~高感度なタッチキーマイコンのラインアップを強化。普及機帯向けに、開発環境もより便利に~
2015年11月24日

 ルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役会長兼CEO:遠藤隆雄、以下ルネサス)は、タッチキー操作機器向けに32ビットマイコン「RX130グループ」を開発し、本日より順次サンプル出荷を開始します。ルネサスのタッチキーは、タッチキー検出回路の感度やノイズ耐性に優れているため、厚いアクリル、ガラス、木材、布、石などの様々なカバー素材を使用したタッチキー搭載システムを開発することが可能です。新製品は、この特長を受け継ぎつつ、特に普及機帯のシステムに向けて採用が広がるよう、機能を最適化しました。(1)タッチキー用32ビットマイコンとしては、世界トップクラスとなる最大64キーまでキーの数を拡張可能なため、基板設計が容易です。また、(2)世界最小クラスの待ち受け電流約8μA(注1)を実現し、タッチキー搭載による消費電力の負荷を低減します。

 新製品のサンプル価格は一例として、メモリを64KB(キロバイト)搭載のQFP 64ピンパッケージ製品で250円/個(税別)となっており、量産は2016年3月から開始し、2017年3月には月産50万個を生産予定です。

 さらに今後、(3)普及機帯のモデルに手軽にタッチキーを搭載できるよう、開発環境を拡充します。タッチキーの自動調整ツール「Workbench6」をバージョンアップし、開発ツールだけではなく、アプリケーションノート、ユーザーズマニュアル、リファレンスソフトなど、開発に必要なソフトウェアや情報も掲載します。この「Workbench6」と、マイコンのサンプル、評価ボードを併せて使用することにより、即時、動作確認と評価が可能になります。「Workbench6」を同梱したRX130タッチキー評価キットは2016年2月に発売予定です。

 タッチキーは白物家電の操作パネルに多く使用されていますが、従来、感度に限界があり、濡れた手や手袋をはめた手では操作が困難でした。ルネサスのタッチキーは、高感度でノイズ耐性に優れているため、水に濡れる場所の電気製品や、スイッチを埋め込んだデザイン性の高い住宅設備、安全のために手袋をして作業をする産業機器の操作パネルなど、多種多様な用途に使用可能です。

 これまでに、高級白物家電、産業機器向けにDSP/FPU(注2)対応しセキュリティと通信機能を強化した「RX231グループ」、また、LCD表示機能やUSB通信機能を持ち、住宅設備機器、ヘルスケア機器に向けた「RX113グループ」を提供してきました。今回、普及機クラスに機能を最適化した「RX130グループ」を加えることで、さらなる幅広い用途へのタッチキー搭載が可能になります。

 新製品の追加により、ルネサスのタッチキー向けマイコンは、64KB~512KBのフラッシュメモリ、48~100ピンパッケージの全部で256品種のラインアップが揃いました。RX231とRX130はピン互換性およびソフト互換性があり、ソフトウェア資産の流用も可能のため、普及機から高級機までカバー可能です。

 「RX130グループ」の特長は以下のとおりです。

(1) 最大64のタッチキー検出が可能のため、基板設計が容易

 業界トップクラスとなる最大64キーまで拡張可能のため、タッチキー搭載による配線の混雑が軽減でき、基板設計が容易。また、32ビットCPUの高速演算処理により、64キー制御時でもCPU負荷率10%以下を実現しており、CPU負荷の高い演算処理を含むシステム制御も、ワンチップで実現可能。

(2) 世界最小クラスのタッチキー待ち受け電流により、電力負荷を低減

 15kHz動作のオンチップオシレータを内蔵しており、これを用いて超低消費電力なローパワータイマを動作させ、定期的にスタンバイ状態から復帰してタッチ検出の有無を確認することで、タッチキー用32ビットマイコンとしては世界最小クラスの待ち受け電流約8μA(注1)を実現。タッチキー搭載による消費電力の負荷を低減。

(3) 感度調整等を容易に可能な自動調整ツール「Workbench6」を、さらにバージョンアップ予定。開発に必要なリファレンスソフトウェアやドキュメント情報を拡充して、タッチキーの採用を支援

 ルネサスのタッチキーマイコンは、基板レイアウトやパターン、パネル素材等の影響で難しかった感度調整を、GUI(Graphic User Interface)操作のみで実現する自動調整ツール「Workbench6」により、容易に実現可能。今後、「Workbench6」のバージョンアップにより、開発ツールとしてだけではなく、アプリケーションノート、ユーザーズマニュアル、リファレンスソフトなど、開発に必要なソフトウェアや情報の入手も可能となり、この「Workbench6」と、マイコンのサンプル、評価ボードを併せて使用することにより、即時に動作確認と評価が可能。「Workbench6」を同梱したRX130タッチキー評価キットは2016年2月に発売予定。

 なお、ルネサスは、本年12月10日に東京都品川区で開催するプライベート展「Renesas DevCon 2015」をはじめ、12月16日には名古屋、2016年2月3日には大阪でも、本新製品を活用したデモンストレーションを紹介する予定です。

新製品の主な仕様は別紙(178KB)をご参照ください。

RX130の製品情報は、https://www.renesas.com/ja/products/microcontrollers-microprocessors/rx/rx100/rx130.html をご覧ください。

以 上

(注1)100ms周期でタッチキー1チャネルの待ち受け時

(注2)浮動小数点演算ユニットの略称

*新製品はSilicon Storage Technology, Inc.からライセンスを受けたSuperFlash®を使用しています。

*SuperFlashは、米国Silicon Storage Technology, Inc.の米国、日本などの国における登録商標です。

*その他、本リリース中の製品名やサービス名は全てそれぞれの所有者に属する商標または登録商標です。


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