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Keiji Oiwa
Keiji Oiwa
Senior Staff Engineer
掲載: 2021年5月18日

マルチメディア機能が向上し、製品で扱うイメージ が高解像度になるにつれて、消費電力、熱設計、そしてボードのサイズが常に開発の問題点となっています。この問題点を解決するため、RZ/G2マイクロプロセッサーの中のローエンドRZ/G2Eとボードパートナーが連携して、SOM(System On Module)ソリューションを提案します。

RZ/G2EはRZ/G2マイクロプロセッサーの中ではローエンドの位置づけですが、上位デバイスであるRZ/G2H、RZ/G2M、RZ/G2Nと同じアーキテクチャArmv8-AのArm® Cortex®-A53 を2個搭載しています。3Dグラフィックスエンジン(PowerVR GE8300)およびH.264コーデックも搭載しており、上位デバイスと同様に動画再生といったマルチメディア機能も実現可能です。また USB3.0やPCI-e、カメラ入力インターフェースといった周辺機能も搭載しており、お客様の最終製品の付加価値を高める機能を実現することができます。RZ/G2Eは上位デバイスとのピン互換性はありませんが、21mm x 21mmのパッケージに詰め込まれたCPU性能と周辺機能のバランスが非常によいデバイスです。従来マイクロコントローラ(MCU)で構築していたUI(User Interface)を、よりグラフィカルにして操作性を向上させることを検討されている際に、お客様に最初に検討して頂くデバイスとしてRZ/G2Eは最適です。

一方、性能が上がるにつれて注意が必要となるのが消費電力や熱設計ですが、RZ/G2Eの場合、ほとんどのシステムでファンレスを実現することが可能です。これはシステム全体のBOM(Bill Of Materials)コストを削減することにつながるため 、非常に重要なことです。

我々のボードパートナーであるENGICAMはRZ/G2Eを搭載したi.Core RZ/G2Eを提供します。このボードは省スペースを実現するために、メモリモジュール等で広く用いられているSO-DIMM(Small Outline Dual In-line Memory Module)規格を採用しています。わずか約68mm x 32 mmのサイズの中に、RZ/G2Eをはじめ、DDR3Lメモリ、eMMC、SPI-NOR Flash、Gb Ethernet PHYなど、システムを構築するために必要なすべてのデバイスを搭載しています。つまり、お客様はこのi.Core RZ/G2Eを使用するだけで、複雑なDDR周辺の設計や基板小型化にかかる設計の工数を省略し、かつRZ/G2Eの豊富な機能を簡単に利用することができることを意味します。i.Core RZ/G2Eに関する詳細情報はこちらをご覧ください。

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ENGICAM's i.Core RZ/G2E
図1:ENGICAM製 i.Core RZ/G2E

お客様はSO-DIMMスロットを設けたマザーボード設計し、接続したi.Core RZ/G2Eに5Vの電源を供給するだけで、Gb Ethernetやディスプレイ、USBやSDIO等、豊富な周辺機能を持ったHMI機器を簡単に開発することが可能です。これは最終製品の機能向上を目的に、搭載されたMCUをMPUへステップアップしようとしているお客様が短期間にその目的を達成するために非常に効果的なソリューションとなることを期待できます。

これからもルネサスはより多くのSOMソリューションをパートナーとともに提供していきます。

RZ/G2マイクロプロセッサーに関する詳しい情報についてはこちらをご覧ください。

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