デジタル電源応用制御技術コース

~各種デジタル電源の応用制御法をマスターする~

上級

費用 36,000円(税抜き)   対象製品 RX62G

高度な制御技術が理解できるデジタル制御に関するプログラム設計の応用編です。
様々な電源回路に見合う最適なデジタル制御の導出法を、そして閉ループ伝達関数の構築から始まり状態方程式の導出まで、段階を踏んで学ぶことができます。

開催日時/会場

  • 2019年 09月17日(火)~ 09月18日(水) 【1日目】10:00~17:30【2日目】9:30~17:00
  • 豊洲会場(豊洲フォレシア)終了しました

お申し込み受付の締切は、セミナー開催の前営業日17:00となります。

講師

田本貞治 工学博士 パワエレ技術研究所 所長

  1. 略歴
    ・2011年1月 ユタカ電機製作所退職 パワエレ技術研究所 創業現在に至る
    ・東京大学 大学院工学系研究科 IOE社会連携講座 特任研究員
  2. 専門分野
    ・UPS、インバータ、高精度交流電源の設計開発、デジタル電源の研究開発
  3. 主な著書
    ・2009年 トランジスタ技術増刊 『電源回路設計2009』(分担執筆)/CQ出版
    ・2011年 グリーンエレクトロニクスNo.5 太陽光発電のしくみと実例(分担執筆)/CQ出版
    ・2012年 トランジスタ技術SPECIAL 『はじめてのディジタル・パワー制御』(分担執筆)/CQ出版
    ・2013年 グリーンエレクトロニクスNo.12 マイコンによるデジタル制御電源の設計(分担執筆)/CQ出版

受講をお勧めしたい方

デジタル電源を最新の制御技術により高度に制御したい方

受講に必要な前提知識

デジタル電源制御の基本知識があることを前提とします。また、伝達関数、微分方程式、線形代数等について知識があると理解が進みます。
実験では、ルネサスエレクトロニクスのRX62Gマイコンを使用します。RX62Gマイコンに関する知識があると理解が深まります。

内容

 マイコンを使用したデジタル制御が各種電源回路に使われるようになってきました。高性能で高速な電源制御用マイコンも充実してデジタル制御電源が容易に実現できるようになってきています。特に、いろいろな回路を組み合わせたシステム電源では、もはやアナログ制御では回路が複雑になり実用的でなく、マイコンを使用したデジタル制御の方が遥かに性能、コスト、サイズ等を見ても有利となってきています。
 デジタル制御を用いて電源回路を制御する場合、”回路に合わせたいろいろな制御法”を理解していると容易に目的の性能が実現できます。また、デジタル制御では従来のアナログ制御とは異なるアプローチが可能で、アナログ制御では実現が困難な制御法も容易に適用可能となってきています。
 しかし、デジタル電源はソフトウエア制御であるため、アナログ制御のような波形観測からは、特性改善や問題対策を講じることが容易ではなく、回路を含めた理論的な知識が不可欠になります。
 本コースではまず、安定化制御のベースになる電源回路の状態方程式を構築し、電源回路の伝達関数を求め、電源回路の特性を理解します。次に閉ループ伝達関数を求め、閉ループ伝達関数により設計した制御器を組み込むことにより、閉ループの特性を解析できるようにします。この方法により、安定な電源制御の実現を目指します。
 制御法では、デジタル制御で問題になる項目を取り上げその改善方法を示します。特性改善として高速制御が期待できる電流モード制御を取り上げ具体的な制御法を見ていきます。
 また、システム電源として良く使用される各種PFCとインバータの制御事例を示していきます。最後に、学習した内容を確認するために、自立運転インバータにより各種制御法を適用して実験を行います。

カリキュラム

本コースでは以下のカリキュラムで進めます。ボリュームが多いため、受講者の要望に応じて講義内容の配分を変更することが可能です。

  1. 電源回路の状態方程式の構築
    この章では電源制御に必要なパワー回路の状態方程式を構築します。パワー回路をトランジスタがONしているときと、トランジスタがOFFしダイオードがONしているときの回路について微分方程式を構築して状態方程式を作成します。作成した状態方程式からパワー回路の伝達関数を求め制御設計に使えるようにします。
    ○状態方程式とは ○降圧コンバータを例にした状態方程式構築のための回路解析 ○降圧コンバータにおけるトランジスタONとOFF時の状態方程式の構築 ○降圧コンバータの伝達関数の導出と特性解析 ○昇圧コンバータにおけるトランジスタONとOFF時の状態方程式の構築(付録に掲載) ○昇圧コンバータの伝達関数の導出と特性解析(付録に掲載) ○昇降圧コンバータにおけるトランジスタONとOFF時の状態方程式の構築(付録に掲載) ○昇降圧コンバータの伝達関数の導出と特性解析(付録に掲載)
  2. 閉ループ特性の解析
    1章で求めた状態方程式を適用して閉ループを構築します。パワー回路は時比率を制御信号として入力し、出力電圧や出力電流が出力となる回路構成になっているため、入力電圧対出力電圧の伝達関数をそのまま使用して解析できません。そこで低周波微小振動という概念を導入して閉ループが構築できるようにします。
    ○閉ループを構築するための低周波微小振動を導入したパワー回路の伝達関数 ○出力電圧に対するパワー回路の伝達関数の構築 ○出力電流に対するパワー回路の伝達関数の構築 ○電圧制御における制御器を挿入した閉ループの構築と伝達関数の作成 ○電流制御における制御器を挿入した閉ループの構築と伝達関数の作成
  3. 状態フィードバックの適用
    内部インピーダンスが低く出力に低ESRのコンデンサを使用したパワー回路ではしばしば不安定になることがあります。この対策として状態フィードバックを適用すると安定化が可能なることが知られています。ここでは、状態フィードバックを施したパワー回路の伝達関数を導出し、その物理的意味を理解し効果を確認します。
    ○状態フィードバックとは ○状態フィードバックを施したパワー回路のブロック図と伝達関数とボード線図 ○状態フィードバックを適用した安定化制御事例
  4. 制御遅れ時間が大きいコンバータの安定化制御法
    デジタル制御ではADコンバータを使用して電圧や電流をマイコンなどに取り込み制御します。そのため、ADコンバータのサンプルからパルスが更新されるまでの間にいろいろな遅れ時間が発生します。この遅れ時間は安定化に悪影響を与えるため対策が必要になります。ここでは遅れ時間の発生原因と遅れ時間を改善する制御法を学習します。
    ○制御遅れ時間とは ○制御遅れ時間の発生原因 ○遅れ時間が制御に及ぼす影響 ○制御遅れ時間を減らす制御法 ○制御遅れ時間の対策を施した制御法
  5. 各種双方向コンバータにおけるシームレスな制御法
    電池を使用したコンバータ回路、自動車関連のコンバータ回路などでは双方向に電流を流すコンバータが使用されます。ここではこれらの回路において、電流方向や制御方式をシームレスに切換制御する方法を考えていきます。
    ○非絶縁型双方向昇降圧コンバータ回路 ○絶縁型双方向コンバータ回路 ○双方向にシームレスに制御できる制御法
  6. 高速な応答が期待できる電流モードの適用とデジタル制御法
    電源制御の中で電流モードを適用すると高速な応答が期待できることが知られています。この電流モードを適用するとなぜ高速な応答が期待できるか理解します。ここでは、マイコンを使用したデジタル制御により、この電流モードを適用して高速な応答が実現する方法を考えていきます。
    ○コンバータにおける電流モード制御とは ○アナログ制御における電流モード制御の理論と事例 ○電圧・電流二重ループ制御法と特長 ○デジタル制御における電流モード制御法 ○電流モードを適用したデジタル制御事例
  7. 各種PFC回路の制御法
    PFCは交流電源で動作する各種コンバータには必ずといっていいほど実装されている回路です。PFCは各種方式が実用化され専用のアナログICも多数生産されています。ここでは、各種PFCにデジタル制御を適用した例を紹介します。
    ○標準型1石PFCの回路と制御法 ○電圧可変型PFCの回路と制御法 ○電流臨界モードPFCの回路と制御法 ○電流不連続モードPFCにおける電流波形の改善法 ○1石式フライバックコンバータ型PFCの回路と制御法 ○絶縁型PFCの回路と制御法 ○ハーフブリッジとフルブリッジの切換による高効率100V/200V兼用PFCの回路と制御法
  8. 本コースでは以下のカリキュラムで進めます。ボリュームが多いため、受講者の要望に応じて講義内容の配分を変更することが可能です。

  9. 各種インバータの制御法
    無停電電源装置(UPS)やパワーコンディショナなどではDC-ACインバータが使用されます。ここでは、ハーフブリッジ型とフルブリッジ型インバータについて自立運転インバータや系統連系インバータの制御法について学習します。
    ○ハーフブリッジインバータの回路と動作原理 ○フルブリッジインバータの回路と動作原理 ○自立運転インバータの制御法 ○系統連系インバータの制御法
  10. デジタル制御の実験
    ここでは、これまで学習してきた内容を確認するために、自律運転のハーフブリッジインバータにより動作確認実験を行い、いろいろな制御法の効果を確認します。
    ○デジタル電源実験ボードの概要 ○自立運転ハーフブリッジインバータの制御法 ○状態フィードバックの適用効果の確認 ○制御遅れ対策の効果の確認 ○電流モード制御の適用効果の確認

テキスト立ち読み

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演習環境

  • RX62Gデジタル電源ボード
  • オシロスコープ

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2019年 09月17日(火)~ 09月18日(水)