~JAXAの「はやぶさ2」ミッションの実現に、インターシルブランドの耐放射線ICが貢献~

2021年2月25日

 ルネサス エレクトロニクス株式会社(CEO: 柴田 英利、以下ルネサス)は、このたび、再突入カプセルに小惑星のサンプルを採取して2020年12月6日に地球に帰還した小惑星探査機「はやぶさ2」に、当社の耐放射線ICが搭載されていたことを発表します。宇宙航空研究開発機構(JAXA)が運用する「はやぶさ2」は、2014年12月3日に種子島宇宙センターからH-IIAロケットにより打ち上げられ、2018年6月27日に小惑星リュウグウに到着しました。

 「はやぶさ2」の小惑星サンプル採取ミッションは、惑星の起源や地球の海の水の起源、そして生命の起源の探求を目的としていました。「はやぶさ2」には、リモートセンシングやサンプル採集のための複数のペイロードが搭載されており、4機の小型ローバで小惑星上を探査し、地表および地中のサンプルを採取して環境や地質の分析を行いました。

 ルネサスのインターシルブランドの耐放射線ICは、「はやぶさ2」の様々なサブシステムに使用されています。インターシルブランドの耐放射線ソリューションには、電圧レギュレータおよびリファレンス、PWMコントローラ、MOSFETドライバ、クワッドコンパレータ、8チャネルおよび16チャネルマルチプレクサ、RS-422レシーバおよびドライバなどがあります。

 ルネサスのインダストリアル・コミュニケーション事業部、事業部長のPhilip Chesleyは、次のように述べています。「業界をリードする当社の耐放射線ICは、『はやぶさ2』のいくつかの宇宙飛行サブシステムで活躍しています。地球上の生命の起源と太陽系の誕生の解明を目的とした『はやぶさ2』の6年間にわたるミッションの中で重要な役割を果たせたことを、大変嬉しく光栄に思います。」

 ルネサスのインターシルブランドは、1950年にRadiation Inc.が設立されて以来、60年以上に渡る宇宙産業での長い歴史を持っています。事実上、ほぼすべての衛星、シャトル打ち上げ、深宇宙探査ミッションにインターシルブランドの製品が使用されてきました。ルネサスは、この経験を活かして、高効率で熱的に最適化された信頼性の高いSMD、MIL-STD-883、MIL-PRF 38535 Class-V/Qのインターシルブランドの製品を、防衛や高信頼性(Hi-Rel)、および耐放射線の宇宙市場向けに提供しています。これらの耐放射線ICは、データ通信、電源供給、電源管理、一般的保護回路、地球からの追跡・監視・制御(TT&C)といったミッションクリティカルな用途でサブシステムをサポートしています。

 深宇宙は、特にほぼすべてのミッションが強い放射線環境のため、宇宙飛行や火星探査機システムにとって困難な環境です。ICの設計、レイアウト、特定のプロセス技術、およびICの通電や総線量テストなどの製造ステップにより、予測可能な性能を保証し、航行中や長時間のロボット操作、他の惑星への乗務ミッションでのシステム障害を防止します。

ルネサスのインターシルブランドの宇宙向けICについて

  • 300種類以上の宇宙仕様の耐放射線製品を用意
  • フロリダ州パームベイにあるルネサスのインターシルMIL-PRF-38535認定施設で、一貫して設計と製造を実施
  • ルネサスのインターシルブランドは、RHA防衛庁(陸海軍)のQMLサプライヤ、15社のうちの1社
  • すべての製品は、クラスV(宇宙レベル)に完全に準拠
  • すべての製品は、個々のDLA (Defense Logistics Agency) SMD(Standard Microcircuit Drawing)仕様、規格に準拠

ルネサスのインターシルブランドの宇宙用および高信頼性ソリューション、低線量率放射線検査施設の詳細については、こちらをご覧ください。
www.renesas.com/solutions/key-technology/rad-hard.html

以 上

*本リリース中の製品名やサービス名は全てそれぞれの所有者に属する商標または登録商標です。


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