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Shun Matsuo
Shun Matsuo
IoT Product Engineer
掲載: 2022年11月15日

近年、バッテリーを搭載した製品や環境配慮型の製品が増えており、静電容量式タッチセンサなどのアプリケーションのHMI(Human Machine Interface)技術にも低消費電力化のニーズが高まっています。

ルネサスではこのような要求に対応するため、最新マイコンRX140に搭載されているスヌーズモードとCTSU2SL(静電容量式タッチセンサユニット)の新機能を応用し、製品の待機電力の大幅な低減を実現するスマートウェイクアップソリューションを提供しています。

本ソリューションはRX140搭載静電容量タッチ評価システムおよびタッチレスボタンデモを用いており、WEB上でアプリケーションノートを公開しています。

サンプルソフトウェアでは、CTSU2SLの新機能であるMEC(Multiple Electrode Connection)機能および自動判定機能を使用しており、スヌーズモード中にどのタッチボタンを触ってもタッチを検出して通常動作モードへ復帰します。

MEC機能により複数のタッチボタンを1つのボタンとして計測できるため、複数回の計測が不要になり、短時間でタッチを検出できます。計測時間が短くなることで消費電力も低くなります。また自動判定機能により、CPUでのタッチ判定処理が不要になります。スヌーズモードでタッチを検出した場合は通常動作モードに遷移し、タッチを検出しない場合はソフトウェアスタンバイモードに戻り低消費電力状態を維持することが可能になります。

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Diagrams

また、MEC機能にはもう一つの利点があり、タッチレスボタンの検知距離を従来の15mmから最大約60mmまで延ばすことができます。 静電容量の変化量は指と電極の距離が短く、接触面積が大きいほど大きくなるため、 MEC機能により複数のタッチボタンを1つの大きなボタンとして扱うことで、手の平をデモ機を覆うように近づけると最大約60mmの距離で検知できます。

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Detection distance

スマートウェイクアップソリューションは、低消費電力での静電容量式タッチセンシングを実現します。 電子キーや小型家電などのバッテリーを搭載した製品をはじめとして、消費電力の要件が厳しいその他のアプリケーションにも静電容量式タッチセンサの導入が容易になりますので、是非RX140をご検討ください。

注:CTSU2SLはフラッシュ128KB以上の製品に搭載されています。 フラッシュ64KBの製品には自動判定機能とMEC機能に対応していないCTSU2Lが搭載されています。

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