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粟津 慶彦
Engineer
掲載: 2020年12月10日

2019 年にスタートしたR-Car ConsortiumのProactive Partner Programの本年度の活動実績についてご紹介いたします。本プログラムでは、お客様の先進的・革新的な商品開発への貢献を目的として、Solution Matching System、Market Place、Educational ProgramおよびEngineering Communityの4つのエコシステム活動を展開しております。ルネサスはこれらの活動を通してオープン(オープンプラットフォームを活用した柔軟、多様な開発環境の提供)、革新性(先進技術とユーザーの課題を解決するソリューション提案力)、信頼性(車載ビジネス実績を強みとした信頼性の高いシステム提案力)の価値をお客様へ提供してまいります。

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1. Solution Matching System

お客様の様々なニーズにお応えするために、Proactive Partnerが保有するソリューションをクイックに検索可能な“Solution Matching System”を2019年から提供開始しました。本年度は、70社のProactive Partnerを選出させて頂き、様々な最新のソリューション情報が検索可能となっております。Solution Matching Systemの詳細につきましては、昨年のプレスリリース「モビリティシステム開発の最適なパートナーを容易に選べるようにする「R-Carコンソーシアム・プロアクティブパートナープログラム」をスタート」を参照ください。

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ここでは、具体的な事例としてADASおよびCockpit分野の2つのソリューションをご紹介させていただきます。
 ・eSoftThings社:R-Car V3HをベースとしたADAS向けターンキーソリューションである”eCube”を提供しております。革新的なユースケースを早期にプロトタイプ化したいニーズに対応しており、そのまま車両の中に搭載可能ですので、お客様のデモンストレーションにもご活用いただけます。なお、eCubeの詳細につきましては、eSoftThingsの紹介サイト「eCube, our embedded ADAS ECU for prototyping」を参照ください。
 ・KOTEI社:R-Car H3、R-Car M3をベースとしたCockpit向けリファレンスキットソリューションである”Smart Cockpit”を提供しております。マルチスクリーンやリアルタイム3Dレンダリングを始めとして、Cockpitシステムを実現するためのソフトウエアソリューションが搭載されております。また、Black Berry社が提供しているQNX Hypervisorに対応し、QNXとAndroid OS上での様々なアプリケーションソフトウエアを実装することが可能となっております。なお、Smart Cockpitの詳細につきましては、KOTEI社の紹介サイト「スマートコクピット」を参照ください。

ルネサスは、今後もProactive Partnerと連携強化行い、お客様の課題解決や最適なソリューションの提供に努めてまいります。

2. Market Place

本年10月27日、にR-Carの各種ソリューション・コンテンツを直接ダウンロードすることが可能なWebインフラ、Market Placeを開設しました。Market Placeをご活用頂くことで、各種ドキュメント、Proactive Partnerのリファレンス評価用ソフトウェアパッケージ、FAQ情報などをWeb上から簡単に入手することが可能となり、モビリティシステム開発の効率化向上、開発期間の短縮が実現可能となります。今後、ルネサスはProactive Partnerと更なる連携強化を図っていき、リファレンス評価用ソフトウェアパッケージ含む豊富なコンテンツの拡充化を図り、お客様への継続的な開発支援をさせていただきます。詳細につきましては、本年10月27日付けのプレスリリース「モビリティシステム開発の効率化を図るため、R-Car SoC用ソリューションをダウンロードできるマーケットプレイスを開設」および、こちらからダウンロードできます説明資料を参照ください。なお、Market Placeについてご質問などございましたら、[email protected]までお問合せ下さい。

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3. Educational Program

R-Carシステムの理解度を深めて頂くことを目的に、いつでも簡単にWeb上で閲覧可能なWebinarコンテンツの提供を開始しました。Webinarコンテンツは、ハードウェア偏、ソフトウェア偏をご用意しており、日本語と英語の2言語に対応しております。今後も様々なコンテンツ の拡充化を図って参りますが、お客様のご要望などありましたら、[email protected]までお気軽にお寄せください。

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4. Engineering Community

R-Car Starter Kitに関連したお客様の課題解決とR-Carシステムの評価の容易化を目的として、オープンコミュニティを活用した新たなテクニカルサポートの仕組み「R-Car向けEngineering Community活動」を本年7月より開始しました。本活動では、オープンコミュニティのうち、eLinuxサイトとRenesas Rulzサイトを活用し、オープンソースをベースとしたソフトウェアやドキュメントの提供、R-Carコンソーシアムパートナーやプロフェッショナルコミュニティーメンバーがお客様の課題解決を図っています。詳細につきましては、本ブログシリーズの「車載事業の顧客価値実現に向けて(シリーズ②): R-Car向けEngineering Communityサイトをオープン!」に掲載しておりますので、ご参照ください。

R-Carコンソーシアムは、今後もパートナー企業との積極的な連携を行い、オープン、革新性、信頼性をもった価値あるソリューション・コンテンツ拡充化を図り、お客様の開発支援・サポートに貢献して参ります。よろしくお願い致します。

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