ヘテロジニアスマルチコアプロセッサを1つのRTOSでサポート
ヘテロジニアスコンピューティングを実現するイーソルのスケーラブルリアルタイムOS「eMCOS」を紹介するデモです。eMCOSは、自動運転システム用プラットフォームにも採用されています。R-Car H3のArm® Cortex®-A57の4コアとArm® Cortex®-A53の4コアのヘテロジニアスな構成の計8コアを、ひとつのRTOSでサポートできます。
本デモ環境では、R-Car H3の評価ボードSalvator-X上でeMCOS POSIXが動作しており、そのデバッグ環境eBinder Version2を通してデバッグやランタイム動作の解析を行います。eBinderのタスク/システムレベルデバッガでは、対象のコンテキストを実行されているコアを意識せずに自由に切り替えて、システム全体を止めずにタスク単位でブレークやステップ実行ができます。プロセス内のタスクもデバッグできます。マルチコアシステムの複雑な状態の解析を容易にする「EvenTrek」、プロセスやタスクの管理情報をリアルタイムに取得表示する「PartScope」、タスク別のプロファイル結果を取得しボトルネック解析を行うための「Real-time Profiler」、eMCOS POSIX内部のメッセージ通信の状況を解析するツール「Message Profiler」などの各種システム解析ツールも用意しています。
eMCOSおよびeBinderに加え、ソフトウェア並列化ツールやテストツール、各種プロフェッショナルサービスを含む包括的なソリューションで、R-Car H3をはじめとするマルチ・メニーコアシステム開発を支援します。
【eMCOS特長】
- 従来のリアルタイムOSとはまったく異なる「分散型マイクロカーネルアーキテクチャ」を採用
- コア数の違いに加え、マイコンやGPU、FPGAなどアーキテクチャが異なるヘテロジニアスなハードウェア構成をサポートするスケーラビリティを実現
- マイクロカーネルは各コアに配置され、コア間通信を含むメッセージパッシング、コアローカルスケジューリング、スレッド管理、割込み管理などの基本サービスをそれぞれが提供するコンパクトな構成
- イーソルの独自技術「セミプライオリティベーススケジューリング」を搭載(特許 第5734941号、第5945617号)
- メニーコアで期待される高いパフォーマンスとスケーラビリティに加えて、組込みシステムに不可欠なリアルタイム性を両立
- POSIX仕様準拠プロファイル「eMCOS POSIX」を用意
- Linuxのソフトウェア資産とエンジニアリソースの活用を容易に
- プラグイン拡張が可能なEclipseベースの開発環境「eBinder」を提供
- スレッドのコア配置を意識せず、シングルコアプロセッサ上での開発と同じ感覚で、マルチコアシステムのプログラミングが可能
分散型マイクロカーネルアーキテクチャ
セミプライオリティベーススケジューリング
eBinder画面(Real-Time Profiler)
eBinder画面(EvenTrek)