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Takahiko Gomi
Takahiko Gomi
Principal Engineer
掲載: 2021年10月1日

今後更に注目されるコネクテッドカーの開発において、以下のようなお悩みはお持ちでないでしょうか?

  • コネクテッドカー向け付加価値ソフトウェア開発にリソースを集中したい
  • 開発初期段階から車両に搭載しコネクテッドサービスの検証をしたい

現在、自動車業界は100年に1度の大変革時代に突入したと言われております。CASE(Connected, Autonomous, Shared, Electrified)の各技術領域が進化を遂げる中、自動車が1つのIoTとなり、自動車同士や社会インフラ、歩行者などとシームレスに繋がることで、自動車は従来の移動手段としてのサービスだけでなく、新たなビジネス市場の開拓を目指し、新たなサービス・体験、価値の早期創出が求められています。

一方で、コネクテッドシステム開発において、ソフトウェアの開発規模が大きな課題となっており、お客様の付加価値サービス提供に大きな障害をもたらしています。

このブログで紹介するコネクテッドカー開発環境「CCPF-SK」を活用することで、開発環境を"簡単に""迷うことなく"立ち上げることができ、お客様の付加価値ソフトウェア開発に専念することができます。

What is CCPF-SK?

既に世界で5000台以上出荷されている人気のR-Car Starter Kitを機能拡張したお客様のコネクテッドカー開発を支援するための開発環境です。この度シマフジ電機様と共同開発致しました。

非常にコンパクトでありながら、以下の3つの特徴を有し、お客様のソフトウェア開発の加速、車両に持ち込みラピッドプロトタイピングによる事前検証が可能となり、コネクテッドカーの新たなサービスの早期提供に貢献することができます。

  • Quick start and Bring into Car (Easy to Use)
  • Modern Tech. integration and Low initial cost (Easy to Develop)
  • Remote access and control easily through the Cloud (Easy to Access)
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Connected car platform evaluation board
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CCPF-SK function lists

 

Quick start and Bring into Car (Easy to Use)

従来のR-Car Starter KitではSW使用許諾契約を結び、パッケージをダウンロード後、ビルドし、バイナリを作成し、それらを書き込んで、OSが起動するところまで時間がかかっていました。CCPF-SKは、手元に届いて箱を開けてから、30分以内にOS(Linux)が起動してR-Carに実際に触れるようになることを目指して企画されました。このCCPF-SKは、今までルネサスが提供してきたR-Car Starter Kitと組み合わせて使用されます。組み立ても簡単で、それを含めても30分以内でセットアップすることができ、利便性に優れています。手順書は動画になっているので、立ち上げでもう迷うこともありません。また、CCPF-SKは車両持ち込みを考慮し、シガーソケットやバッテリーから直接電源供給が可能となっております。それにより、開発初期段階から車両に持ち込みアプリケーションの事前確認を行うことが出来ます。

Modern Tech. integration and Low Initial cost (Easy to Develop)

従来は、マニュアルに従って、ソフトウェアをソースコードからビルドする必要があり、Linuxが起動するまでに、数時間がかかっていました。これを予めCCPF-SK用のバイナリを準備することで、煩わしいビルドを行わなくても、すぐにお客様の付加価値ソフトウェア開発に着手できるように対応しています。さらにR-Carで従来から提供しているYocto Linuxのバイナリ配布に加え、Microsoft Azure IoT Edge, Microsoft Azure IoT Hub, Amazon AWS Greengrassと接続可能なバイナリなども提供予定です。CCPF-SKはMicrosoft Azure IoT EdgeとMicrosoft Azure IoT HubやAmazon AWS GreengrassのIoT Edgeデバイスとして認定されているStarter Kitの拡張ボードであるため、これらのモダンIT・コンポーネントを利用することで、コネクテッドカー向けソフトウェア開発を迅速に開発し始めることができるプラットフォームとなります。

Remote access and control easily through the Cloud (Easy to Access)

CCPF-SKは外部スイッチ入力コネクタを用意しており、リモートによる電源制御に対応しております。昨今、部材調達によるボード供給問題が生じる中、ルネサスではRenesas Lab on the CloudでCCPF-SKの仮想制御環境も準備しており、以下のようなユースケースで貢献します。

  • ボード購入前のトライアル利用
  • 一時的なボード需要増への対応
  • 開発環境をグローバル拠点で共有
  • デバッグにおける再現環境構築の容易化

まとめ

如何でしたでしょうか?今回はCCPF-SKとその特徴について紹介しました。
本CCPF-SKに興味を持たれましたら、こちらより購入することが出来ます。

CCPF-SKに関する技術文書、及びソフトウェアはこちら

 

* Azure IoT Edge、Azure IoT Hubは、米国その他の諸国における、Microsoft Corp., またはその関連会社の商標です。
* AWS Greengrassは、米国その他の諸国における、Amazon.com, またはその関連会社の商標です。
* 本リリース中の製品名やサービス名は全てそれぞれの所有者に属する商標または登録商標です。

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