~32ビットCPUを使用した組み込み機器に最適な通信機能や低消費電力機能を搭載~

2013年4月15日

 ルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役社長:鶴丸 哲哉、以下ルネサス)は、このたび、家庭用健康機器やセンサ/探知器、スマートメータ、産業用アプリケーション、ビル・オートメーション向けに、ルネサス のミッドレンジマイコン「RXファミリ」における超低消費電力版の第一弾製品としてUSB等の豊富な通信機能を搭載した「RX111グループ」31品種を製品化しました。2013年7月より順次サンプル出荷を開始します。

 第一弾製品の「RX111グループ」は「RX200シリーズ」の下位機種として超低消費電力版の「RX100シリーズ」に属し、ルネサスのRX-CPUコア を使用した高性能で超低消費電力、豊富な通信機能を搭載した汎用マイコンで、(1)超低消費電力(スタンバイモード時350nA)での高速復帰機能により、通常動作時の電流は100μA/MHz、通常動作への復帰時間4.8μsを実現、(2)32MHzの動作速度で,3.08CoreMark(注1)/MHz(14.9CoreMark/mA)という高い処理能力、(3)USB2.0ホスト/ファンクションモジュール内蔵し、OTG(USB On-The-Go)(注2)やバッテリーチャージャーにも対応、などの特長を有しております。

 それに加えて、「RX111グループ」は「RXファミリ」として、互換性のある命令セット、周辺機能、安全機能を内蔵しており、CPUコア・アーキテクチャ が同一の「RX600シリーズ」や「RX200シリーズ」と互換性があるため、高性能なマイコンへの移行が容易であり、「RXファミリ」の豊富なソフト ウェアが使用可能です。また、パッケージのラインナップは36~64ピン、内蔵フラッシュメモリが16KB~128KBを取り揃えているため、小スペース の電池駆動の機器から、高度なデータ処理性能が必要とされるアプリケーションまで、多種多様な用途に対応できる幅広いラインナップを揃えています。

 「RX111グループ」の開発環境は、ルネサス製の統合開発環境 CubeSuite+とIARシステムズ社の統合開発環境「RX向けIAR EmbeddedWorkbench®」を提供します。また、周辺機能のプログラムをGUI設定により自動的にコード生成を行うツールも提供します。

 新製品のサンプル価格は、1個あたり280円となっており、2013年9月から量産を開始し、2014年4月には100万個を生産予定です。

背景

 近年、スマート社会の拡大と共に、家庭用健康機器、センサ/探知器、スマートメータ、産業用アプリケーション、ビル・オートメーションなどが急速に拡大しています。また、これらの機器では高性能・高機能・小型化が進んでおり、搭載されるマイコンには高性能かつ、低消費、小スペースが求められます。 また、それだけでなく同一CPUコアのマイコンによる下位から上位までの幅広い製品展開という根強いニーズもあります。
 ルネサスではミッドレンジをカバーする「RXファミリ」を展開しており、上記の要求に対応する「RX111グループ」を製品化し、これらの市場に対応したソリューションを提供します。

特長

 新製品の主な特長は以下の通りです。

(1)超低消費電力を実現

新製品は、通常動作時での電流は100μA/MHz、スタンバイモードで は350nAという超低消費電力で動作が可能であり、スタンバイから通常動作へは高速(4.8μs)で復帰が可能です。この特長により、携帯機器など、頻繁にスタンバイモードを使用する機器に最適なマイコンであると言えます。

(2)高いCPU処理能力

新製品は、32MHzで動作し、1MHzあたり3.08CoreMark、1mAあたり14.9CoreMarkの処理能力を持っています。これにより、通信ビットレートの為に動作周波数を変更出来なかったシステムでも、動作周波数を変更することなく、処理速度の向上が可能となります。

(3)USB2.0ホスト/ファンクションモジュール内蔵し、OTGやバッテリーチャージャーにも対応

パソコン等の接続で一般的なUSB通信にて、ホスト機能を使用したUSBメモリの制御や、バッテリーチャージャー機能を使用した携帯機器への充電制御としても使用可能です。またOTG機能を備えているため、一時的にホスト機能として使用する事もできます。

(4)ソリューションの提供

USB の各種サンプルドライバ(マス・ストレージクラス、コミュニケーションクラス、HIDクラス)やUSBを使用した高速充電機能の応用、メモリカード等の各種ミドルウェア、ルネサス製マイコンを実装した評価ボードとマイコンの評価や初期導入に必要な開発環境がセットになったRenesas Starter Kit(RSK)を用意します。

新製品の仕様は、別紙をご参照ください。

RX111の製品情報は、https://www.renesas.com/ja/products/microcontrollers-microprocessors/rx/rx100/rx111.htmlをご覧ください。

以 上

(注1)CoreMarkとは、米EEMBC(Embedded Microprocessor BenchmarkConsortium)がCPUコアの評価に特化したベンチマーク・テスト。
データの読み出しや書き込み,整数演算,制御演算などを実行させるC言語のプログラム群のこと。

(注2)OTG(USBOn-The-Go)とは、USB機器どうしを直接接続するインタフェース規格。パソコン等をホストとせずに、動作時にホスト機器を動的に切り替える機能を拡張したもの。IEEE1394のように直接接続できるので、いろいろな機器に応用できる。

*新製品はSilicon Storage Technology, Inc.からライセンスを受けた SuperFlash(R)を使用しています。

SuperFlashは、米国Silicon Storage Technology, Inc.の米国,日本などの国における登録商標です。

RX向けIAR Embedded Workbench®は、IARシステムズ株式会社の登録商標または商標です。

その他、本リリース中の製品名やサービス名は全てそれぞれの所有者に属する商標または登録商標です。


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