画像
Makoto Kawaguchi
Makoto Kawaguchi
掲載: 2021年8月24日

スマートフォンやPCでは、インターネット経由によるOSやアプリケーションのアップデートが当然の技術として利用されています。
一方、近年では、組み込み製品にもインターネット経由でのファームウェアアップデート機能が求められるようになり、製品出荷後のファームウェア不具合修正や新機能の追加など、ユーザーの利便性向上のための重要な技術の一つとなっています。

組み込み製品は、直接インターネットに繋げられない事も多く、OTAによるファームウェアアップデートの実現には、ファームウェアの取得方法や、内蔵フラッシュメモリの書き換えによる動作停止の危険性、メモリサイズの制限等、導入するには幾つかの課題が存在します。

今回これらの課題解消に向け、RX23Wを搭載した組み込み製品でBluetooth LE を使用してファームウェアをアップデートする「OTA*ソリューション」を紹介します。 *OTA: Over the Air

画像
communication-architecture

RX23WのOTAソリューションは、一般に広く普及したBluetooth LE技術を使用して、スマートフォンからRX23Wを搭載した組み込み製品のファームウェアをアップデートする機能を提供します。

本ソリューションには、ファームウェアアップデート機能を実現するRX23W用サンプルプログラムと、更新データを送信するスマートフォン用サンプルアプリケーションが含まれます。

プログラムの配置を工夫し、プログラムサイズの大きなBluetooth LE プロトコルスタックとアプリケーション部分を異なるセクションに配置し、メモリを最大限活用しながらそれぞれを順に書き換える事で、ファームウェアアップデートを実現しています。
各プログラムは独立して実行されるためアップデート中の電源遮断時も更新を再開できます。

画像
codeflash-rewriting-procedure

RX23Wでファームウェアアップデートを実現するために必要なプログラムセクションの設定等については、アプリケーションノートに図解しています。アプリケーションノートのガイドに従って操作することで既存のプロジェクトにファームウェアアップデート機能を容易に組み込むことができます。
また、ユーザーがスマートフォン用アプリケーションを容易に開発できるよう、ファームウェアアップデート機能を組み込んだサンプルアプリケーションのソースコードを提供しています。

開発を終えて
開発中は、できるだけ簡単に更新を確実に実現できるように工夫しました。特に、不意の電源遮断によって再起動不可能にならないよう、気を使いました。
メモリ配置や電源遮断対応、手厚いガイドによって組み込み機器へのOTAによるファームウェア更新の導入のハードルを下げられたと思いますので、ぜひお試しください。

RX23W用OTAファームウェアアップデートのアプリケーションノート
RXファミリ向けBluetooth Low Energyソフトウェア

この記事をシェアする