産業機器に機能安全を早期に導入できる「セーフティ・リファレンス・キット」を発売

~ボードや設計データ、認定取得のためのドキュメントを提供、IEC61508対応システムの開発期間を短縮~

2015年10月15日

ルネサス エレクトロニクス株式会社

 

 ルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役会長兼CEO:遠藤 隆雄、以下ルネサス)は、市場が拡大している産業機器向けに、国際規格IEC61508に代表される機能安全規格に準拠した機能安全システムの開発期間を大幅に短縮する「セーフティ・リファレンス・キット」を、本日から発売します。

 「セーフティ・リファレンス・キット」は、産業機器の機能安全を実現する「機能安全システム」の開発に対し、従来ユーザが独自に開発せざるを得なかった作業を、ルネサスが実施し、その結果を設計データ、ドキュメントなどのリファレンスとして提供するものです。(1)ハードウェア設計のためのリファレンス・ハードウェア、(2)ソフトウェア設計のためのリファレンス・ソフトウェア、(3)認定を取得するためのリファレンス・ドキュメントから構成されています。ユーザは、これをベースに開発を進めることで、「機能安全システム」に関わる作業期間を最大6~7割程度、削減でき、機能安全を早期に導入可能です。また、本リファレンス・キットの提供に加え、サポート・メニュー(有償)も用意しているため、安心して機能安全の開発に着手することができます。

 

 従来安全が重視されてきた自動車分野に加え、産業機器でも、機器の故障や事故の発生による工場稼動への影響や、人的被害による社会への影響、また経済的損失を防止するため、故障しても安全を維持できる「機能安全」への重要性が増しています。このため、今まで機能安全を導入した経験がない企業やユーザが、機能安全対応を始めるケースが増加しています。しかし、「機能安全システム」の開発には、マイコンなど搭載ハードウェアの二重化や電源回路、および、安全監視にまつわるシステム制御ソフトウェア、認証に求められるドキュメントなど、従来の開発プロセスに無い作業内容のため、非常に多くの開発期間とコストを要する課題がありました。これに対し、ルネサスがこれまでに培った自動車や産業機器向け機能安全に対する知識と経験を「セーフティ・リファレンス・キット」として製品化し、提供を開始しました。

 

 なお、すでにルネサスは、機能安全に対して、マイコンの故障診断と自己分析を行う「セーフティ・パッケージ(RX111用RX631、RX63N用)」を販売しております。これは、機能安全システムの中核を成すマイコンが、そもそも正常に動作しているかどうかを診断するものです。今回の「セーフティ・リファレンス・キット」は、ユーザ機器の「機能安全システムの部分」に対して、システムレベル仕様の検討、それに基づく安全システム設計(ハードウェア、ソフトウェア設計)、故障分析・診断を行うものです。

 

 本ソリューションの特長は以下のとおりです。

 

(1)機能安全システムの開発期間を短縮するリファレンス構成

本「セーフティ・リファレンス・キット」は、次の内容で構成されており、これらを活用することにより、ユーザは機能安全システムの開発期間を短縮可能。

  1. リファレンス・ハードウェア
    ルネサスの32ビットマイコン「RX631」(100pin LQFP)を2個搭載したボードと、回路図、部品表含めた設計データを提供。
  2. リファレンス・ソフトウェア
    IEC61508-2、-3の診断技法に沿った「RX631」マイコンの自己診断や監視プログラムをソースコードで提供。マイコンのソフトエラー対策、プログラムシーケンスの相互監視や、マイコン周辺I/Oやオンボード部品の診断など、「RX631」搭載の「リファレンス・ハードウェア」上で、評価や設計時の参考プログラムとして使用可能。
  3. リファレンス・ドキュメント
    安全仕様(安全要求仕様書)と、その実現仕様(安全コンセプト)についてはテュフ ラインランド ジャパン株式会社より記載内容・記載方法の確認を受けているため、設計時の参考として使用可能。これから認証取得を目指すユーザは、テンプレートとしても活用可能。
    そのほか、ボード仕様に基づく診断手法やボード安全分析(FMEA)の実施例、SILレベル(安全度水準)や診断周期計算例など、IEC61508で規定される安全に関連する要求仕様やその実現方法を記載。

 

(2)「セーフティ・パッケージ」との組み合わせによるIEC61508対応システムの実現

本「セーフティ・リファレンス・キット」は、IEC61508 SIL3システムを実現することが目標ですが、その鍵となるマイコンの自己診断は、高診断率の自己診断ソフトウェアライブラリを提供する「セーフティ・パッケージ(RX111用RX631、RX63N用)」との組み合わせで実現可能。ボード安全分析(FMEA)におけるマイコン自己診断の組み込み方や、実行タイミング、自己診断の分割実行による診断オーバーヘッドの軽減策をソフトウェアとともに提示しており、マイコン自己診断の組み込みを効率的に実施可能。

 

(3)サポート・メニュー(有償)の提供により、機能安全システムの開発を支援

 マイコンの自己診断を行う「セーフティ・パッケージ(RX111用RX631、RX63N用)」ならびに、本「セーフティ・リファレンス・キット」に加え、セーフティ仕様検討、カスタマイズ、認証、評価におけるハードウェア、ソフトウェアに関するサポート・メニュー(有償)も用意。これにより、ユーザの機能安全システム開発を支援。

 

 ルネサスは今後も、機能安全システムの早期開発に貢献するため、マイコンの自己診断からシステムレベルの開発負荷を軽減するアプリケーション・ラインナップ強化、さらにサポート提供等、さらなる産業分野向け機能安全ソリューションの充実を図ってまいります。

 

「セーフティ・リファレンス・キット」の仕様、サポート・メニューについては別紙(112KB)をご参照ください。

 

以 上

 

*本リリース中の製品名やサービス名は 全てそれぞれの所有者に属する商標または登録商標です。

 


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