~クラウドカー実現に向けて高度化、複雑化する車載システムの高速起動とWi-Fi高速認証/接続を3社で実現~
2013年9月25日

 ルネサス エレクトロニクス株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役会長兼CEO:作田 久男、以下ルネサス)と、株式会社村田製作所(本社:京都府長岡京市、代表取締役社長:村田 恒夫、以下村田製作所)、株式会社ユビキタス(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:三原 寛司、以下ユビキタス)は、今後数年でIT化、ネットワーク化が進み、クラウドとの連携の加速が予測されるIVI(In-Vehicle Infotainment:車載インフォテインメント - 車載情報機器)分野での市場拡大を想定し、各社が持つ車載分野での技術、ノウハウを活かした高速ネットワーク接続実現のための共同技術開発を開始しました。

 近年、スマートフォンの普及によるネットワークサービスの利用が身近な存在となり、車載環境においてもネットワークサービスを利用したいという要求が高まっています。このような状況の中、スマートフォンとIVIを接続する標準規格の策定が進んでおり、今後ますます複雑かつ高機能化していくことが予想されています。こうした背景から、最新のIVIのプラットフォームでは、従来の専用化された組込みシステム向けOS(オペレーティングシステム)から、主として情報システムで利用されていた高機能なネットワークOSの導入機運が高まりつつあります。これらのOSは汎用的かつ高機能であるため、システムの起動に一定の時間を要しますが、その一方でエンジンの始動からすぐのバックカメラ表示や、ラジオ音声の出力など、システムの高速起動が強く求められています。さらに、車内でのネットワークサービスを快適に利用できるようにするため、IVIとスマートフォンをつなぐWi-Fiの高速なリンクアップが重要な要素になると予測し、3社が持つ強みを活かしたソリューションの創出を目指し共同で開発に取り組むこととしました。

IVIのネットワーク対応動向

スマートフォンの爆発的な普及に伴い、車載環境におけるネットワークサービスの検討が盛んになっています。そうした中、IVIへのWi-Fi搭載は本格化を迎えようとしており、搭載数量の急激な成長が期待されます。スマートフォンではIEEE802.11nの次世代規格IEEE802.11acへの対応が進み、ほどなく車載環境への導入が始まると予想されます。IEEE802.11acが実現する高速スループットは、快適なネットワークサービスの実現にとどまらず、Miracast®に代表される動画コンテンツのスムーズな視聴を可能とするなど、車載インフォテイメントをより魅力あるものにします。また、初期接続・認証を高速に行うIEEE802.11aiは、ユーザの利便性向上に一役買うものと期待されています。

この共同技術開発では、車載インフォテインメント分野で世界No.1シェアのルネサスの最新車載向けSoC「R-Car」と、グローバルでトップシェアの実績を持つ村田製作所のWi-Fiモジュール、ドライバーソフトウェア、さらに車載機器で採用が拡大しているユビキタス社の高速起動ソリューションおよび無線通信ソフトウェア技術をベースに、最新の規格に対応しつつIVIシステムの高速起動を実現し、より快適にネットワークサービスが利用できるプラットフォームの提案を実現してまいります。お客様が導入しやすく、使いやすいプラットフォームを提供することで、IVI市場の拡大に貢献いたします。

ソリューション実現イメージ図と説明

画像
ソリューション実現イメージ図と説明

3社で協力して成長著しい、IVI,DA(Display Audio)の当該分野にてシェアNo.1を目指してまいります。

ルネサス 第一事業本部 自動車ソリューション事業部 事業部長 西原 達也のコメント

「スマートフォンとの連携技術は、次世代車載情報端末市場での最も高い要求の1つであり、弊社のR-Carビジネスにおいても最重要なソリューションと捉えています。今回の村田製作所様、ユビキタス様との共同開発により、お客様に新しいソリューション提案ができることを大変楽しみにしております。3社の強みを融合して、コネクテッドカーの実現に貢献してまいります。」

村田製作所 取締役 常務執行役員 通信事業本部 本部長 中島 規巨のコメント

「これからの自動車は"つながる"ことが不可欠になっていくと予想される中、弊社のコネクティビティモジュール技術に、ルネサス様のSoC「R-Car」、ユビキタス様のソフトウェアを融合させた魅力的な提案ができることを大変楽しみにしています。より多くの車載機器にWi-Fiが搭載され、車内での快適なネットワークサービスが簡単に実現できるよう各社の技術を結集し、自動車産業の発展に貢献してまいります。」

ユビキタス 代表取締役社長 三原 寛司のコメント

「車載市場において非常に大きな実績を持つルネサス様、村田製作所様との共同技術検討により、クラウドカー実現に向けた新しいプラットフォームを市場に届けることができると大きな期待をしています。創業以来弊社が取り組んできた「小さく」「軽く」「速い」組込みソフトウェアと、両社の優れたハードウェア性能により、車載機器での高速ネットワーク接続技術を早期に提供できるよう全力で取り組んでまいります。」

以 上

*本リリースに記載されている会社名、製品名は各社の登録商標または商標です。

ルネサス エレクトロニクス株式会社(証券コード6723)について

ルネサスは、半導体専業メーカーとして、「マイコン」、「アナログ&パワー半導体」、「SoC」という3つの製品群を事業の柱に、グローバルに事業を展開しています。世界シェアNo.1のマイコン事業を中核に、海外・新興国向けのマーケティング強化、スマート社会向けを中心とした成長分野での事業拡大により、全世界のお客様のニーズに応える信頼されるパートナーとして、高い競争力を持つ製品、最適なソリューションを迅速に提供してまいります。

株式会社村田製作所(証券コード6981)について

村田製作所は1944年の創業以来、セラミックスのもつ電気的特性を利用し、多彩な電子部品を開発・商品化してきた世界的な総合電子部品メーカーです。"Innovator in Electronics®"をスローガンに掲げ、独創的な製品を創出し、あらゆる電化製品を支えてきました。今後は、自動車、環境・エネルギー、ヘルスケアなどの分野においても暮らしの安全や快適を実現し、世界文化の発展に貢献します。

株式会社ユビキタス(証券コード3858)について

ユビキタス社は、2001年に創業された組込み機器向けを中心としたコンピュータソフトウェアの開発・ライセンスを行う企業です。ユビキタス社会において必要となる、ネットワーク関連(ホームネットワーク関連・暗号技術を含む)、データベース、システムの高速起動技術などの多数のソフトウェアを提供しております。他と差別化された製品群で、ユビキタス社会の要請に応えます。


ニュースリリースに掲載されている情報(製品価格、仕様等を含む)は、発表日現在の情報です。その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご承知ください。

この記事をシェアする