~室内環境の指標とされる総揮発性有機化合物(TVOC)を、安定した特性でより高精度に測定可能~
2020年6月10日

 ルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役社長兼CEO: 柴田 英利、以下ルネサス)は、このたび、「ZMOD4410」室内空気質(IAQ)センサ用に、ニューラルネットワークによる学習済みファームウェアの提供を開始しました。ルネサス独自のZMODガスセンサプラットフォームは、ハードウェアを変更することなくソフトウェア更新によるアップデートが可能なため、センシングシステムを柔軟に設計することができるという特長があります。アプリケーションごとの固有の環境に合わせて、現場でソフトウェアの変更が可能で、臭気や、室内環境の指標とされる総揮発性有機化合物(TVOC)を計測する機能をサポートしています。

 今回提供を開始したファームウェアは、ルネサスのe-AI(embedded-Artificial Intelligence)ソリューションを応用して開発しました。臭気の学習にニューラルネットワークを活用し、たとえば、トイレのような密閉された小さな空間でもより高い精度で検知することが可能になり、また、硫黄系の臭気(トイレの悪臭など)とエタノール系の臭気(消臭剤の香りなど)を区別することが可能になりました。これにより、悪臭が無くなれば自動で運転を停止するなど新たな換気システムの開発も可能です。

 ZMOD4410は、国際的なガイドラインに則った室内空気質(Indoor Air Quality: IAQ)の計測を行うことが可能です。ユーザはTVOCとIAQをより低いガス濃度から検知することができます。今回の新たなファームウェアの更新によりTVOC検出の精度が高まったことから、今までよりも正確にCO2値(eCO2)を推定できるようになりました。本ファームウェアは、ルネサスの低消費電力マイコンRL78ファミリに搭載して動作するように設計しましたが、もちろんルネサスのRX、RA、REファミリや他社製マイコンと組み合わせることもできます。

ZMOD4410ガスセンサプラットフォームについて

 TVOC計測におけるプログラマビリティ、特性の安定性、感度など、高いバランスの取れた特長の組み合わせによりZMOD4410は、HVACシステムや換気ファンはもちろん、トイレの照明やスイッチに内蔵するなど、多様なIAQ用途に最適なソリューションです。センサ素子には、長い動作実績を誇り安定した特性の金属酸化物(MOx)を材料として使用しています。出荷時には電気特性と化学特性のテストも行っているため、個々のセンサ性能のばらつきが少なく、長期にわたり供給する際でも、一貫した性能を発揮します。また、ZMOD4410は、不具合の原因となるガス物質のシロキサンに対しても耐性があるため、過酷な用途におけるアプリケーションでも優れた信頼性を発揮します。

 ルネサスのIoT・インフラ事業本部のセンシングソリューション担当のSenior DirectorであるUwe Guentherは次のように述べています。「IAQ市場では、用途別の要件に対応するため、より高い精度、より高いパフォーマンス、そしてさらなる柔軟性がますます求められています。この市場での成功を目指すお客様は、特性の安定性を重視しており、今回アップデートされたZMOD4410プラットフォームは、スマートセンシングにAIを活用することにより、精度もガスの選択性も向上しました。これにより、お客様には換気や臭気の監視・制御システムのカスタマイズに必要な精度と柔軟性を、またエンドユーザの方にはより快適な環境を提供することができるようになりました。」

ZMOD440プラットフォームと最新のファームウェアについての詳細はこちらからご覧ください。www.idt.com/zmod4410

以 上

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