workshopを導入すると、各工程ごとに用意された複数のツールを、 あたかも多機能な一つのツールであるかのように 操作できます。さらに、ターゲットマイコンや開発体制によって、ツールチェイン構成や各種オプション設定の組み合わせはさまざまですが、それらをすばやく切り替えながら、 複数のプロジェクトでも効率よく 進めることができます。

すなわちHigh-performance Embedded Workshopによって、ツールの違い、ターゲットマイコン違い、開発体制の違いによる操作や管理の煩わしさが解消され 、それらに費やしていた時間が短縮できます。その結果、最も重要なコーディングや検証により多くの時間を割り当てることができるため、全体の開発期間を短縮しながらも高品質な製品開発が可能になります。

High-performance Embedded Workshopはコンパイラパッケージに含まれます。

生産性を高める、High-performance Embedded Workshopによる統合イメージ

リリース情報

最新Ver.: V.4.09.01

リリース: 2012/06/16

バージョンアップ内容(ツールニュース参照)

動作環境

提供形式

後継品

特長

シームレスな開発環境
High-performance Embedded Workshop環境では、ビルド(Note)後にすぐ、同環境内でシミュレータでオブジェクトモジュールの評価ができます。また、PCにエミュレータとター ゲットボードが接続されていれば、そのまま本格的なデバッグが開始できます。ソースを修正する必要があればエディタウィンドウで修正し、ビルドボタンを押 せば、修正後が反映されたオブジェクトモジュールが生成されます。ライタモードを備えたエミュレータ使用時は、オンボード書き込みまでを同一環境で済ませ ることもできます。

Note ビルド: コンパイル、アセンブル、リンクを実行してオブジェクトモジュールを生成する一連の処理。
開発に専念できる快適な操作性
High-performance Embedded Workshopのインターフェース(GUI)は直感的に分かりやすく、かつ複数のツールに対して一貫性があります。また、ソースファイルのキーワードに 色づけする、実行結果をグラフィカルに表示するなど、解析しやすい表示ができます。インストール後のさまざまな設定やカスタマイズも、分かりやすいGUI がサポートします。操作に早く慣れることができ、かつ、上級者向けにカスタマイズも可能です。
テスト支援機能で開発効率向上
コマンド実行結果のウィンドウ内容を、イメージファイルで保存したり、 比較したりできる「テスト支援機能」を搭載しています。 一連のコマンド処理は「マクロ生成支援機能」でマクロファイル (コマンドバッチファイル)に簡単に記録でき、ボタンひとつで再実行することもできます。このマクロ生成支援機能とテスト支援機能を組み合わせると、テストの実行、テスト結果の比較という 一連の繰り返しテストが効率よく実施できます。
優れたプロジェクト管理
High-performance Embedded Workshopには、プロジェクトの管理機能やカスタマイズ機能があります。また複数のプロジェクトを作成/管理することができ、さまざまなケースに最適な環境が構築できます。
便利な組み込み型エディタ
標準搭載のエディタは、ビルドエラー表示をクリックするとソース中の当該エラー箇所への移動できるなどの組み込み型ツールならではの特長を持ち、編集、検索、置換はもちろん、C++クラスブラウジングほか多様な機能でスムーズなコーディングを支援します。
外部ツール連携
ルネサス製ツールだけでなく、サードパーティ製ツールとも連携可能です。バージョン管理ツール(Microsoft(R) Visual SourceSafe他)や、各種設計・検証ツール(CASEツール、エディタなど)などと連携しています。
容易な環境構築(インストール)
High-performance Embedded Workshopは、ルネサスのコンパイラパッケージやエミュレータパッケージに同梱されています。各パッケージのソフトウェアツールをインストールすれ ば、自動的にHigh-performance Embedded Workshopがセットアップされ、ソフトウェアツールも登録されます。すでに環境がセットアップ済みの場合は、自動的にソフトウェアツールの追加登録 のみが実施され、利用中のHigh-performance Embedded Workshopが機能拡張されます。
オートアップデート機能(オートアップデートユーティリティ内蔵)
登録したルネサス製ソフトウェアツール、およびHigh-performance Embedded Workshop自体の最新版リリースは、High-performance Embedded Workshopのオートアップデート機能によって、インターネット経由で自動検知できます。 ソフトウェアのアップデータが検出された場合は、ウィザードによる簡単操作でスムーズにソフトウェアを最新版に更新できます。 オートアップデート機能のオン/オフ、確認スケジュール、アップデート実行の可否は、ユーザが自由に設定できます。

機能

  • プロジェクト管理
    • ソースファイルをプロジェクト毎に管理できるワークスペース
    • ウィザード方式による素早いプロジェクト生成(プロジェクトジェネレータ)
    • マイコン別スタートアップルーチン自動生成(プロジェクトジェネレータ)
    • 複数プロジェクト作成およびプロジェクト間依存関係の設定(プロジェクトジェネレータ)
    • ファイル依存関係スキャン/表示
    • ツールのオプション設定をプロジェクトごとに保存
    • 同プロジェクトへの複数のオプションセットも登録可
  • エディタ
    • 編集、検索、置換、自動インデント
    • 編集可能な逆アセンブリコード表示(ターゲット接続時)
    • ソースコードとそれに対する逆アセンブリコード同時表示(ターゲット接続時)※V.4新機能
    • ブックマーク設定機能(キー操作で瞬時に設定行へ移動)
    • コードを読みやすくする構文キーワード色付け機能
    • 繰り返し使う定型コード記述のテンプレート化による再利用
    • カッコの組み合わせチェック
    • 変数にカーソルをあわせると変数値が表示されるツールチップウォッチ
    • C++の関数やパラメータを正確に素早く選択入力できるスマートエディタ機能
    • 演算結果を事前確認できる、式の評価機能
  • ビルダ
    • ビルドボタン一つで、コンパイル、アセンブル、リンクを高速自動実行
    • 状況に応じたビルドスタイル選択(全ビルド、差分ビルド、単体ビルド)
    • 差分ビルドでは、コンパイルが必要なソースファイルを自動的判断
    • ユーザ独自のツールを実行するための環境設定
  • その他の開発支援機能
    • ファイル差分表示
    • バージョン管理ツール連携(Microsoft(R) Visual SourceSafe他)
    • ファイル比較(ローカルファイルの比較、バージョン管理されたファイルの比較)
    • Cソースファイル#define/ANSI-C関数ナビゲーション
    • C++ソースファイルクラス/関数/メンバナビゲーション
    • グラフィカルな各種マップ表示(メモリマップ、メモリリソース、リンカマップ、セクションマップ)
    • マクロ生成支援機能(マクロ生成や再生)
    • テスト支援機能(実行結果のウィンドウ内容の保存や比較)
    • コマンドライン入力によるバッチファイル実行やログ保存
    • ツールバーやキーボードショートカットのカスタマイズ
    • キャッツ社製CASEツールZIPC連携

テスト支援機能

実行結果のウィンドウ内容をテストイメージファイルに保存したり、 テストイメージファイル同士を比較できる「テスト支援機能」を実装しました(V.4.01.00新機能)。

[テスト支援機能イメージ]

テスト支援機能マクロ生成支援機能と組み合わせると一層便利です。

たとえば、テスト手順をマクロファイルに記録し、テスト期待値を事前にテストイメージファイルに記録しておけば、 テストの実行、テスト結果の比較という一連の繰り返しテストが効率よく実施できます。

[マクロ生成支援機能とは?]

プロジェクト制御、ビルド、およびデバッグなどの繰り返し作業を「マクロ生成支援機能」によりマクロファイル(コマンドバッチファイル)として記録することが可能です。マクロは、マクロツールバーで簡単に記録/再生できます。マクロに記録できるコマンドの種類については、High-performance Embedded Workshopユーザーズマニュアルの「マクロ生成支援機能の使用」をご覧ください。

[マクロツールバー]

[マクロ実行イメージ]

カスタマイズ

ルネサス開発環境High-performance Embedded Workshopはカスタマイズに対応しています。標準インタフェースだけでの利用にとどまらず、ひとりひとりの用途や好みに合わせて拡張することで、使い勝手を大幅に向上させることができます。 カスタマイズするには、以下の技術やツールを利用して、ユーザ自身で自由にプログラミングを行います。

TargetServer (COM拡張機能)
TargetServerが用意する各種メソッドを利用して、ユーザ独自の制御用ウィンドウの作成をはじめ、テストパターンなどの繰り返しの作業の実行制御や、実行結果のExcelスプレッドシートへの出力など、Microsoft COMテクノロジを活用したさまざまな拡張が可能です。Microsoft社のVisual C++でプログラミングできます。
Tcl/Tk拡張機能
Tkが持つ多彩なウィジット(GUIの部品)を利用して、独自のボタン、メニュー、設定ウィンドウなどのGUIが追加できます。Tcl/Tkはシンプルかつオープンソースのツールのため、手軽なプログラミングが可能です。
IO DLL Kit(シミュレータ拡張ユーティリティ)
複雑な周辺I/O動作のシミュレーションを、ユーザ独自のDLLの形で定義できます。IO DLL Kitを使うと、I/Oスクリプト言語の習得を不要にし、Microsoft社のVisual C++でプログラミングできます。

Note

  1. COM: Component Object Model
  2. Tcl/Tk: Tool Command Language/Tool Kit
  3. DLL: Dynamic Link Library

提供形式

High-performance Embedded Workshopは、連携ツールの 製品パッケージにバンドルされています。以下に、コンパイラ製品パッケージおよびエミュレータ製品パッケージの構成イメージを示します。

 

連携ツール

High-performance Embedded Workshopは以下のコンパイラ製品およびエミュレータ製品と連携可能です。各製品パッケージに同梱されているHigh-performance Embedded Workshopは、必要に応じて最新版にアップデートしてご利用ください。

 

[High-performance Embedded Workshop 対応コンパイラ製品パッケージ]

製品パッケージには、High-performance Embedded Workshop、シミュレータ機能(シミュレータデバッガ)も含まれています。

Note

  1. 1. R8C, M16Cファミリ用C/C++コンパイラパッケージに含まれています。
  2. 2. High-performance Embedded Workshop のアップデートが可能なバージョンはV.7.1.01以降です。
  3. 3. High-performance Embedded Workshop のアップデートが可能なバージョンはV.5.0.03以降です。

 

[High-performance Embedded Workshop 対応エミュレータ製品パッケージ]

製品パッケージには、High-performance Embedded Workshopおよびエミュレータデバッガ(High-performance Embedded Workshop対応エミュレータソフトウェア)も含まれています(Note1)。High-performance Embedded Workshop環境でサポートされるマイコンは、インストールされているエミュレータデバッガやファームウェアに依存します。 詳しくは各エミュレータのページでご確認ください。

Note

  1. 1. M3A-0665 FoUSBとモニタデバッガにはHigh-performance Embedded Workshop環境は同梱されていませんが、「ダウンロード」タブから無償で入手できます。

 

High-performance Embedded Workshop使用時のE1/E20対象デバイス一覧 (それ以外のIDE使用時の対象デバイスはこちら

RX RX600シリーズ RX610 グループ
RX621, RX62N グループ RX62G グループ RX62T グループ
RX630 グループ RX63N, RX631 グループ RX63T グループ
RX200シリーズ   RX210 グループ RX21A グループ RX220 グループ
R8C R8C/Lxシリーズ R8C/L35C, L36C, L38C, L3AC グループ
R8C/L35M, L36M, L38M, L3AM グループ
R8C/LA3A, LA5A グループ R8C/LA6A, LA8A グループ R8C/LAPS グループ
R8C/5xシリーズ R8C/54E, 54F, 54G, 54H グループ R8C/56E, 56F, 56G, 56H グループ
R8C/3xT-Aシリーズ R8C/36T-A グループ R8C/38T-A グループ
R8C/3xシリーズ R8C/32C, 33C, 34C, 35C, 36C, 38C, 3GC, 3JC グループ
R8C/32M, 33M, 34M, 35M, 36M, 38M グループ R8C/3JM, 3GM グループ
R8C/3MQ グループ R8C/34U, 34K, 3MU, 3MK グループ
R8C/3NT グループ R8C/3JT グループ R8C/33T グループ
R8C/32G, 32H, 33G, 33H, 34P, 34R グループ R8C/34W, 34X, 34Y, 34Z グループ
R8C/36W, 36X, 36Y, 36Z グループ R8C/38W, 38X, 38Y, 38Z グループ

  

更新に関するご注意

  • 連携製品の追加
    • 連携コンパイラ/シミュレータを追加する場合: 当該コンパイラパッケージのご購入およびインストールが必要です。
    • 連携エミュレータデバッガを追加する場合: エミュレータデバッガの最新版をインストールする必要があります。 エミュレータデバッガは無償でインターネットからダウンロードできます。
  • 連携製品の更新
    • コンパイラやエミュレータデバッガがバージョンアップした場合: コンパイラやエミュレータデバッガの新バージョンの機能を追加にするには、当該ソフトウェアのバージョンアップ(有償)またはリビジョンアップ(無償)が必要です。アップデートプログラムはインターネットからダウンロードできます。High-performance Embedded Workshopのみ(フレームワークのみ)のアップデートではコンパイラやエミュレータデバッガの新機能は追加されません。

オプション製品(High-performance Embedded Workshop用ユーティリティ)

  • Auto Update Utility: High-performance Embedded Workshop環境ソフトウェア更新ユーティリティ(最新版の定期自動チェック/簡単アップデート)
  • Device File Updater: コンパイラパッケージ用CPUタイプ追加ファイル(High-performance Embedded Workshop V4以降の環境に対応)
  • Install Manager: High-performance Embedded Workshop環境構築/管理ツール(標準インストール[推奨]とマルチインストールが選択可能)
  • TargetServer (COM拡張機能): COMインターフェースを利用した、High-performance Embedded Workshop環境のカスタマイズ
  • Tcl/Tk拡張機能: Tcl/Tkを利用した、High-performance Embedded Workshop環境のカスタマイズ
  • I/O DLLキット: High-performance Embedded Workshop環境シミュレータ拡張オプション製品(Visual C++によるI/O DLL作成をサポート)

パートナーベンダとの連携ソリューション

High-performance Embedded Workshopとパートナー製のツールとの連携ソリューションも一層強化しました。ここではその一例をご紹介します。その他パートナー製品の詳細は パートナー情報ページをご覧ください。

 

ターゲットデバイス

High-performance Embedded Workshopは、以下のルネサスマイコン用の組み込みアプリケーション開発をサポートしています。

Note

  1. 1. M32Rファミリでは、エミュレータシステムは外部ツールとしての接続となります。

開発ツール サポート情報

タイトル 概要
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セミナー マイコン学習のための情報が掲載されています。
FAQ よくあるお問合せ、開発のヒントが掲載されています。
フォーラム ルネサスの総合コミュニティサイトです。
ツールニュース ツールのリリース情報、注意事項などが掲載されています。
動作環境 ツール製品の最新バージョンの動作環境をご案内しています。
旧製品/保守製品 すでに新規供給を終了しているルネサス開発環境製品の一覧が掲載されています。