新型コロナウイルスによる混乱は世界的に広がっており、医療機関に押し寄せる人が激増しています(2020年4月現在)。このため多くの医師は、患者毎に最適な人工呼吸器を選ぶ余地がなく、その場しのぎの対応を余儀なくされています。メーカー側も、知的財産を会社間で共有して増産にあたるなど、さまざまな方法でこの難局を乗り切ろうとしています。ルネサスも、この人工呼吸器のためのターンキーソリューションをリリースし、この世界的な課題解決に貢献していきます。

このソリューションは、病室外・ICU外の場所で使える、移動式人工呼吸器を設計できるリファレンスです。アシスト制御モードと圧力制御モードで、患者に高圧酸素を送ることができます。アシスト制御モードは、一呼吸ごとに特定の量の酸素を患者に送ります。吸入管の酸素流量は、流量センサFS1023が監視し、MCUが一回の換気量を算出します。酸素バルブはMCUが制御し、送り込む酸素量を管理します。圧力制御モードは、一呼吸ごとに特定の圧力で酸素を患者に送ります。吸入圧は、マスクに装着された近傍気圧センサーが監視し、その数値をRX23W(MCU)に送ります。圧力を高め酸素を人工呼吸器に送り込むブロワー部は、RX23T(MCU)で制御されるモータ制御ボードが駆動します。データの送受信は、I2Cバスを通して行われます。このリファレンスには加湿部も組み込まれており、適度な湿度を含んだ酸素を送ることができます。

このリファレンスには2つのMCUが搭載されており、互いに監視・リセットができるよう二重化して、安全性を高めています。

このシステムのメリット

  • 2つのMCUで相互監視が行える、二重化された安全なシステム
  • アシスト制御モードと圧力制御モードが利用可能
  • ハードウェアは低容量一回換気量、ピーク圧、接続解除、無呼吸アラームを制御可能
  • FS1023が酸素の量・流速の両方を監視
  • 酸素量をMCU制御バルブにより制御(流速センサを用いた監視)
  • 呼気排出圧はMCUが排出バルブで制御
  • 酸素センサをFiO2(吸入酸素濃度)テストに使用
  • ブロワーを圧力/流量センサーフィードバックに従って制御
  • LCDの輝度は、環境光を監視する光センサによって制御
  • バッテリ残量モニタ機能により、バッテリの長寿命化に寄与
システムブロック図

人工呼吸器

ウィニング・コンビネーション

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