信頼性が極めて高く、レイテンシ・フリー。 業界をリードする0.5秒未満の起動時間を実現
2014年6月2日

革新的なパワーマネジメントと高精度アナログ・ソリューションのプロバイダとして世界をリードするインターシル(本社:米国カリフォルニア州ミルピタス、NASDAQ:ISIL)は、アナログ/デジタル・ビデオ入力のほか、スケーラ/デインタレーサ機能、イメージ・エンハンス機能、オン・スクリーン・ディスプレイ(OSD)機能をシングルチップに集積したハードウェア・ベース・ソリューションとして、最新世代のLCDビデオ・プロセッサTW8836を発表しました。インターシルのLCDコントローラ・ファミリは成熟度が最も高く、その性能は市場でも実証済みです。TW8836は極めて高い柔軟性と品質を実現しており、リアカメラからのビデオ画像を、クルマのシステム起動からわずか0.5秒未満でディスプレイにグラフィック・オーバレイ付きで表示でき、米国政府の安全基準を満たしています。汎用性も高く、広範なインフォテインメント機器に使用可能で、今日、最もよく使用されているSoCのほとんどとの組み合わせに最適です。

米国高速道路交通安全局(NHTSA)は2014年3月、児童交通安全法(KTSA)で2018年から重量1万ポンド未満のすべての車両に対し後方確認モニタの標準装備を義務付けると発表しました。こうした動きは、多くの場合は子供と高齢者を巻き込んで毎年発生している、後進事故による死亡と負傷を減らすのが目的で、具体的には、新たな法律に基づき、米国内で販売されるすべての新軽量車両を対象に、ギアをバックに切り替えた際にリアカメラで撮影した後方映像を2秒未満でモニタに表示する機能の搭載が義務付けられます。多くの専門家が、世界の他の地域でも米国に追随し、同様の法律が施行されると予想しています。

 

TW8836はコンポジット・ビデオ・ソースとの同期や、ビデオのスケーリングとデインタレーシング機能を提供し、LCDパネルへの画像表示時間も0.5秒未満に抑えていることから、米国の新しい法律の高速起動要件をはるかに凌駕しています。また、外付けメモリが不要なことから、レイテンシ・フリーの超高速応答が可能で、クルマのバック時の安全性を向上します。さらに、TW8366はハードウェア・ベース・ソリューションを採用しているため、メイン・プロセッサがサポートするソフトウェア・ベース・ソリューションに比べ、高速起動能力の面で信頼性が高く、リアカメラのビデオ画像データ・パスとしての安定性も高いと多くの自動車メーカーが見ています。メイン・プロセッサであるSoCだけによる方法では、オペレーティング・システム(OS)の起動に時間が必要であり、リアカメラのビデオ信号に対してソフトウェア処理が追い付かないなどの支障によって、信頼性が損なわれるリスクがあります。このため、米国の新法律を順守できなくなる可能性があります。

 

それに対し、TW8836はメインLCDスケーラ・パスから独立した専用のBT.656出力パスを備えています。このため、SoCの起動動作中には、TW8836がパネルを直接駆動しながらリアカメラで撮影されたビデオ画像を表示させることができ、システム・アーキテクチャの柔軟性を大幅に向上させます。SoCが起動完了してからは、BT.656パス経由でソース・ビデオを受けているSoCは、後方映像にグラフィック(GUI)のオーバーレイした映像をTW8836のOpenLDI(LVDS)またはデジタルRGB入力ポートに送り返して、その合成ビデオをLCDに表示させることができます。こうした機能により、TW8836は市場で普及しているインフォテインメント用SoCの多くと組み合わせて使用できます。

 

TW8836はアナログ・コンポジット、Sビデオ、アナログRGB、デジタルRGB、Open LDI(LVDS)など、事実上あらゆるタイプのビデオ入力を受け入れることができます。さらに、トランジスタ・トランジスタ・ロジック(TTL)、1チャネルOpen LDI(LVDS)、タイミング・コントローラレス(TCONレス)パネルなど、最大解像度WXGA+ (1366 x 768)までのほとんどすべてのデジタルLCDパネルの駆動が可能です。これにより、リアカメラ画像の表示またはマルチビデオ・ソースのインフォテインメント機器に、最適なソリューションを提供します。柔軟性が非常に高く、広範なビデオ入出力をサポートしていることから、TW8836を車載機器に採用すれば、さまざまなアナログ/デジタル・ビデオ・ソースに対応できます。さらに、メイン・プロセッサのビデオ信号処理負担を軽減することから、メイン・プロセッサを他のシステム機能の処理に転用したり、あるいは使用するプロセッサ自体を廉価な製品に切り替えたりすることが可能になります。

 

TW8836は差動コンポジット入力をサポートしており、外付けオペアンプを不要にし、システム設計と総合的なコストの最適化を可能にします。さらに、外付けDRAMが不要なため、LCDビデオ・プロセッサの実装に必要なBOMコストを低減できます。

 

インターシルのプレシジョン・プロダクツ担当バイス・プレジデントのフィリップ・チェズレイは、「インターシルは柔軟性と信頼性の高いLCDビデオ・プロセッサにより、車載市場で新たな地平を切り拓いています。インターシルのソリューションは、車両の安全性を向上しているだけでなく、広範なビデオ・ソースを最高の画質でサポートし、インフォテインメント・システムの機能向上を実現しています」と述べ、さらに「インターシルは10年以上にわたって車載用LCDコントローラ技術で市場をリードしてきました。これにより、お客様であるOEM企業の長期的な設計ニーズに対応し、消費者に対して安全性の向上とクラス最高の経験を提供しています」と語りました。

 

  • ほとんどのタイプのビデオ・ソースをサポート:
    • 従来からのアナログ・コンポジット・ビデオ・ソースに対応する差動、疑似差動、シングルエンド入力NTSC/PALアナログ・ビデオ・デコーダ
    • 1080p/60までの解像度のアナログRGB/YPbPr入力ソース向けの3つの高速ADC
    • 24ビット・デジタルRGB入力と1チャネルOpen LDI(LVDS)入力はそれぞれ最大1080p/60と720p/60の解像度をサポートし、スマートフォン、GPU、SoCなどのデジタル信号ソースに対応
  • パネル出力は柔軟性が高く、市販LCDパネルのほぼすべての駆動が可能(最大解像度はWXGA+ [1366 x 768])
    • 最大24ビットのTTL出力をサポートし、18ビットまたは16ビット入力を必要とするパネル用にディザリング機能を提供
    • 1チャネルOpen LDI(LVDS)出力をサポートし、最新世代のHD LCDパネル(最大解像度1366 x 768)の駆動が可能
    • タイミング・コントローラ(TCON)を内蔵し、TCON回路非搭載のパネルの駆動が可能
  • AEC-Q100 Grade 2準拠
     

TW8836 LCDビデオ・プロセッサはすでに出荷が開始されており、単価は7.15米ドルです。TW8836の詳細はhttp://jp.intersil.com/en/products/audiovideo/display-ics/display-processors/TW8836.htmlをご覧ください。

 

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